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ゆずがサプライズ出演!! TRICERATOPSの第10回“おとといミーティング”。

TRICERATOPS | 2012.09.05

 「夜景がきれいだね」と吉田佳史。確かに三方に広がる窓からは皇居を囲む緑やスカイツリーや高層ビルの明かりが見えて、眺めがいい。過去9回のうち、大阪開催をのぞく8回は西麻布のSweet Emotionで行われてきた"12-Bar"だが、店の閉店に伴って、TOKYO FM 11Fにあるラウンジ、JET STREAM へと場所を移して行われることになった。アコースティック編成であることには変わりはないが、会場が違うと、ライヴの雰囲気も変わる。これはバンドにとって新たなるトライでもありそうだ。しかも前々日にはひたちなかでのROCK IN JAPAN FES、前日には淡路島でのapbank fesと、シチュエーションも客層もまったく異なるイベントに参加しての怒濤の3連続ステージの3日目なので、体力的にも精神的にもハードであるはずだ。が、彼らは音楽そのものによって、そんな状況を一気に乗り越えていった。

 オープニングナンバーは「I GO WILD」。歌と演奏からは彼らの気迫も伝わってくる。歌の内容と彼らのライヴにのぞむタフな姿勢が一致していて、胸が熱くなる。観客もハンドクラップで加わり、早くも会場がひとつになっていく。「シラフの月」は夜景が見えるこのシチュエーションにぴったりな歌。一瞬のブレイクも息がぴったり合っている。密やかな歌なのだが、3人の感覚は研ぎ澄まされている。ギター、ベース、ドラムの深みのある音色にも酔いしれた。「Walk In The Park」も北の丸公園に隣接するこの場所でやるのにぴったりな曲。風を感じるような緩やかなグルーヴが気持ち良かった。

 "12-Bar"の見所のひとつになっているのが共同プロデューサーの森田恭子氏からの宿題曲コーナー。今回は吉川晃司の夏の名曲「ラ・ヴィアンローズ」だ。歯切れのいい演奏と和田の柔らかさを備えた歌声とが似合っている。オリジナルとはまたちょっと違う夏の恋のせつなさが滲んでいく。コーラスは爽やかな潮風のようだった。

 フリーコーナーでは過去の"12-Bar"で何度も演奏されてきた「夏色」も披露された。「もう1回!」という声で再度演奏がスタートし、吉田が歌い、林が受け継ぎ、「サブリーダー!」というかけ声に続いて、本物のゆずのサブリーダー、岩沢厚治が歌に加わるサプライズもあった。つまり過去の"12-Bar"が壮大な前フリとなっていたのだ。観客の盛り上がりもすごかった。さらにはゆずのリーダー、北川悠仁も登場して、5人での「夏色」に突入。お祭りムード全開でまるでフェスみたいだ。TRICERATOPSとゆずはともにデビュー15周年を迎えた同期である。リスペクトと友情がありながらも、全力でぶつかり合っていく白熱のコラボレーション。「ロケットに乗って」ではロケットの搭載エンジンがさらにパワーアップ。北川のリードで林がハモったり、和田のリードで岩沢がハモったり、北川がシャウトしたり。ゆずのふたりも観客も飛び跳ねている。会場内の百数十名がロケットに乗っているその場所がJET STREAMというのも出来すぎだ。オリンピック開催時期ということもあって、「栄光の架橋」も演奏された。和田のリードで始まり、北川へと繋いでいく。和田+岩沢、北川+林といった組み合わせの新鮮なハモリもあり。ゆずの歌声に続いて和田のアコギが入ったりして、それぞれの持ち味も生かしつつ、融合する魅力もありつつ。広がりのある歌声に触発されたのか、ダイナミズムと力強さとを備えた演奏も素晴らしかった。ゆずとTRICERATOPSで構成されたthe fevers名義で制作した「第九のベンさん」を各自が個性的なサングラスをかけて披露したのだが、これも貴重な共演となった。

 ゆずの登場で盛り上がった後の3人での演奏はハードルが高くなるのだが、彼らはテンションを維持して、「SHORT HAIR」、「Jewel」と集中力あふれる演奏を披露した。笑いとスリルと興奮と感動とが詰まった濃いステージの最後を締めたのは「LOVE IS LIVE」。この曲はこの日だけでなく、この三日間の音楽という名の冒険の旅のエンディングのようにも響いてきた。彼らの演奏に誘われたのか、夜空に月が輝いていた。素敵な夜の締めくくりには愛にあふれたこの曲がぴったりだった。

【取材・文:長谷川誠】
【撮影:山本倫子】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル おとといミーティング TRICERATOPS

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リリース情報

DINOSOUL -BEST OF TRICERATOPS-

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2012年07月18日

tearbridge international

1 Fever
2 Guatemala
3 Going To The Moon
4 if
5 2020
6 Rock Music
7 Jewel
8 僕らの一歩
9 トランスフォーマー
10 Walk In The Park
11 Loony’s Anthem
12 シラフの月
13 Forever
14 I Go Wild
15 Happy Saddy Mountain
16 Startin’ Lovin’ (with May J.)

BONUS TRACK(※初回盤のみ)
17 ハートとダイヤのマグカップ

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お知らせ

■ライブ情報

中島卓偉「アコギタクイ“フェス”スペシャル2012」
2012/09/16(日)SHIBUYA-AX ※和田唱のみ出演

連載・おとといミーティング TRICERATOPS
"12-Bar" vol.11

2012/09/20(木)TOKYO FM 11F JET STREAM

QUATTRO MIRAGE VOL.5
powered by TOWER RECORDS

2012/11/08(木)梅田クラブクアトロ

THE SOLAR BUDOKAN
2012/12/20(木)日本武道館 ※和田唱のみ出演

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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