奥田民生がサプライズ出演!! TRICERATOPSの第11回“連載・おとといミーティング”。
TRICERATOPS | 2012.10.12
前回に引き続いて、TOKYO FM 11Fのラウンジ、JET STREAMでのステージ。 "12-Bar"は12回に渡って行われるイベントなので、四季の移り変わりを感じる瞬間が結構ある。オープニングは過ぎゆく夏を惜しむ選曲。「夏を懐かしみつつ」と和田が言うと、吉田が「名残り惜しみつつ」と言葉を繋ぎ、ビーチボーイズの「THE GIRLS ON THE BEACH」での幕開け。ファルセットを駆使した三声のハモリも効果的だ。この丁寧なコーラスワークにも彼らの豊かな音楽性が表れている。続いては一転して、ファンキーなロックナンバー「WARP」へ。まさにワープするようなダイナミックな展開がスリリングだった。久々の「ベル」はナチュラルなグルーヴに体が揺れた。
"12-Bar" はUstreamでも生中継されているのだが、今回は同じビル内ということもあって、TFMの番組で、生で「LOVE IS LIVE」がオンエアされるコラボレーションも実現した。いつもはまったりとした空気が魅力的なのだけれど、この日は時間調整の段取りもあったせいか、引き締まった空気が漂っていた。観客もかけあいのコーラスなどで参加しての熱気と一体感あふれる演奏。
共同プロデューサーの森田恭子氏からの宿題曲コーナーは松田聖子の「瞳はダイアモンド」。「悲しい歌詞なんだけど、あえて雰囲気を明るくしました」と和田。林がモータウン風のリズムを刻み、観客がハンドクラップで参加していく。ソウルフルな和田の歌声に林と吉田のウーアー系のコーラスが加わっていく。リズミカルでポップなボーカルによって、逆に歌詞が引き立って、こんな歌でもあったんだという再発見のある見事なカバーとなった。彼らの曲解釈のセンスは抜群だ。「聖子さんも喜んでくれていることでしょう」と吉田。フリーコーナーで会場内を笑いと拍手の渦にしてしまったのは林による福山雅治の「家族になろうよ」のモノマネ。坂本龍馬役のセリフ、「侍をなめたらいかんぜよ」で始まるという凝った導入部も冴えていた。
今や、シークレットゲストの登場の仕方が凝っているのも"12-Bar" の醍醐味のひとつ。今回は帽子をかぶった吉田がトイレ休憩でステージから姿を消し、戻ってきたと思ったら、熱烈な歓声の中、登場したのは帽子姿の奥田民生だった。その奥田がドラムを担当して、TRICERATOPSがユニコーン・トリビュートアルバムで演奏した「ヒゲとボイン」へ。タイトかつコンパクトに凝縮したアレンジでの歌と演奏がいい感じだ。和田が中学時代、楽器屋で奥田と遭遇したエピソードを熱く語りだしたのだが、奥田から「そろそろ次の曲を」と、ストップがかかる。これはテレ隠し? TRICERATOPSの「あのねBaby」は奥田のボーカルをフィーチャーして。歌詞を間違えたりして、ぐだぐたなのだが、奥田のボーカルのタイム感はやはりすごい。シャウトにも強烈なビートが宿っている。が、TRICERATOPSも負けていない。4人の共通言語であるビートルズの「One After 909」ではジョン&ポールのような和田&奥田の掛けあいがいい感じだった。アコギやアコースティックベースの音色が原曲の中のオールディーズの要素を際立たせていく。さらに奥田の「The STANDARD」へ。和田がリードをとり、2番は奥田のリードへ。和田の歌声も曲の世界へと深く入っていてエモーショナルだ。奥田の歌声はさすが。そしてそのパワーに刺激されて3人も熱演。ミュージシャン魂が燃え上がる共演となった。「幸せでしたね」と吉田。「オレら、中高の頃からユニコーン聴いてたから」と林。自分たちのルーツであるミュージシャンとの共演が実現するところにも音楽の素晴らしさがある。その幸せを観客にも“お裾分け”するようなひとときとなった。
奥田民生が去ってからは3人のステージ。夢の共演でエネルギーをチャージして、「TATTOO」、さらに「FEVER」へ。ラストは体温のある歌と演奏とが魅力的な「僕らの一歩」。夏の歌で始まり、冬の歌で終わるというロマンティックな構成。たくさんの音楽のドラマが詰まった濃い夜はハッピーエンドで幕を閉じた。
【取材・文:長谷川誠】
【撮影:山本倫子】
関連記事
-
TRICERATOPS
優れたダンス・ミュージックは人間の精神を開放し、自由にするだけでなく、多くの人々の心をひとつにしていく。開放と連帯が両立した空間がそこにあった。
-
TRICERATOPS
「もちろんパーティーなんだけど、本気で行きます!」気迫あふれる演奏で、ツアーの集大成+デビュー20周年を祝うスペシャルな夜となったAFTER PARTYをレポート
-
TRICERATOPS
今年で7回目を迎える<“TRICERATOPS“DINOSAUR ROCK’N ROLL 7”>。 シークレットゲストに平井 堅を招き開催したTRICERATOPS恒例の自主企画をレポート!
-
TRICERATOPS
TRICERATOPSが、初のアコースティックツアーを開催。表現の可能性をどこまでも広げた今ツアーのファイナル・Zepp DiverCity(Tokyo)公演のレポートをお届けする。
-
TRICERATOPS
全国ツアーファイナル、「人生の中でみんなのエネルギーになれる存在だったら、完璧(和田)」。温かくて、人懐こい人間性がそのままサウンドに溶け込んでいるようだった。
-
TRICERATOPS
TRICERATOPS “SHOUT TO THE STARLIGHT TOUR”。追加公演のファイナル、赤坂BLITZをレポート!
-
TRICERATOPS
-
TRICERATOPS
-
TRICERATOPS
TRICERATOPS、最新アルバム『SONGS FOR THE STARLIGHT』を携えたツアー第一弾、Zepp Tokyoの2日目をレポート。
-
TRICERATOPS
TRICERATOPS「“FOR THE STARLIGHTS”TOUR」の追加公演、ハッピーな空気に満たされた赤坂BLITZをレポート!
リリース情報
DINOSOUL -BEST OF TRICERATOPS-
2012年07月18日
tearbridge international
2 Guatemala
3 Going To The Moon
4 if
5 2020
6 Rock Music
7 Jewel
8 僕らの一歩
9 トランスフォーマー
10 Walk In The Park
11 Loony’s Anthem
12 シラフの月
13 Forever
14 I Go Wild
15 Happy Saddy Mountain
16 Startin’ Lovin’ (with May J.)
BONUS TRACK(※初回盤のみ)
17 ハートとダイヤのマグカップ
このアルバムを購入
お知らせ
FM802 PREMIUM STAGE“Kyoko 20th Anniversary”
2012/11/18(日)奈良市・平城宮跡 第一次大極殿前 交流ステージ
※和田唱のみ出演
THE SOLAR BUDOKAN
2012/12/20(木)日本武道館 ※和田唱のみ出演
COUNTDOWN JAPAN 12/13
2012/12/29(土)幕張メッセ国際展示場1~8ホール、イベントホール
TRICERATOPS 15TH ANNIVERSARY SHOW "RETURNS"
2012/12/30(日)横浜BLITZ
lessthan* BIG LOVE
2013/01/06(日)ラフォーレミュージアム原宿
※和田唱のみ出演
The Collectors CLUB QUATTRO Weekly Event "NEW YEAR CHAMPIONSHIP"
2013/01/13(日)渋谷 CLUB QUATTRO
TRICERATOPS 12-Bar "13"
2013/01/26(土)中野サンプラザ
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。