やはりこの世界には、彼女の歌が必要だと改めて気づいた、中島美嘉の新曲
中島美嘉 | 2011.04.28
昨年の秋、耳の不調に伴い、「自分で納得のいく歌が歌えない」ことを理由に活動休止宣言を行なった中島美嘉が、ニューシングル「Dear」(映画「八日目の蝉」主題歌)とともにシーンに戻ってきた。本人自身が「メロディも楽曲の世界観も私に合ってると思う」というこの曲は、「あなたにもらった全てのものが愛だと気づいたから」というフレーズが心を打つバラード・ナンバー。やはりこの世界には、彼女の歌が必要だ??そんなふうに思わせてくれる、新たな名曲の誕生である。
- EMTG : 活動再開という重要なタイミングの曲だと思うんですが、いつごろレコーディングしたんですか?
- 中島美嘉 : えーと、覚えてません(笑)。でも、そんなに前じゃないですよ。たぶん、2月の最初くらいかな。”この曲にしよう”って決まってから、すぐに歌った気がします」
- EMTG : それくらい印象の強い曲だった、と。
- 中島美嘉 : そうですね、初めて聴かせてもらったとき、すぐに”いいな”って思ったので。何て言うか、ドンピシャだったんですよね、歌詞が。曲を書いてくれた方(「一番綺麗な私を」を手がけた杉山勝彦氏)は私だけに向けてたわけではなくて、むしろ映画のことをイメージしてたみたいなんですけど。
- EMTG : 歌詞がドンピシャだった、っていうのは…?
- 中島美嘉 : 出だしとサビのアタマですね、特に。自分で歌詞を書くときも、歌いだしとサビのアタマをいちばん大事にしてるんですよ。
- EMTG : 「Dear」の歌いだしは「どうして私がこんな思いをするの?/あなたにぶつけた すごく寂しかったから」ですね。
- 中島美嘉 : 一行目ですよね、好きなのは。”どうして私が”っていう気持ちになりましたからね、正直言って。運命的なものを感じました、その歌詞には。
- EMTG : 日本武道館、大阪城ホールで予定されていたデビュー10周年のライブをキャンセルしたうえでの活動休止宣言ですからね。中島さんの性格を考えると、それこそ身を切られるような思いだったんじゃないかなって…。
- 中島美嘉 : 情けなかったですよ、ホントに。もう何もなかったし、どうしていいか分からなかったんですよね。”ひとりで抱え込もう”って思ってたわけじゃないんだけど、誰かに相談して良くなるものでもないから。
- EMTG : 治療に専念するしかないですよね。
- 中島美嘉 : 最初の1ヶ月くらいは、ほぼ治療だけですよね。そのあとは少しずつ、ボイトレと筋トレも始めましたけど。治療って言ってもね、何か特別なことをするわけじゃないんですよ。病院のお医者さんにも言われたんですけど、ふつうの人間としてのふつうの生活を取り戻すことがいちばんの治療なんですよ。ちゃんと食べて、ちゃんと寝てっていう。だから、健康になったと思います(笑)。
- EMTG : そういうゆったりとした生活って…。
- 中島美嘉 : ホントに久しぶりでした。やることと言えば、海外ドラマのDVDを見るくらいだったし。でもね、すぐに”あーヒマだな”って思いましたよ。あんまり忙しいのも困るけど、”やっぱり仕事が好きだな”って。
- EMTG : じゃあ、こうやって活動が始まるのは嬉しい?
- 中島美嘉 : そうですね。インタビューはやっぱり嫌いですけど。またこういうことが続くかと思うと憂鬱になりますね。だって、私の話なんか聞きたい?。
- EMTG : 聞きたいし、聞きたいと思ってる人がたくさんいると思います(笑)。ゆっくり過ごす時間が持てたことで、改めて自分を見つめ直すこともできたんじゃないですか?
- 中島美嘉 : うん、それはあったと思う。要らないモノだらけだったなってことに気づきました。
- EMTG : それって、たとえば洋服とか…?
- 中島美嘉 : 特に洋服ですね(笑)。もう何も要らない! って思って、かなり整理したんですよ。本当に好きなモノと(ステージ)衣装だけは残して、あとは人にあげたり。…まあ、最近、ちょっと増えちゃいましたけど(笑)。
- EMTG : 本当に大事なものがハッキリしたのかもしれないですね。
- 中島美嘉 : そう思いますね。歌もそうだし、人もそうだし。
- EMTG : 人?
- 中島美嘉 : うん。あのね、休んでるときにケータイをなくしちゃったんです。バックアップも取ってなかったから、データがぜんぶなくなっちゃって。でも、自分にとって大切な人だったり、ちゃんとつながってる人は向こうから連絡をくれるでしょ?そのとき気づいたんですよね。“あ、これだけでよかったんだ”って。そういうことが重なって、少しずつ気持ちがラクになってきたんです。耳の状態もね、まだ絶好調ではないんですよ、正直言って。でも、そこまで気にしなくなったんですよね。以前はもう、少し調子が良くないだけで、すごく神経質になってたから。“気にするのをやめよう”って思えるようになっただけでも、ぜんぜん違いますよね。
- EMTG : 大きな変化があったんですね、いろんな意味で。「Dear」には「ごめんね ありがとう 言えないままに 言葉はかすれ涙になる」という歌詞がありますが、“ごめんね ありがとう”という言葉を誰に伝えたいですか?
- 中島美嘉 : …今回のことに関しては、全員ですよ。心配していただいたファンの方にも、ずっと支えてくれている人たちにも。うん、全員に言いたいですね。
- EMTG : アルバム「STAR」とシングル「Dear」を伴った約2年ぶりの全国ツアー(MIKA NAKASHIMA CONCERT TOUR 2011 "THE ONLY STAR")も中島さんにとって、いままで以上に深い意味を持ちそうですね。
- 中島美嘉 : まず、来てくださった方に感謝とお詫びをしっかり伝えたいと思いますね。あとは“初心に戻る”っていうのがいちばんシックリくるかなって。バンドのメンバーもほとんど入れ替わるし。
- EMTG : ゼロからのスタート?
- 中島美嘉 : 休んでいたときのブランクを取り戻すには、その何倍もかかると思うんですよね。ただ、“休む前の状態に戻す”ということではなくて、また最初から作り上げるっていう感覚なんです。それはきっと、やりがいがあることだと思うし。
- EMTG : そうですね。不安と楽しみはどれくらいの割合ですか?
- 中島美嘉 : うーん、不安が6で楽しみが4かな(笑)。これでも以前に比べたら、楽しみの割合が増えてるんですよ。少しずつですけどね、ホントに。
- EMTG : 僕も楽しみにしてます。体調、気をつけてくださいね。
- 中島美嘉 : ありがとうございます。“もっと太りなさい”って言われてるんですよね、お医者さんから。“1日にこれだけカロリーを取る”っていう目標があるんですけど、それがなかなか難しくて。でも、できるだけがんばります。
【 取材・文:森 朋之 】
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リリース情報
INFORMATION
♪MIKA NAKASHIMA CONCERT TOUR 2011
◆2011年4月28日(木)
名古屋国際会議場センチュリーホール
◆2011年4月30日(土)
ニトリ文化ホール(旧北海道厚生年金会館)
◆2011年5月3日(火・祝)
まつもと市民芸術館
◆2011年5月4日(水・祝)
新潟県民会館
◆2011年5月6日(金)
神奈川県民ホール
◆2011年5月7日(土)
神奈川県民ホール
◆2011年5月12日(木)
山形県県民会館
◆2011年5月15日(日)
青森市文化会館
◆2011年5月19日(木)
東京国際フォーラム・ホールA
◆2011年5月20日(金)
東京国際フォーラム・ホールA
◆2011年5月27日(金)
三重県文化会館 大ホール
◆2011年5月28日(土)
長良川国際会議場メインホール
◆2011年6月2日(木)
富山オーバード・ホール
◆2011年6月4日(土)
兵庫県立芸術文化センター
◆2011年6月5日(日)
兵庫県立芸術文化センター
◆2011年6月9日(木)
広島市文化交流会館(旧厚生年金会館)
◆2011年6月10日(金)
周南市文化会館
◆2011年6月12日(日)
とりぎん文化会館
◆2011年6月17日(金)
宮崎市民文化ホール
◆2011年6月18日(土)
鹿児島市民文化ホール第一
◆2011年6月21日(火)
長崎ブリックホール
◆2011年6月22日(水)
大分iichikoグランシアタ
◆2011年6月25日(土)
福岡サンパレス
◆2011年6月30日(木)
アルファあなぶきホール(香川県県民ホール)
◆2011年7月2日(土)
鳴門市文化会館
◆2011年7月3日(日)
松山市民会館
◆2011年7月9日(土)
NHKホール
◆2011年7月10日(日)
NHKホール
◆2011年7月16日(土)
名古屋国際会議場センチュリーホール
◆2011年7月18日(月・祝)
大阪国際会議場メインホール
◆2011年7月19日(火)
大阪国際会議場メインホール
◆2011年7月22日(金)
※4月22日の公演振替え分
サンシティ越谷
※5月13日(金)仙台サンプラザホール公演は震災の影響により、公演中止となりました。