デビュー15周年を迎えたTRICERATOPSが、ベスト盤をリリース

TRICERATOPS | 2012.07.18

 デビュー15周年を迎えたTRICERATOPSが、ベストアルバム『DINOSOUL -BEST OF TRICERATOPS-』をリリースする。シングル中心とか、時代を網羅しているとか、よくあるテーマは想像できない、でも、紛れもなく、独自の立ち位置を築いたロックンロールバンドの軌跡がわかる16曲を収録。さらに、21曲もミュージックビデオが収められたDVDもセットになっている。CDとDVDを合わせて、彼らの名曲を見事にコンプリートした仕上がりだ。これまでとこれからを、3人にたっぷり語ってもらった。

EMTG:まずは、デビュー15周年を迎えて、どんな思いがありますか?
和田:周りを見渡すと、僕らがはじめた頃にいた人たちも、もう解散しちゃっていたりするし、あんまり思っていなかったけど、真面目に音楽に取り組んできた結果なのかな。ただ、アルバム出しては、次はここを直したいとか、常に反省しながらやってきたし、未だに毎回が勉強で。比較する対象がないと、あまり15年凄いぞっていう感覚は沸かないですね。
吉田:うん、やってる側の意識としては、ああ15年か、みたいな。まだまだ途中だし。15歳って考えると、思春期真っ只中ですから、まだまだ多感なんじゃないですかね。そういたいですし、バンドとして。
林:とは言え、長いですよね(笑)。人生を大きく分けると、子供時代とバンド時代にふたつになるくらいだから。
EMTG:当初から、長く続けようとは思っていたんですか?
和田:結成した時点で、ストーンズとかは相当なキャリアがあったし、そういう人たちをカッコいいと思っていたので、願わくば自分も長くやりたいなと思っていましたね。早く解散して伝説になる方がカッコいい、っていう考えはなかったですね。
EMTG:15年を振り返って、どんな歴史だったと思いますか?
和田:僕らは、黒人や白人といった洋楽のアーティストが積み上げてきた音楽を、それなりにわかってるつもりだし、でも日本人らしさも出ているし、凄くミクスチャーな音楽をやっていると思うんです。受け入れにくいアバンギャルドな音楽ではないけど、J-POPとは違う。だから、伝わるには時間が掛かると思うんですけど、諦めずにやっているところが重要で。最初は思うように理解してもらえなかったので、大変でしたけどね。表面的に、アイドルみたいな見られ方をしたし。でも今は、バンド名はそれなりに浸透したし、独特のポジションを築けていると思うんです。そのへんは自慢したいところですね。ただ、さっき佳史が言っていたように、15歳って考えると、過渡期だと思うんですよ。今、おっきな括りでいうと、これまでが第一期だった気がしていて。そう考えると、このベストは一期のまとめのような気がしているんですよね。
EMTG:選曲はどのように行ったんでしょうか。
和田:ベストって、あんまりアーティストが出したい部類のものじゃないですよね。みんな、新しいものを聴いて欲しいし、昔のモノは後悔しているところもあるし。僕らも最初のベスト盤がエピックから出た時は、まだデビューしてそんなに経ってなかったので、嫌だったんですけど、しょうがなかったんですよね。だから次に出たビクターのベストは、凄く気持ちを入れて、ジャケットも選曲も深く関わったんです。それから5年経って、このベストを出したいって言われて、こないだのベストとそんな内容が変わらなくなるのでアイディアとして、シングルとかにとらわれず、僕らの好きな曲だけで埋め尽くしたいって言って。だから、これを聴いてライブに来て下さいっていう入門編というよりは、俺たち自身が家で聴いて、俺いいぞ! って思える曲で固めた感じですね。これが入っていないって思われたりもするでしょうけど、そこが面白いのかなと。
EMTG:そして、100分にも及ぶクリップ集もセットになっていますね。
和田:CDは削った曲が多いんですけど、DVDは収録できる時間が長いから、なるべくたくさんの曲を入れたいと思ったんです。
EMTG:特に思い出に残っているビデオってありますか?
和田:僕は特に「Tattoo」が好き。あと「Startin’ Lovin’」も、いいビデオだと思います。
吉田:僕は、好きというよりは思い出すことがあって。「Mascara & Mascaras」を撮った時にガスマスクを付けているエキストラがいっぱいいたんですけど、その中にオカちゃんがいて。バーッて寄ってきて、そのドラムセットは誰の? みたいに聞いてきたので、自分のですって答えたら「食べちゃうわよ!」って言われて(笑)。ドラムなのか俺なのか、どっちにしても嫌だなって(笑)。
和田:あったね(笑)。思い出で言うと、「トランスフォーマー」では、オタッキーの服を前日に俺が原宿に買いに行ったんですよ。それで、この服は林、この服は佳史って選んで。
林:僕は、「ロケットに乗って」の質感は好きですね。昔はフィルムで撮っていたんで。あと「Gothic Ring」は、クレーンの動きをプログラムして何回か録って、合成みたいにしたんです。ヘンリーっていうカメラで撮ったんですけど、12時間押しだったんですよ!
和田:そうそう。午前中に入ってメイクして着替えて、お昼の12時から撮影の予定だったんです。でも、カメラのプログラミングに時間が掛かっていますって待たされて、夜になってもまだはじまらなくて、セットした髪の毛とかもしなーっとなってきて、深夜の12時にようやく始まりましたね(苦笑)。あれは痺れました。だから、もっとやりたかったことがあったんですけど、できなかったんですよね。これから撮ろっか、あのビデオの続き(笑)。若い俺らと今の俺らが合成されていたら、面白いでしょ?
EMTG:アイディアが出てきましたね(笑)。CDを聴き、DVDを見ると、いろんな曲がありますけど、踊れるとかハッピーになれるとか、貫かれているトライセラらしさがあると思ったんですよね。
和田:ちょっと考えているかもしれないですね、こう在るべきっていうのは。あとは、ずっと同じプロデューサー(木崎賢治氏)とやっているんで、その相性もあると思う。レコード会社やスタッフは変わっていますけど、木崎さんだけは変わっていないんですよ。
EMTG:客観性が、らしさをもたらしているというか。
和田:そうです、僕らだけでアルバムを作ったら、逆に全然らしくなくなるかもしれないですね(笑)。
EMTG:『DINOSOUL』っていうタイトルもいいですよね。トライセラだけのジャンルを一言で言い当てている感じがして。
和田:それまで『EVOLUTION』ってタイトルで決まっていたんですよ。でも、車を運転してるときに思い付いちゃって。レコード会社の人が、今なら間に合うかもしれないって言って、お願いしますって言ったんです。いやあ、神のお告げですよ! ちょっとお告げが遅いんですよね、僕(笑)。

【取材・文:高橋美穂】

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リリース情報

DINOSOUL -BEST OF TRICERATOPS-

DINOSOUL -BEST OF TRICERATOPS-

2012年07月18日

tearbridge international

1 Fever
2 Guatemala
3 Going To The Moon
4 if
5 2020
6 Rock Music
7 Jewel
8 僕らの一歩
9 トランスフォーマー
10 Walk In The Park
11 Loony’s Anthem
12 シラフの月
13 Forever
14 I Go Wild
15 Happy Saddy Mountain
16 Startin’ Lovin’ (with May J.)

BONUS TRACK(※初回盤のみ)
17 ハートとダイヤのマグカップ

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●林幸治
逆立ち

 いろんな健康法を検索するのが好きなんですけど、いろいろ考えていって、逆立ちがいいんじゃないかなって思って、検索したら、逆立ちダイエットとかいろいろあるんですよ。重力に引っ張られてるんで、いろんなものが下がっていくんですよね。だから逆立ちすると、いいみたいですよ

●吉田佳史
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福岡にいた時にハンズを探したんですけど、なかったです。ツアー先ではよくいろんなものを検索しますよ、楽器屋を探したりとか

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健康器具なんですよ。肺活量を鍛える。吸うときに負荷が掛かるんですよね。HOME MADE家族が対バンしたときにやっていて。むちゃくちゃいいって言われて、俺ら影響されて3人とも買いました(笑)。負荷によって三種類あるんですけど、一番強い赤を買ったらキツくて! 僕、胸の筋肉が痛くなっちゃって、休憩中です(苦笑)。中間の青がお勧めです。


■ライブ情報

響鳴2012 ※和田唱のみ出演
2012/07/31(火)音霊 OTODAMA SEA STUDIO

rockin’on presents ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2012
2012/08/4(土)国営ひたち海浜公園

ap bank fes ’12 Fund for Japan 淡路島
2012/08/5(日)淡路島国営明石海峡公園

連載・おとといミーティング
TRICERATOPS "12-Bar" vol.10

2012/08/6(水)TOKYO FM 11F JET STREAM

Spitz × VINTAGE ROCK std. presents
新木場サンセット 2012

2012/08/9(木)新木場STUDIO COAST

宮沢和史 寄り道四十七次~花鳥風月~ ※和田唱のみ出演
2012/08/12(日)KBSホール

lessthan* LOVE vol.5 ※和田唱のみ出演
2012/08/26(日)Shibuya gee-ge

中島卓偉「アコギタクイ“フェス”スペシャル2012」
※和田唱のみ出演

2012/09/16(日)SHIBUYA-AX

※その他ライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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