東京カランコロン、メジャーデビュー第一弾アルバム『ゆらめき☆ロマンティック』をリリース!!

東京カランコロン | 2012.08.15

 メジャーデビュー作となるミニアルバム『ゆらめき☆ロマンティック』。せんせい(Vo/Key)をフィーチャーしている全5曲が、東京カランコロンの独特なサウンド、世界観を鮮やかに映し出す。高橋久美子(ex.チャットモンチー)が作詞提供した「泣き虫ファイター」、カバー曲「うれしい予感」など、聴き処が満載だ。ヒネリが利いているのに抜群にキャッチー、ポップ、カラフルな音楽性を、ぜひ多くの人に体感して欲しい。いちろー(Vo/G)とせんせいに今作について語ってもらった。

EMTG:「泣き虫ファイター」は高橋久美子さんの作詞ですね。
いちろー:そうなんです。コラボレーションして頂きたい方として最初の段階から名前が挙がったのが高橋久美子さんでした。実は面識もあったんですよ。お世話になっているイベンターさんが開いた飲み会にいらっしゃっていて。有名なアーティストさんがたくさんいる飲み会だったから僕らは萎縮していたんですけど、隣に座った高橋さんは気を遣っていろいろ話しかけてくださいました(笑)。
せんせい:「どういう音楽をやっていらっしゃるんですか?」とか、気を遣って話しかけてくださったのが申し訳なくて(笑)。
いちろー:高橋さんにとっても詞の提供は初なんだそうです。僕らは今回がメジャーデビュー。高橋さんも詞提供が初。いろんな意味でおめでたい曲になりました。
EMTG:思いっきり泣いた末に女の人の中で漲るパワーみたいなものを感じる歌詞ですね。
せんせい:人それぞれではありますけど、女の人って切り替えが早いんだと思います。「悲しい」って思っていても、何かのきっかけで「はい、悲しいのサヨナラ!」ってなりますからね。
EMTG:すごくダンサブルでエネルギッシュなんだけど、どことなく緊張感も漂う響きのサウンドもカッコいいです。東京カランコロンのアレンジって独特ですよね。
いちろー:僕らの曲の作り方って、ソングライターが持ってきた曲にバックバンドをつけるような感じじゃないんですよ。メンバーの5人がヤンヤヤンヤ言いながら肉付けをする。だから曲の中に占めるアレンジメントが大きい。「こうやったら面白い」っていう詰め込み方は、他のバンドに較べると強いかもしれないですね。
EMTG:「合奏する喜び」みたいなことがあらゆる曲から伝わってきますよ。
いちろー:「歌に対して後ろの音がある」っていうことじゃないんですよね。僕らの場合は「全部の音がぶつかり合っている」っていう感じというか。もし、そういうところを聴き取って頂いたならば、嬉しい限りです。狙い通り(笑)。
EMTG:合奏する楽しさは「夏part 1」からも伝わってきました。
いちろー:結構展開がありますからね。
せんせい:野外のフェスとかで演奏することを意識して作った曲です。
いちろー:ただ野外なだけじゃなく、広い場所が見える感じ。音がでっかく重なっていくイメージですね。他の曲は細かく音が重なったり、ツインギターのハモりがあったりすることが多いんですけど、これは全体的にでっかい造りです。最後にでっかくドーン!って爆発して散っちゃう感じ(笑)。
せんせい:海岸沿いをドライヴしながら聴いて欲しいイメージの曲でもあります。じっくり聴き入るっていうよりも、サラっと聴きながら情景が浮かぶような。だから歌詞もユラユラ、フワフワした掴みどころのない言葉を使っています。
EMTG:「ウキウキエブリデイ」は、逆に具体的な風景が見えるし、生活感も漂う曲ですね。
せんせい:今がとにかく楽しい恋愛を描きたくて。主人公は「彼とずーっと一緒におる! むちゃくちゃ幸せ!」みたいな、不安なことが何もない(笑)。
EMTG:《炊けてない! ギャグじゃなーい?》っていう歌詞のフレーズにバカ受けしたんですけど(笑)。
せんせい:出かける直前まで服を選んで、なかなか決まらないこととか、おかずを一所懸命作って、「さあ食べよう!」ってなった時に「ご飯炊いてませんでした……」ってなったり(笑)。そういう漫画みたいなことが入っている歌詞です。
いちろー:この曲は僕の歌とせんせいの歌が交互に出てきて、Bメロからサビにかけてハモりになるものをやりたくて。メロがすごく気に入っています。Aメロは洋楽を意識して、Bメロはダンスロックな感じ。パート毎にメロを別々に作ったんですけど、全体としてまとまった時に自然に流れて聞こえる。最終的に洋楽でも邦楽でもない独特なキャッチーな感じに仕上がったと思います。
EMTG:「うれしい予感」は、昔の『ちびまる子ちゃん』のテーマソングですね。
せんせい:そうです。『ちびまる子ちゃん』のアニメが好きで、この曲をカバーすることになったんですけど、詳しいことは知らなくて。でも、見てみたら作詞はさくらももこさん、作曲は大瀧詠一さん、歌っているのが渡辺満里奈さん。びっくりしました。「これしかなくない?」ってみんなでなりました。
EMTG:このカバーは、すごくサイケでドリーミーな仕上がりですね。
いちろー:元の曲が完璧過ぎるので下手にコピーすることも、変に崩すこともできないなと思ったんです。メンバーとプロデューサーの竹内(修)さんと「どうしようね?」って話し合っても結論が出ず。それでスタジオに戻った時に、竹内さんがGlasvegas(グラスヴェガス)のTシャツを着ていることに気づいて。「これじゃね?」ってなったんですよ。Glasvegasをみんなで聴いて研究して、アイディアを出しました。「ドラムはフロアタムとタンバリン以外要らないんじゃないの?」とか(笑)。いろいろやり切りましたね。ギターのリヴァーブを超深めにしたり。こういうのって東京カランコロンでは今までなかったんですよ。このミニアルバム全体にいい意味で緊張感、ピリッとした感じを与えてくれたと思います。だから最後の「ララララ」を聴くとホッとするんですよ。
EMTG:牧歌的な雰囲気の曲ですからね。
いちろー:アコースティックな感じのものを作りたくて、アコギを弾いていたらこういうのができました。
EMTG:歌詞はミュージシャンとしての姿勢も表れている印象がしました。
いちろー:マイナスのエネルギーを溜め込んでいる人に、ある意味都合のいいマイナスな要素を与えてあげるような音楽が多いように思うんです。僕は「僕も悲しい、辛い。もう嫌だよね」っていうようなメッセージソングで近づくことはしたくない。あくまで音楽は娯楽だと思うから、楽しいものであって欲しいんですよ。そういう気持ちを素直に書きました。
せんせい:この曲は個人的なことですけど、ハーモニカを吹くのが楽しかったです。
いちろー:曲を作っている時から「これは絶対ハーモニカやる!」って言っていたもんね。
EMTG:レコーディングのためにハーモニカを買ったんですか?
せんせい:実家で小さい頃に使っていたのを見つけて、「これはいつか使える!」って持ってきてあったんです。ずっと楽器を入れる箱の中で眠らせてあったんですけど、今回の曲を聴いて、「あっ、使うのはここや!」と(笑)。
いちろー:小学校の時に使っていたやつなんでしょ?
せんせい:そう。
いちろー:ケースにひらがなで名前が書いてあったもんね(笑)。
EMTG:ある意味、ヴィンテージ楽器ですね(笑)。このミニアルバムでメジャーデビューですけど、そのことに関してはどのように感じています?
せんせい:せっかくのメジャーやからやれることも増えるやろうし、面白いと思うことをどんどんやっていきたいですね。いつか演劇みたいな装飾をしたステージでやってみたいなとか思ったり(笑)。ライヴやけど演劇みたいな大きい場所でいつかやりたいです。
いちろー:なぜかスタッフに大道具さんがいるっていうライヴだね(笑)。
せんせい:PAさん、照明さん、大道具さん(笑)。
いちろー:(笑)ウチらはインディーでずっとやっていこうっていう気持ちは元々なくて。あくまで自分たちが面白いと思っていることを形にするためにやってきているんです。その場を広げるためにメジャーデビューっていう選択をしたんですけど、だったらより派手にやっていきたいです。派手にやるといえば、やっぱりエイベックスなのかなと(笑)。だから「メジャーデビュー!」って自分たちで派手に言いたいし、「メジャーに染められるのではなく、メジャーに行くからこそいろんなことをできるようになる」っていうのを見せたいと思っています。それを見せるのが今回のミニアルバムのテーマだったし、ちゃんと体現できましたね。
EMTG:冬にはいちろーさんをフィーチャーしたミニアルバムも予定されていますけど、さらに自由になる?
いちろー:そうしたいです。今回と逆な内容にもしたくて、今いろいろ作戦を練っているところです。
せんせい:むっちゃくちゃいい曲ができていますよ。期待してもらって大丈夫です!

【取材・文:田中 大】

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リリース情報

ゆらめき☆ロマンティック

ゆらめき☆ロマンティック

2012年08月15日

avex trax

1. 泣き虫ファイター
2. 夏Part1
3. ウキウキエブリデイ
4. うれしい予感
5. ララララ
6. (エンハンスド)渋谷WWWライブ&ドキュメンタリーボーナス映像 前編

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■ライブ情報

BAYCAMP2012
2012/09/08(土)川崎市東扇島東公園 特設会場

OTODAMA’11-’12 〜音泉魂〜
2012/09/09(日)泉大津フェニックス

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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