TRICERATOPSメンバー個別インタヴュー。初回は和田唱!
TRICERATOPS | 2012.12.10
TRICERATOPSのライヴDVD『GOING TO THE MOON -15th ANNIVERSARY SHOW at HIBIYA MUSIC BOWL-』のリリースを機に、パーソナル・インタヴューを敢行! 第一弾には和田唱(Vo&G)が登場。数々の映画やライヴ映像を見てきた彼らしく、編集作業にも参加し、カット割りなどにとことん拘ったそうだ。結果、ロックファンの痒いところにも手が届くようなクオリティが高い作品が完成した。ライヴの感想や作品が出来上がるまでの過程から、デビューから15年を経たライヴの変化まで、徹底的に訊いた。
- EMTG:制作には、かなり拘られたそうですね。
- 和田:トライセラってライヴだよね、って言われるわりには、フルのライヴが公式で出るのは初めてで、待っていた人たちに自信を持って見せられるものにしたくって、編集作業も関わらせてもらったんです。カット割りも、一番伝えたい歌詞のところで、佳史の手元が映っているよりは、僕の顔が映っている方が伝わるじゃないですか。ペダルを踏んでいる音がしている時は、きっと足元を見たいじゃないですか。なにしろ14台カメラが入っているので、スイッチング一つで全然違ってくるから、意識したのはそういうところ。大変だったんですよ! 面白かったですけどね。僕は映像のプロじゃないですけど、素人ゆえの正しさってあると思うんです。例えば、僕はギター弾いてますけど、ドラマーの佳史がギターに対して言ってくれることって大切にしているから。
- EMTG:映像の良し悪しだけではなく、バンドや楽曲の世界観も重視して作り上げていったんですね。
- 和田:そうそうそう! ただ、一旦エディターの人が繋いでくれていたので、そこに対して変えてくれってお願いすることは、自分に置き換えると、僕が作った楽曲に対して、誰かにここの詞は変えて下さいって言われているようなものじゃないですか。だから複雑で……でも、エディターさんは凄く理解してくれて、その関係性の中でできたんでよかったです。だから、気になったところは全曲において、歌詞カードに事細かに書いていきました。この15年間で一番自分たちの映像を見ましたよ(笑)。
- EMTG:ミスしてしまった『プレゼント』も、そのまま収録されていますね。
- 和田:そうですね。1番なのに2番の歌詞を歌ってしまって、やっている最中に、すでにDVDの事考えてました(苦笑)。何文字か歌い間違えたんだったら、みなさん日常茶飯事で後から直していますけど、これは直したことがバレバレになるし、だから『プレゼント』はカットかな、って考えていたんですよ。そうしたら、DVDの前に劇場公開した時にノーカットっていうアイディアをもらって、ファンの人からもあのシーンを見たいですって言われて……だったらそこも作品にしちゃえって。他にも、ギターだと、バッキングはいい線いっているんですけど、ソロは危ういところが多いですね。でも、もういいやって(笑)。直したら、こんな演奏上手くないだろう!って、わかる人にはわかっちゃうと思うし。
- EMTG:そういう生々しさまで含めて、バンドの15歳の誕生日ならではの特別な空気が、見事にパッケージされていると思います。
- 和田:確かに、ちょっと他のライヴとは違ったんですよね。あの空間と一体化したような自分がいて、ちょっと夢の世界みたいな感じがあって。DVDになって残るから、ちゃんとクールに演奏しなきゃなって思いつつ、そうやって浸ることもできたので、パフォーマーとしてバランスは良かったと思います。
- EMTG:15年間で、自分たちのライヴは変化したと思います?
- 和田:絶対に違いますね、最初とは。ムラがあったし、よくライヴ後に楽屋で怒っていましたね。やりにくいとか、あんまり盛り上がってくれていないとか.....(笑)。僕ら、殆ど下積みもなくデビューしたので、デビュー以降に人間的に成長していったんですよね。お客さんが来てくれるありがたさも、徐々にわかってきたというか。あと、お客さんに対して自然体になりました。昔のライヴのビデオを見ると、めちゃめちゃカッコつけてますもん。ロックスターとはこんな感じ、って模索していたんでしょうね。衣装なんて着てらんないよ! 作り込むロックなんて古いんだ! って言ってた。
- EMTG:この野音のライヴなんて、スーツを着ていますけど自然体ですもんね。
- 和田:逆になったかも。僕ら、いつもアンチテーゼがあって。デビューした頃の先輩バンドは衣装を着るのが当たり前だったので、ロックって親しみやすいものじゃなきゃいけない、普段着で等身大のことを歌えばいいじゃんって思ってて。で、時は経ち気が付いたら普段着のバンドが増えていたんです。だから今では、もっとちゃんとしろよ、ステージって神聖な場所だろっていう意識に変わってきちゃった(笑) まあ、僕の場合は子供の頃から天の邪鬼だったかもしれないですね。人と同じことをして安心感を覚える人って多いと思うんですけど、僕はみんなが知らないものを聴いて満足感を覚えてきたので。
- EMTG:この野音に至るまでの15周年ツアーでは、サラバーズやOKAMOTO’Sといった若手バンドと共演していますけど、自分たちの若い頃を思い出したりしましたか?
- 和田:サラバーズとOKAMOTO’Sは、他のバンドと違うところがあって……やっぱ、僕にとって大事なのは、そこなんですよね。
- EMTG:マインドが共通しているバンドに惹かれるんですね。
- 和田:ただ、特に林と僕は、デビューした頃に、イベントの後によくある、先輩たちとセッションすることを嫌っていたんですよ。イヤ?な性格をしていたと思うんですけど(笑)。だから、今の若手にも強制はしたくなくて。でも、お客さんが喜ぶから、やってくれたら嬉しいなあって誘うと、みんな快くOKしてくれるんですよね。何てこったと。自分を恥じますね(苦笑)。
- EMTG:15周年を終えて、一区切り感はありますか?
- 和田:相当ありますよ。次の第一歩は新たなデビューというか。今までの流れで、新曲作ってレコーディングしてツアーして、っていうやり方じゃなくなると思います。いろんなアイディアが出ているので、何が正解か模索することを楽しんでいる感じです、今は。
- EMTG:じゃあ、それまではこのDVDを見てお楽しみ下さい、っていう。
- 和田:そうですね。一区切りして、みんなに対するプレゼント的な……とは言えお買い上げ頂くんですけど(笑)。
- EMTG:お買い上げ頂いて損がない(笑)、3人の姿と音だけでエンタテインメントできるトライセラのライヴの魅力が伝わってくる作品だと思います。
- 和田:本当ですか!? そこが実は心配で。演奏だけで、特にステージセットがあるわけでも、ショウアップされているわけでもないので。まあ、バンドそのまんまを見せられたのでよかったですけどね。ド派手なライヴは、15年後くらいにDVDで出します(笑)。
【取材・文:高橋美穂】
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ビデオコメント
リリース情報
TRICERATOPS “GOING TO THE MOON"-15th ANNIVERSARY SHOW at HIBIYA MUSIC BOWL-
2012年12月12日
BounDEE by SSNW
1.Going To The Moon
2.I Go Wild
3.シラフの月
4.if
5.Milk&Sugar
6.Silly Scandal
7.Fever
8.プレゼント
9.Walk In The Park
10.仲直り
11.Fly Away
12.Mirror
13.Bass & Drums Groove!!
14.Short Hair
15.Jewel
16.Rock Music
17.僕らの一歩
18.Raspberry
19トランスフォーマー
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お知らせ
THE SOLAR BUDOKAN
2012/12/20(木)日本武道館
※和田唱のみ出演
TRICERATOPS
15TH ANNIVERSARY SHOW "RETURNS"
2012/12/30(日)横浜BLITZ
TRICERATOPS 12-Bar“13”
(トライセラトップス トゥエルブバー"サーティーン")
2013年/01/26(土)中野サンプラザ
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。