街にキンモクセイの香りが漂う気持ちのいい秋晴れの9月27日。「音×AiR♪JOL原宿でLove Me Do!」も5回目となる。夏休みが終わって新学期一発目、今回の共演はお笑いコンビ「さらば青春の光」と占い芸人のホシノユキだ。楓とMASAYAが髪の色を暗くしてシックになり（大地は金髪のまま）、竜之介はヒゲを剃ってサッパリ爽やか。4人の装いも秋らしくなった。

　1stステージは「愛を唄おう」「純愛バイセコー」「Love Me Do」の3曲。ムービーの撮影が入っていて、楓も曲の途中に「ちょっと緊張してます」と言っていたが、原宿の空気にもすっかり慣れて、パフォーマンスの躍動感は明らかに先月あたりからワンステージ上がった感じ。客席も最初の1~2回はそっぽを向いている人が多かったけれど、少なくともステージに近い1~2列目のお客さんはステージをじっと見ながら笑顔で手拍子を打つ人のほうが多い。男性の姿も見られた。

　「痛いの痛いの飛んでけ」の略「いたとん！」でおなじみ、さらば青春の光の漫才＆コントを経て、2ndステージはミディアムの「なんちゃってヒーロー」でスタート。大阪出身のさら青の関西弁にリラックスしたのか、楓の声が1st以上によく出ている。「僕たちの“いい曲軍団”のひとつです」のMCも自信の表れか。初披露の「ダントツ☆YOU」はエレクトリックでの演奏が楽しみなメリハリの効いたロックンロール。演奏が終わるとお客さんから「イェーイ」の声も上がり、楓は「いい人ばっかりやな」と上機嫌だ。ラストの「Love Me Do」はMASAYAが指導する振り付きヴァージョン。ノリノリで勢い満点、アウトロが終わると名残惜しそうに「終わっちゃいました！」（楓）と言うくらいで、あっという間の1時間だった。

　この日は楓お得意の客席練り歩きをしなかったが、一体感はむしろ上がった気がする。強引に巻き込む必要がなかったのかも。徐々に増えてきたリピーターも力になっていて、写真を見るとステージ上の4人は笑顔一色。先に笑っちゃえば見る人は釣られて笑うのだから、これでいい。「ハートフルロックバンド」といううたい文句そのままの音×AiRの魅力がいよいよ開花し始めて、東京の友達も増えてきた感じ。4人の驚異的な成長を見届けるためにも、ぜひ会いにきてみて！

【取材・文：高岡洋詞】
【撮影：Sinpu Tokyo.】