一途な恋心はTVの中の君に!? 東京カランコロン、ポップな新曲『恋のマシンガン』

東京カランコロン | 2014.05.13

 常に新しい扉を開き続けている東京カランコロンだが、今回のシングルもすごい。タイトル曲「恋のマシンガン」は、打ち込みサウンドやシンセサイザーの華やかなフレーズが鳴り響くエレクトロ風味。思わずスキップしたくなる明るいエネルギーに満ち溢れたポップチューンだ。そして、カップリングも必聴! 郷愁を誘うメロディが胸に沁みる「ひなげし」。遊び心が大爆発している問題作「及川爆弾」。初のリミックス「恋のマシンガン(DE DE MOUSE layered syncopation mix)」も収録されている。聴き処が満載の今作について、5人に語ってもらった。

EMTG:今回の制作に関して、どういうビジョンがありました?
いちろー(Vo & G):『5人のエンターテイナー』は全曲セルフプロデュース。「自分たちのできる範囲のことをなるべくやる」という方向で、ライブハウスで演奏することも意識したアルバムだったんです。だから、次に出すものは「自分たち以外の人の力が加わった、スケール感の大きい新しいことをやりたい」っていうのがありましたね。アルバムが出た後にずっと曲作りをしていたんですけど、結構難産でした。いろいろ作ってみたんですけど、自分たちの理想に適うものがなかなかできなくて。ギリギリまで作って、「これ、いい!」って思えたのが「恋のマシンガン」です。
EMTG:「恋のマシンガン」は、シンセサイザーの音色をフィーチャーしたエレクトロっぽいテイストのサウンドが新鮮ですね。
せんせい(Vo & Key):いちろーさんの使っているカオシレーターと、蔦谷さん(プロデューサーの蔦谷好位置)の打ち込みのアレンジが、そういう部分をすごく出しています。でも、わたしに関してはいつものように弾いたという感じです。今までと違う感じがありつつ、いつもの部分もある曲ですね。
おいたん(G & Cho):ギターのリフを押し過ぎるアレンジにすると、例えば「true! true! true!」みたいな泥くさいアレンジになってしまうのかなと。でも、シンセとか打ち込みの音が入ったことによってすごくポップになったし、華やかになったという印象があります。
EMTG:ドラムに関してはいかがでした?
かみむー氏(Dr):僕が最初考えていたものがあったんですけど、蔦谷さんのアレンジによって、それとはまた別のものを提案して頂いたんです。僕が元々考えていたのって、もっとゴチャっとしていたんですけど、それを分かりやすいものにして頂けました。「単純に4つ打ち」みたいなのが、僕らは苦手だし、避けるというのもありますし。そういう部分も出ていると思います。
佐藤全部(B):この曲はみんなの「踊りたい」っていう感じが楽器の音に出ています!
いちろー:今流行っている4つ打ちの曲って、モッシュを煽る感じじゃないですか。でも、僕らがやっているのはもう少し「踊れる」っていうニュアンスなんです。
EMTG:ギターロックのモッシュ誘発型とはまた別のダンサブルさって、おっしゃる通り、東京カランコロンのポイントの1つだと思います。
いちろー:「恋のマシンガン」も最初、「ケイティ・ペリー」って言っていたんですよ。
せんせい:最近、いちろーさん、そういうの好きよね? 「洋楽の踊れる、ちょっと乗れる感じ」っていうのが。
EMTG:洋楽の女性ものが好きなんですか?
いちろー:いや。そこまでではないですけど。
佐藤全部:t.A.T.u.!
いちろー:えっ、t.A.T.u.!? 嫌いじゃないけど(笑)。
EMTG:(笑)歌詞も面白い切り口ですね。これ、TV画面の向こう側にいるスターにときめいている女性の姿?
せんせい:はい。東京カランコロンが描く女の子像を歌詞にしました。「わたしの想いが詰まっている」っていうよりは、「東京カランコロンの女の子の曲」っていうものになったらいいなと思っていたんです。
EMTG:たしかに、東京カランコロンのいろんな曲に登場する女性の雰囲気が凝縮されているかも。
せんせい:「ちょっと頭がおかしそうな(笑)。でも、本人はすごく一生懸命で輝いている」っていう。でも、周りから見たら「あの娘、ちょっとズレてるよね?」っていうお茶目な感じやったりとか、夢見がちでホワホワした感じをイメージしています。あと、サウンドにピコピコした印象があったので、ちょっとダサい感じもするカタカナの言葉も意識的に入れています。
いちろー:結局最後には、「誰でもよかったんだ」みたいになる歌詞なんですよね(笑)。アイドルが好きだったり、流行りものに食いつく人って、こういう感じがあるんじゃないですかね。「ときめいているっていうことに対してときめいている。ときめいてる自分が好き」っていうような。
おいたん:この曲の歌詞、好きですよ。《弾丸ロックオン!》が気になっていて。「弾丸ってロックオンするものなのか?」って(笑)。
せんせい:完全にノリでした(笑)。何か強い言葉が欲しかったので。
おいたん:いいと思います(笑)。
EMTG:「恋のマシンガン(DE DE MOUSE layered syncopation mix)」も収録されていますけど、リミックスは初?
いちろー:そうです。僕らはクリックを使わない曲も多いので、今までなかったんですよ。今回はガッツリとクリックを使っていますし、エレクトロなサウンドでもあったので、「思い切ってリミックスしてもらったらどうかな?」っていうアイディアが出たんです。めちゃくちゃカッコいいリミックスですね。僕らの曲をリミックスするお仕事を仲介したのは、ものすごく厳しい方だったらしく。DE DE MOUSEさんは「あの人、すっげえ怒るんだよね……」とおっしゃっていました。それもあって頑張ってくださったみたいです(笑)。バンドの音が1つも使われない、かなり斬新なものになっています。その結果、シングル全体が本当にバラエティに富んだものになりました。
EMTG:楽しいシングルですよ。「ひなげし」も、すごくいい曲じゃないですか。
いちろー:ありがとうございます。いい曲だからカップリングにはもったいないとも思ったんですよ(笑)。でも、出し惜しみするのも自分たちらしくないと思って、今回、入れることになりました。
せんせい:「メロディができた」って言って、いちろーさんが弾き語りしたのを聴いた時、情景がすごく浮かんだんです。「絶対にいい曲になる!」っていう確信に近いものがありました。「恋のマシンガン」は「東京カランコロンの女の子の歌」ですけど、「ひなげし」はわたしの想いが出ている歌詞ですね。どっちの曲もわたしがメインで歌っているから、聴く人によっては「このせんせいっていう人、相当情緒不安定な人なんやなあ」って思うかも(笑)。
佐藤全部:僕は「ひなげし」に関しては……つまらなくならず、かといって変なことをするわけでもなく、邪魔をすることなく、だけどそこにいる……みたいな感じで弾きました。
おいたん:この曲、ちょっとだけ時間がかかったんですよね。このアレンジになるまでには、結構時間をかけて揉んでいます。いちろーが「シタールの音が欲しい」って言ったので、シタールっぽい音を作って弾いてみたりもしましたし。
いちろー:シタールとティンパニの音が欲しくなったんですよ。でも、ウチのバンドにはシタールもティンパニもないので、シタールっぽい音は、ギターにエフェクトをかけて弾いてもらいました。ティンパニの音もフロアタムを使ったんだよね?
かみむー氏:うん。チューニングをいろいろ試しました。「緩めるのか? それとも張るのか?」って(笑)。大変でしたけどD.I.Y.の精神で乗り切りました。
EMTG:そして3曲目の「及川爆弾」ですが……あからさまに問題作ですね。
いちろー:これはファズギターと「ボン! ボンッ!」っていうすごい音をやっているのがおいたんなんです。途中で「ボン! ボンッ!」の乱れ打ちが入って、それが終わったらギターを持って「爆弾だ!」って言ってファズギターを弾くという(笑)。
おいたん:ライブでやる時の移動も考えてあります(笑)。
EMTG:こういう曲も入れちゃうのが、東京カランコロンの恐るべきところですよ。
いちろー:1、2曲目がメロディアスだったので、どうやってもポップソングにならないものを1曲入れたかったんです。この曲、今回の中で一番ミックスに時間がかかっています。「最後のファズギターをもうちょっとでかくしよう」とか、いろいろ時間をかけましたから。フロアタムのレコーディングも大変でした。何回も叩いたよね?
おいたん:うん。すごく難しかったんです。本番になると上手くいかなくて。
かみむー氏:僕が叩き方をいろいろアドバイスしたんですけど、難しかったみたいで。エンジニアさんには「あなたがやればいいじゃん」って言われました(笑)。
いちろー:「ライブでおいたんがフロアをボン! ボンッ!ってやってたら絵的に面白いよね?」っていうのがあったので、そこは譲れなかったんです。
EMTG:おいたんさん、本名が「及川」なんですね。
おいたん:はい。
佐藤全部:本名がついにバレた(笑)。
EMTG:「爆弾」も本名?
おいたん:まさか(笑)。
いちろー:佐藤全部と及川爆弾がいるって……すごいバンドだな(笑)。
EMTG:(笑)ジャケットのアートワークも素敵ですね。せんせいのマシンガン型ヘアスタイルが衝撃的でした。
いちろー:これ、マシンガンにいろいろ装飾をしているんですよ。
せんせい:マカロニックの青木さんという方に作って頂きました。めちゃめちゃ重たいんですけど、かぶって撮影しました。
EMTG:これなら背後から敵に狙われても勝てますよ。
せんせい:ジャケットのアートワークを開くと、このマシンガンが何を狙っているのか分かるようになっているんです。それも楽しみにして頂ければと思います。
いちろー:初回盤にはDVDが付くんですけど、30分くらいのショートムービーが入っています。僕らが初めて本格的に演技をしているので、これもぜひ観て頂きたいですね。ドラマ仕立てになっていて、セリフも言っています。
佐藤全部:僕もついに演技をしています!
いちろー:アドリブのシーン、良かったよ。
佐藤全部:やった(笑)。
おいたん:俺、自分の演技は見ていられないけど(笑)。
いちろー:むー氏も良かったですよ。
かみむー氏:マジですか?
せんせい:うん。絶妙な空気感を醸し出してた。
佐藤全部:次は大河ドラマだね?
かみむー氏:そうだな(笑)。
EMTG:(笑)そろそろインタビューを終わろうと思いますが、今後に関して何か予告できることはあります?
いちろー:7月に東名阪で『場違いツアー2014「クラブでワンマ ん」』というのをやるんです。会場がクラブなので、いつもと違う感じにしようと思っています。僕らのお客さんもあんまりクラブに慣れている感じじゃないと思うので、僕らも含め、社会科見学みたいなものになればいいなと思っています。

【取材・文:田中 大】

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リリース情報

恋のマシンガン【初回生産限定盤】CD+DVD

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恋のマシンガン【初回生産限定盤】CD+DVD

発売日: 2014年05月14日

価格: ¥ 1,600(本体)+税

レーベル: avex trax

収録曲

[CD]
1. 恋のマシンガン
2. ひなげし
3. 及川爆弾
4.恋のマシンガン (DE DE MOUSE layered syncopation mix)

[DVD]
恋のマシンガン Music Video 収録

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恋のマシンガン

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恋のマシンガン

発売日: 2014年05月14日

価格: ¥ 1,000(本体)+税

レーベル: avex trax

収録曲

1. 恋のマシンガン
2. ひなげし
3. 及川爆弾
4.恋のマシンガン (DE DE MOUSE layered syncopation mix)

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