音楽コンシェルジュ、ふくりゅうが月に一度だけママをつとめる都内某隠れ家スナック。2020年要注目のアーティストを迎えてお届けする、ゆるふわ酒呑みトーク。第4回目は、ロックバンドMr.FanTastiCの活躍で知られるメガテラ・ゼロ(Vo)とろまん西野(Ba)によるスペシャルな2人組ユニット、BLUES DRIVERに注目です。4月から毎週のようにリリースしてきた“エモさ”解き放つ珠玉の配信音源たち。せつなくも心を鷲掴みにする、思わず口ずさみたくなるドラマティックチューンの凄みを刮目せよ!!!
ふくりゅう
いらっしゃい! BLUES DRIVERのおふたりさん。オンライン・スナックへようこそ。ちなみに、お酒は嗜む人たち?
ろまん西野
昨日も呑んでました(笑)。ビールとウイスキーが好きで、プレミアムじゃない方のモルツが好きなんです。
ふくりゅう
それはビール好きですな。でも、プレモル人気のおかげで、普通のモルツをあまり見なくなったよね。
ろまん西野
そうなんですよ。近所の酒屋さんでも隅に追いやられていて(涙)。ウイスキーはマッカランが好きなんですけど、お財布が痛くなっちゃうので普段はティーチャーズです。先週買ったんですけどもう減ってますね(笑)。つまみは食べずにショットで呑んでます。
ふくりゅう
ストイックだ。メガさんは?
メガテラ・ゼロ
人と一緒だと呑むんですけど、最終的に楽しくなったらテキーラですね(笑)。つまみは食べないです。
ふくりゅう
めっちゃハードなふたりだな。それじゃ、とりあえずアルバムリリースを祝して乾杯!
ろまん西野&メガテラ・ゼロ
乾杯!!!
ふくりゅう
ろまんさんとメガさんは、ロックバンドMr.FanTastiCやその前身バンド時代からのご縁があったと思うのですが、今回どうして新ユニットBLUES DRIVERとして活動することになったんですか?
ろまん西野
家も近くて、ふたりで「おもろいことやろうや!」って。企画というか、僕の家に機材がいろいろあるのでいろんなもん作れたらいいねってところからスタートしました。
ふくりゅう
そうなんですね。より実験的かつ瞬発力ある制作スタイルというイメージなんですね。
ろまん西野
Mr.FanTastiCをやる前に、ふたりで何かやろうみたいなことがあって。ようやくですね。夜、車で移動するときに、メガちゃんからいろんな洋楽を聴かせてもらって。それで盛り上がったりするんです。そんな衝動から生まれる作品を実現する場ですね。
ふくりゅう
作詞・作曲、編曲などの役割分担は?
ろまん西野
メロディと歌詞は100%メガちゃんですね。編曲が、ろまん西野率が高いという。
ふくりゅう
BLUES DRIVERの曲を聴いていると、歌詞とメロディが生み出すエモーショナルさに心を鷲掴みにされました。BLUES DRIVERらしさってどのように考えていますか?
ろまん西野
えっと、曲が完成して後から思ったんですけど、“泣かせる”っていう要素があると思います。全曲泣かしにいく、みたいな。メガちゃんの歌詞や声を活かすことを考えると、感情を揺さぶるポイントを刺激するのが大事というか。
ふくりゅう
ふたりで共通して好きなアーティストは?
ろまん西野
う~ん、BLUES DRIVERはやりたいことの詰め合わせというか、ある種キメラじゃないですけど、この人のここ好き、この人のここ好き、この人のここ好きを組み合わせて混ぜ合わせたというか。それこそ、音楽ってオリジナルと言いつつも、これだけ歴史を重ねていると影響を受けたものの再生産な部分があると思うんです。うん、いいとこ取りなイメージですね。
メガテラ・ゼロ
ただワガママに作るだけなんで、どんなアーティストのいいところも欲しいですね。
ふくりゅう
なるほどねぇ。BLUES DRIVERというユニット名の意図は? ギター・エフェクターのイメージ?
ろまん西野
僕が知っている中でメガちゃんが最初に触ったエフェクターがBLUES DRIVERだったんじゃないかなと。その後、メガちゃんとバンドを組んだとき、リハ中にBLUES DRIVER(エフェクター)でギターをジャン!って鳴らしたときに「BLUES DRIVERってアホな音しますね(笑)」って嬉しそうに笑ったんですよ。それが印象的で。好きなことというか、アホな音って気持ちいい音ってことなんですね。テンション上がる、エモい音として僕は受け取って。それでこのプロジェクト名になりました。
ふくりゅう
メガさんに訊きたいのですが、ろまんさんってどんな人ですか?
メガテラ・ゼロ
楽器以外もなんでもできる。最初、詐欺師かなんかかなって思ってました(笑)。
一同
ははは(爆笑)。
ふくりゅう
器用すぎるというか? では、いい面で言うといかがですか? あ、器用なのはいいことか(笑)。
ろまん西野
そうですよ(笑)。
メガテラ・ゼロ
なんでもできるんで、音に関して頼っちゃいますね。
ふくりゅう
ライブを軸としたMr.FanTastiCの活動がありつつも、もっと可能性を探っていくための場がBLUES DRIVERということなんですかね?
メガテラ・ゼロ
うん。そうだと思います。
ろまん西野
そうですね。
ふくりゅう
今回、BLUES DRIVERは毎週のように新曲を配信して、そしてアルバムのリリースに至りましたが、「大嫌いで、本当に最低で」という配信リリースのスタートを飾った曲は、アルバム未収録なんですね? 歌詞がまたエモくって。
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ろまん西野
4月8日、一発目に出した曲ですね。メガちゃんが弾き語りの動画を出したら反応がよかったので、急遽、配信限定で出すことになりました。
ふくりゅう
あと、アルバムの「BLUES DRIVER」というアーティスト名と重なる楽曲も印象的で。
ろまん西野
サウンドはもちろん名刺代わりになる曲というか。一番大好きなものを詰め込んだイメージですね。
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ふくりゅう
今回リリースされた1stアルバム『BLUES DRIVER』のなかでお気に入りな曲を3曲ずつ挙げていただいてもいいですか?
ろまん西野
まず「幸せブルース」ですね。一番昔の曲で。実は、Mr.FanTastiCが発足する前ぐらいからトラックは出来ていて。大まかなものは完成していました。
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ふくりゅう
では次は?
ろまん西野
え~、曲が出来た順になっちゃいますね。「おしゃれに隠したありがとう」という曲で。これも昔の曲。メガちゃんが洋楽とかオススメな曲を教えてくれて、それに影響を受けてリズムにこだわったり、いろんな音を付けるようになりましたね。もう1曲は……、う~ん、なかなか選べないですね。
ふくりゅう
それじゃ、メガさん。
メガテラ・ゼロ
アルバムのラスト10曲目「This My Life All Away」ですね。散々我慢してボーンと出すっていうか、こういういい意味で頭悪い感じが自分大好きで(笑)。最初、点ぐらいの弱いところから最後強くなるってのが大好きで。あと、僕も「幸せブルース」ですね。これは「シンガーソングライター・フェスティバル」というのによく出て歌っていた曲で、思い出深いんですよ。あと、「勇者ではないです」ですね。ギターを適当に弾きながらろまんさんと作った曲で。想像以上に楽しくなって、思わぬところで拾い物したなってタイプの曲。自分たちでも、当初は完成が想像できなかった作品です。お気に入りですね。以上、3曲でした。
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ふくりゅう
お、まとまってる。
ろまん西野
すごい。
ふくりゅう
「勇者ではないです」は、軽快なビートかつRPGに人生を重ね合わせてイマジネーション膨らむ展開が好きなんです。アレンジもいいですよね。
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ろまん西野
「勇者ではないです」は、メガちゃんの感覚メインで「次こうしたい!」、「その次はこうしたい!」みたいにやりとりしつつ、先が読めないまま少しずつ少しずつ作っていきました。
メガテラ・ゼロ
自分は音の引き算ができないタイプで。ギターが鳴ってたら他の音も欲しくなるというか。ずっと限界へと突き進んで完成させていく感じなんです。今後はもっと限界値延ばしていって、いつかオーケストラとか一緒にやりたいんですよ。
ふくりゅう
そうなんだ。そんななかでは「EMPTY」が変わったテイストなナンバーとなっていましたね。
ろまん西野
一番毛色が違いますね。「EMPTY」も「勇者ではないです」と同じような感じで作りました。キーボードメインの曲は、僕の家に集まって話し合いながら一気に作って。オケの気持ちよさ、流れの気持ちよさの上にメガちゃんのメロディや歌がライドしていく感じで。
ふくりゅう
歌詞の世界観も、幅は広いんですけど共通して感情を揺さぶる“エモーショナル”な要素がありますよね?
メガテラ・ゼロ
Mr.FanTastiCだと、明るくというのが基本なんですけど、自分は根が明るくないので、飾らず、嫌なものは嫌みたいな。そういった面が如実に現れているのがBLUES DRIVERですね。
ふくりゅう
なるほどです。ちなみに、ろまんさんはどんな音楽が好きで今に至るんですか?
ろまん西野
高校の時はハイスタ(Hi-STANDARD)やブルーハーツ(THE BLUE HEARTS)のコピーバンドをしてました。でも、根っこにあるのは、フュージョンやジャズで。あと、高校の頃、弦楽四重奏の部活に入っていてクラシックもやっていたんです。コントラバスをやっていました。培ってきたものは今も活きていますね。
ふくりゅう
フュージョンやジャズを聴くようになったきっかけは?
ろまん西野
父親が(バンドの)カシオペアを推してくるんですよ。毎日音楽かけっぱなしの家で。
ふくりゅう
特殊な環境だねぇ。メガさんは?
メガテラ・ゼロ
えっと、ルーツというか遠藤ミチロウさんなんです。うちに泊まっていたことがあって。
ふくりゅう
えっ!!!
メガテラ・ゼロ
ほぼ、おじさんみたいな感じで。
ふくりゅう
え~!!!
メガテラ・ゼロ
それが音楽をはじめたきっかけだったんです。
ふくりゅう
マジッすか!!!
メガテラ・ゼロ
うちのお父さんと知り合いで。遠藤ミチロウさんは、全国転々と旅をしていた方で。いろんな話を聞いて。音楽やるならAm(エーマイナー)さえ知ってれば全部できるよって。
ふくりゅう
へぇ。
メガテラ・ゼロ
まだ、Am(エーマイナー)の曲は作ってないんですけどね(笑)。ライブも観てますし、最初からそのパワーを感じていて。
ふくりゅう
ライブ、ほんとすごいですもんね。ミチロウさんのパワー。底知れない凄みというか。強烈な体験をされていますね。では、BLUES DRIVERの目標や野望を教えてください。
ろまん西野
BLUES DRIVERは、ふたりのどちらかが死ぬまでやってたいなって思っています。
メガテラ・ゼロ
そうですね、死ぬまでやりたいのと、あとSTARDUST REVUEさん的なポジションになりたいです。
ふくりゅう
“良い曲”を持っているポジションってこと? それこそ、このふたりでやるからこその音楽の楽しさということなんでしょうね。ちなみに、ここスナックなので、なんか悩み相談なんてあります? 悩み相談の押し売りっす(笑)
ろまん西野
そうですねぇ、それじゃ結婚ってどうやったらできますか? なんて聞いてもいいんですか(笑)
ふくりゅう
おおお。僕、結婚してるんですけど、勢いでしたね。人間ある程度年齢いくと、いろいろ考えちゃうと思うんですよ。でも、リスクとか将来のこととか考えちゃダメだよね。勢いが大事っす。ストップしちゃう理由なんて、言い出したらキリないから。
ろまん西野
勢いなんですねぇ。僕は、……頭で考えてしまうタイプなので。ありがとうございます!
ふくりゅう
はい、メガさんは?
メガテラ・ゼロ
悩み、というか……。いまだに、あ、さっきテキーラ呑むって言ったんですけど、すぐ酔えるから呑むだけで。美味しくお酒を飲むコツがわからないんですよ。
ふくりゅう
ああ、それはもう、まだまだガンガン呑んでればいいんじゃないですかね。
ろまん西野
ははは(笑)。それも勢いなんですね(笑)
ふくりゅう
そのうち、ゆっくりじわじわ呑みたくなるお酒に出会えると思います。
メガテラ・ゼロ
ははは(笑)。ありがとうございます(笑)
ふくりゅう
はい、では時間がきたようなので、また近々呑みましょう~。素敵な音楽をありがとうございます!!!