音楽コンシェルジュ、ふくりゅうが月に一度だけママをつとめる都内某隠れ家スナック。2020年要注目のアーティストを迎えてお届けする、ゆるふわ酒呑みトーク。第5回目は、7月15日に初のEP「黒点」をリリースした3人組バンド、WEAKEND WALKERに注目です。
ふくりゅう
いらっしゃいです~。WEAKEND WALKERの3人組。オンライン・スナックへようこそ。普段、アイコンがイラストなんで顔出ししてないけど、カッコいいよね。いいな、バンドマン。
SiN
ありがとうございます(笑)。
ふくりゅう
WEAKEND WALKER、あ、略称の“ダブダブ”って呼び方がいいのかな?
teppe
ダブダブでお願いします。
ふくりゅう
バンドとして初取材なんだっけ?
taichi
そうなんですよ。
ふくりゅう
でも、もう何度か会ってるので緊張しないね。ていうか、SiNさんはまだ二十歳なんだもんね?
SiN
もうすぐ21歳になりますね。なのでまだお酒は嗜みきれてないんですけど、最近はジンライムが好きです。
ふくりゅう
なんだろう、SiNさんがジンライムって言うと、なんかカッコよく聞こえるなぁ。おかしいなぁ。
一同
ははは(笑)。
ふくりゅう
teppeさんは?
teppe
まったく呑めないので炭酸水ですね。自宅で作れるのをいただいたんですよ。つまみは、お酒のアテは好きでチャンジャをよく買うんですけど、taichiに勝手に食べられてます(笑)。
taichi
チャンジャとチータラが好きです(笑)。お酒はビールが好きですね。オシャレじゃないんですけど(笑)。キンキンに冷えたグラスであればどんなビールでも美味しいです。
ふくりゅう
そうなんだね。ちなみに、この春、新型コロナウイルスによって世界がガラッと変わってしまいました。それこそライブ活動がなかなかやりづらい時代になってきていますが、先日YouTubeライブで配信されたオンラインライブが素晴らしくって。日常に変化はありましたか?
teppe
ありがとうございます。基本的には制作で家にいることが多いので、そんなに生活は変わってないですね。
SiN
僕は、変わりましたね。自分を見つめ直す部分が多かったです。外に出れない分、どこに安らぎを求めていたかが明確になったかも。外に出て、ふと散歩したり、人が多いところで人間観察しながら歌詞を書いたりしていたので。それが出来ないんだって……。
taichi
僕も家に篭ってますねぇ。友達と呑みに行けなくなった分、電話で話すことが増えました。寂しさを感じましたよね。でも、僕らは3人で一緒に住んでいるので、助けられた部分があります。たしかに、自分たちを見つめ直して、挑戦できた期間になっているかもしれません。
ふくりゅう
そんな意味では、対応策を万全にしての9月19日開催の、Veats Shibuyaでの結成1周年記念ライブは楽しみですよね。
SiN
そうですね。ぜひ、今のダブダブを観てほしいなって思っています。
teppe
ですね。
taichi
うん。
ふくりゅう
では、謎めいた3人組バンドですが、結成の経緯を教えてもらってもいいですか?
taichi
もともと僕とteppeがバンドをやっていたんです。そのバンドが解散して。てっちゃん(teppe)に「次どうしようか?」って話して。僕はバンドを続けていきたかったし、売れたいって気持ちも強くて。じゃぁ、ボーカリストを探そうってなりました。僕とてっちゃんが通っていた音楽の学校があって、卒業後、スタッフをやってたんですね。そこで、高校生だったSiNに会いました。
ふくりゅう
へぇ。そんな出会いだったんだ。
taichi
でも、実はその前からSNSで知り合いだったんです。偶然に。せっかくだから「ご飯行こうか!」って声かけて、バンド結成の流れに結びつけていきました。
SiN
もともと僕は弾き語りをTwitterでやっていて。taichiさんは“弾いてみた”をやっていて。動画をきっかけに知っていました。てっちゃんには、その後、taichiさんと一緒にファミレスで会って。とても雰囲気ある人なんで、初対面からオーラがあるなって思っていました。
ふくりゅう
お~。そんな中で、バンドWEAKEND WALKERらしさっていうのはどうやって生まれていきました?
SiN
最初はカバーをやっていたんですけど、「バンドやるならオリジナルをやりたいね!」ってなって。最初に、てっちゃんからもらった曲が「Orange」だったんです。タイトルがまだ前の仮タイトルだったんですけどね。
teppe
旧タイトルは「豆電球」でした。うん、これ書いても大丈夫ですよ。
ふくりゅう
あ、なるほどね。歌詞を読めばわかるけどオレンジ色ってことなんだ。
taichi
ああ、めっちゃ忘れてた。
SiN
そのデモ音源を聴いてカッコいいと思ったんです。俺が歌いたいって。そこで、自分たちの道が見えてきたのかな。
ふくりゅう
物語が浮かぶストーリーテリングしていくサウンドセンスですよね。そして、イラストや動画とのコラボによる世界観の構築へもつながっているという。
SiN
みんなで意見を出し合いながらですね。
teppe
どんどん角を取っていって丸くしていくっていうか。
SiN
ミュージックビデオになることで、新たな気づきもあったり。手探りで進んでいますね。
ふくりゅう
ドラムレスだからこそ、サウンドの方向性もいろんなことがやれますよね。
SiN
そうですね。それこそ上京する前はドラマーを探していたんですよ。
taichi
あの頃は、もう少しギターロック色が強かったかな。結果的にドラムレスになったことで楽曲に幅が生まれたと思いますね。
teppe
ドラムレスになった事で、生ドラムの音を主体にしなきゃいけないみたいな縛りが無くなって、打ち込みのドラムを前面に出した曲やそれに伴ったシンセの音作りなど、元々持っていた生楽器の温かさから電子楽器のクールさまで幅広い音楽性を取り入れることが出来ました。
ふくりゅう
taichiさんは、動画のクリエイティブもやられているそうですね。
taichi
そうですね。ミュージックビデオは焦茶さんにお任せしているんですけど、バンド活動する上で、今は動画がたくさん必要だったりするんですよ。
ふくりゅう
映像やSNS戦略など、バンドメンバーが考えて実行する時代なんですよね。チームでTAKU INOUEさんがサウンドプロデュースで参加されていることについてはいかがですか?
teppe
最後の一振りの調味料みたいな感覚なんですけど、それでやっぱり大きく変わるんですよ。本当すごいです。自分らにないセンスなので、勉強にもなりますし。
SiN
感動しまくりですね。ライブのイメージが浮かぶんですよ。世界観が広がるというか。楽曲に対する理解の深さに愛を感じています。
ふくりゅう
今の時代、動画で音楽を“聴く”時代といいますか、そこで焦茶さんによるミュージックビデオもダブダブにとって大きな武器ですよね。アイコン感というか。
SiN
素晴らしいイラストレーターさんで。ミュージックビデオに関しては、僕らから提案とかしてないんです。焦茶さんの思うままに仕上げていただいてて。さらに世界観が広がっていきますよね。
ふくりゅう
ある種、第4のメンバーとしてTAKU INOUEさん、焦茶さんがいるという強力なチーム体制というわけですね。そして、この夏に1st EP「黒点』がリリースされたという。先日、収録曲の「Polar Bear」がJ-WAVE『TOKIO HOT100』でも取り上げられクリス・ペプラーさんが絶賛されていました。ストリーミング・サービスでも再生回数も伸びてきています。
SiN
ほんと、嬉しいですね。
ふくりゅう
今年に入ってまたネットを通じて音楽の楽しみ方に変化が生まれていたり、音楽シーンに変化が生まれてきていると思いますが最近は、自分たちを取り巻く環境をどんな風に捉えられていますか?
SiN
流行り廃りのスピードが早いですよね。流行るためのプロセスも、どんどん変わってきちゃってますよね。僕らも研究してますけど、客観的にみていると面白いですよね。ああ、こういう曲が流行るんだとか。
ふくりゅう
でも、中にはずっと残り続ける曲もあったりとか。いきなりRin音や瑛人が音楽番組『ミュージックステーション』に出演していたりね。
SiN
驚きますね。すごいことだと思っています。
teppe
スピード感が早いですよね。
ふくりゅう
そんな中、ダブダブはどんな目標を持たれていますか?
teppe
黒点を制作している時から感じていたんですが、孤独というものは誰しもが必ず抱えていて、真っ黒な悲しい気持ちだと思うんです。太陽の黒点って、実は周りの光が強すぎて黒く見えているだけでちゃんと黒い部分も光っているんですよね。音楽制作は大体1人で始まって1人で完結してしまうこともあります。そんな人間の孤独も真っ黒で暗いネガティブなものではなくて、音楽がひとつの例であったように誰かを照らせるような光なんだよっていう、メッセージを込めています。僕らはWALKERだから音楽と共に歩み続けていくんですが、僕らだけではなくて、聴いてくれるみんなに寄り添って、一緒に歩いていけるような楽曲をただただ作っていければと思っています。
SiN
WEAKEND WALKERって僕らのバンド名なんだけど、みんなのことでもあるっていうか、そんな感じの歩み方ができれば最高です。
ふくりゅう
なるほどね。いいバンドっす。ていうか、ついつい真面目に話を聞き過ぎてしまった……。ここスナックなんで、なんか悩み相談とかありますか?
一同
ははは(笑)。
teppe
もう、ベロベロですよ。呑んでないけど(笑)。
taichi
呑めんけどな(笑)。
SiN
えっと、僕ハイボールが苦手なんですよ。なので、ハイボールを理解したいんですよ。
ふくりゅう
あ~、ハイボール若い人の人気高いよね。ビールよりね。あれ、ビールは呑むんだっけ?
SiN
缶ビールとか、ライブの打ち上げで1杯目は美味しいんですけど2杯目はいけないんですよ。ハイボールは1杯目から無理で。
ふくりゅう
なるほどね。それは、まず山崎とか白州など美味しいウイスキーで作ったハイボールを呑むべきだね。埼玉県の名産、イチローズモルトもオススメかな。一回、ハイボール的なものが美味しいって身体が覚えたらリーズナブルな角ハイでも呑めるようになるかも。よし、落ち着いたらスナックに呑みにきてよ。今日はオンラインだから出せないけどね(笑)。
SiN
はい! ありがとうございます、ふくりゅうママさん。
teppe
えっと、最近湿度が高すぎるのが嫌ですね。エアコンで除湿を点けているんですけど、除湿って寒くなるんでヒーターも点けてって本末転倒この上ないですよね(苦笑)。
SiN
冷蔵庫状態ですから。野菜置いておけるぐらいの(苦笑)。
teppe
ははは(笑)、そのぐらい冷えるよね。でも、冷やしたいわけじゃないんですよ。除湿したいだけなんです。楽器扱っていると、湿度は慎重になるんですよね。ネックが曲がったら数万円の損失ですから。
ふくりゅう
ああ、なるほどね。それはクーラー点けっ放しがいいですよ。28度ぐらいかな。体感で暑かったら27度ぐらいでバランス取りつつね。なんかドライや除湿モードより電気代も安くなる噂もありますよ。うん、それでも寒かったら厚着してクーラー点けっ放しで!
teppe
ははは(笑)、厚着します。
taichi
えっと、俺の悩みも湿度ですね……。あ、他にもあった。最近お酒弱くなったんですよ。
SiN
あんな酒豪ぶってたのに(笑)。
taichi
たぶん、この自粛期間中に外呑みが減ったからですね。家では、そこまで呑まないタイプなんで。
SiN
えっ、酒弱くなったのが悩み?
taichi
ははは(笑)。それこそ、この前の配信ライブの終わりに楽しくって3杯ぐらい呑んだら酔っちゃったんですよ。あ、昨日も缶ビールを1本空けたんですけど、すぐ寝ちゃいました。
SiN
へ~。
ふくりゅう
ある種、健康でいいじゃない? 世の中、お酒もほどほどにモードな時代がきそうですもんね。最近の状況を見ていると。
taichi
え~、お酒は強くありたいんですけどね(笑)。
ふくりゅう
うん、生のライブでWEAKEND WALKERのステージを観ながら呑みたいもんね。
SiN
そうですね。ライブは僕らにとって大事な場なので、開催する場合はルールや環境に気をつけて実施したいと思ってますので、是非みなさんいらしてください。
ふくりゅう
そうですよね。WEAKEND WALKERのフィジカルなライブ面での魅力は、僕は最高だってことを知っているので。それこそ、より多くのオーディエンスに体感して欲しいですよね。楽しみにしてます!!!