BUMP OF CHICKENからふたつの新曲が届けられた。まず「ファイター」は人気漫画「3月のライオン」（羽海野チカ）のテーマソングとして制作されたナンバー。いわゆるタイアップではなく、羽海野チカとBUMP OF CHICKENとの交流、お互いに対するリスペクトから生まれた意義深いコラボレーションが実現している。楽曲の軸になっているのは、繊細な手触りとエレクトロ・サウンドと骨太なバンド・グルーヴ。そこに奥深いエモーションを備えたボーカルが加わることで、リスナーの感情を大きく揺さぶる効果を獲得している。「掴むよ　掴んでくれた手を／闇を切り裂け　臆病な爪と牙」に象徴される、「3月のライオン」のストーリーとも重なる歌詞の世界も濃密な印象を残す。

　もうひとつの新曲「パレード」は現在公開中の映画「寄生獣」（監督／山崎貴）の主題歌として制作された。「涙のふるさと」（‘06年）のMVを担当、全国ツアー「WILLPOLIS」のオープニング映像を担当するなど、BUMP OF CHICKENと深い関わりを持つ山崎監督のオファーによって実現したこの曲は、緊張感に満ちたエレクトロ・サウンドとドラマティックなメロディライン、「パレードは続く　心だけが世界」という鮮烈なフレーズがひとつのなったナンバー。新たな音像と世界観を示した最新アルバム「ＲＡＹ」、全国ツアー「WILLPOLIS　2014」を経て、彼らの音楽はさらに先に進んでいる。「ファイター」「パレード」を聴けば、そのことを強く実感してもらえるはずだ。

【文：森朋之】

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「ファイター」Short ver.

「パレード」Short ver.