DEEPが、間近に迫ったバレンタインシーズンにピッタリのシングル「雪しずり」をリリースする。タイトル曲の「雪しずり」はもちろん、カップ リング曲の「Valentine」「You’re my everything」も、冬にハマるラブソング。ある意味、期待を裏切らないセレクトだ。そこには、もちろん彼らなりのこだわりがある。それは、卓越し たコーラスを武器にしている彼らだからこそ、表現できる歌だから……なのではないだろうか。さっそく「雪しずり」についての思い入れを、たっぷり語ってもらった。

EMTG：「雪しずり」は、すごく切ない内容ですよね。

YUICHIRO：そうなんですよ。思い続けて、思い続けて、また今年も会えなかったっていう（苦笑）。

TAKA：「雪しずり」には切ないくらい純粋に人のことを思う気持ちが表現されてるんですよ。むしろ、そういう純粋さって大切だなって。僕らの 曲には、その純粋さを実感できる曲が多い気がしますね。わざわざ切ない恋愛をする必要もないけど、やっぱりうまくいく恋愛だけとは限らないって歌 う部分があるのはリアルだと思います。ただ、それでも、誰かひとりの人を強く思えるのって大切だよねっていう。

KEISEI：ライブでも、こういう切ない歌をうたうと、妙に人肌恋しくなるというか。それもDEEPの真骨頂なんじゃないかと思いますね。ハッ ピーなラブソングもいいんだけど、人がグッと寄り添う時って、むしろ切ない状況でもあると思うんで。この曲を聴いて、是非そんな気持ちになって欲しいと思います。まぁ、僕自身はどんどん次に行くタイプなんですけど（苦笑）。

YUICHIRO：僕はこの曲に、“今年は会えなかったけど、来年は会えるかも”っていう期待も感じます。ただ、お互いに遠い場所で、別々の恋愛 をしているんだろうけど、心はどこかで相手のことを思っているという。

EMTG：ある意味、手が届かないような恋愛みたいなものって……。

TAKA：酔いしれますよね。

YUICHIRO：わかる、それ（笑）。

RYO：確かに切ないだけの曲じゃないですよね。悲しくなるというよりは、さっきTAKAが言ったみたいに好きだった人を思うことの大切だっていうメッセージが込められていると思います。あと、いろんな“雪”が歌詞に出てくるんですよ。誰かが、“裏タイトルは「雪辞典」だね”って言って ました（笑）。

EMTG：確かにそうですね。“粉雪”“ささめ雪”“牡丹雪”とか。カップリングの曲も非常に冬が似合う曲が揃いましたね。2曲目の「Valentine」はもう……時期的にもピッタリ過ぎだし、ここで 注目したいのは、RYOさんの書かれた歌詞なんですよ。

TAKA：RYO子ちゃんですね（笑）。

EMTG：いやいや（笑）。これ、女性目線で書かれているんですよね。すっごくキュートな内容なんですが、どうして、こういう歌詞にしたんですか？

RYO：バレンタインって、女性の方が告白したりチョコを渡したりするじゃないですか。だから男性よりは女性のイベントっていう印象だったんで。初挑戦だったんですけど、女性目線で書かせていただきました。

EMTG：難しくなかったですか？

RYO：語尾の言葉づかいをちょっと変えるくらいなので……。感情としては、男性女性に関わらず、共感してもらえると思います。

EMTG：あともうひとつ、すごく印象的だったのは、“15日の夜だけど…”って、歌詞の主人公が告白しようとしているのが、バレンタイン当日 じゃないことなんですよ。この発想は面白い！

KEISEI：14日には言えなかったんでしょうね（笑）。

TAKA：それだけ“好き”っていう気持ちが伝わってくるじゃないですか。当日、恥ずかしくて言えなかったっていう。

EMTG：当日、好きな人に会えなかった人にも、勇気を与えてくれる曲ですよね。歌について言えば、コーラスもしっかり入っている分、暖かい印象 というか。

RYO：「雪しずり」はコーラスが少なめなんですけど、「Valentine」は、かなりしっかり入っていますね。しかも、全員の声がガツンと 入っているので、より言葉が強く伝わると思います。

EMTG：ちなみに、ベタですが、みなさんのバレンタインの思い出を教えてください。

TAKA：最近ではDEEPのリリースタイミングとバレンタインが重なっていることが多くて。ライブをやっているイメージがあります。

KEISEI：僕は母から、なぜかチョコじゃなくて、縦笛をもらいました（苦笑）。いまだに、なぜ縦笛だったのか謎です（笑）。

YUICHIRO：僕は、そんなに面白いエピソードがなくて（笑）。ただ、父親が職場の女の子からたくさんチョコレートをもらって帰ってくるのが 楽しみでした（笑）。義理チョコでしたけど（笑）。

EMTG：RYOさんはYUICHIROさんとご兄弟なんで、当然同じ思い出……ですか（笑）。

RYO：それはもちろんです（笑）。あと、あまりチョコをもらった記憶はないです。覚えているのは幼稚園の時、お道具箱の中にチョコが3個入って いたことぐらいですかね。

EMTG：微笑ましい（笑）。 さて、話をシングルに戻しますと、3曲目の「You’re my everything」は、一転して、男性からの思いが伝わる歌になりましたね。R&BっていうサウンドアプローチもDEEPらしい。

YUICHIRO：この曲は僕ららしいかなって気がします。好きな相手がいて、いつも大切にできてないけど、ホントはお前のことが好きなんだ よ……っていう。不器用な男の気持ちが表現されてますよね。コーラスもいい感じで作れたと思います。僕ら、コーラスワークをよく研究するんですけど、海外アーティストのような厚みを出すのがなかなか難しいんですね。でも、「You’re my everything」には、そういう厚みのあるコーラスが収録できたと思います。

EMTG：ホントに聴きどころが多いシングルですね（笑）。

TAKA：CD意外では、初回盤に入っている「雪しずり」のクリップも、ぜひ見て欲しいです。ロケだったんですけど、ものすごく寒かったんですよ。長野の山奥で録ったんですが、朝なんて、-18度まで下がったんです。その渾身のクリップを見て欲しいです。

KEISEI：僕は初回盤に入っているメイキングのDVDがオススメです。開始、10秒後ぐらいにRYOが“いや?ん、さむ?い”みたな声で、バスから降りてくるんですよ（笑）。女性目線の歌詞を書いたことが引きずっているんじゃないかと（笑）。

YUICHIRO：僕はやっぱり「雪しずり」をじっくり聴いてほしいですね。サウンドは今風なんだけど、どこか歌謡曲っぽい雰囲気もあって。そういう意味で、年齢層がちょっと上の方でも、入りやすい曲だと思います。

RYO：僕は……「Valentine」って言わないとマズイですよね（笑）。できることなら、このCDとともにチョコを渡してほしいです。

EMTG：最後に、2014年のDEEPの目標をきかせてください。

TAKA：今年はひとつ、具体的なコンセプトを掲げてまして。それは“WEDDING”なんですけど――。

EMTG：おお！　ピッタリですね。

TAKA：僕らのライブに来ると、99.9％結ばれるというジンクスがあるんですが、それをもっと前に押し出すような活動をしていきたいと思います。あと、昨年同様、ライブもしっかりやっていきたいですね。

EMTG：ハッピーな活動になりそうですね。期待してます！

【取材・文：海江敦士】