ゆびィンタビュー vol.02 MINT mate box
ゆびィンタビュー | 2018.10.03
PROFILE
MINT mate box(ミントメイトボックス)
mahocato(Vo/Gt)、やすだちひろ(B)、KJ(Gt)からなる3人組ギターロックバンド。ほぼバンド未経験のメンバーがSNS発信で結成したという異色の経歴だが、それゆえに唯一無二のカラフルなサウンドを生み出している。
mahocato(Gt/Vo)
広島県出身、B型。特技は英語・モノマネで、元英会話教室の講師。趣味は、写真・ヨガ・愛犬と街巡り。音楽のルーツは、チャットモンチー。最近はTom MischやRex Orange Countyなど洋楽も幅広く聴く。
やすだちひろ(B)
兵庫県出身、A型。“CHIHIRO YASUDA”のデザイナーとしても活動中のファッショニスタ。初めてフェスで出会った、サカナクション、04 Limited Sazabysなど今も第一線で活躍しているアーティストに感銘を受け、バンドを始めた。
KJ(Gt)
島根県出身、A型。ゲーマー男子。音楽のルーツは、ELLEGARDEN・BUMP OF CHICKENなど。今のギターのスタイルは、JUDY AND MARYさんからの影響が強く独自のスタイルを持っているギタリストがいるバンドを理想としている。
-
ニューEP『ideal』を作るにあたって、テーマはありましたか?
-
やすだちひろ
今作はアルバムの為の曲作りというよりは、MINT mate boxとして活動する中で「こういう曲があるとライブで盛り上がるんじゃない?」「こんな曲がやりたい!」って話し合いつつ作っていって。 -
KJ
たとえば、ライブの1曲目でやるようなMINTのテーマ曲を作ろうってことで、『ミント』が生まれたり。 -
やすだちひろ
『シャッター』もライブを想定して作ったよね。 -
KJ
うん。 -
やすだちひろ
結成してからずっと「聴いてくれる人の生活の中に溶け込める音楽、作り手側よりも、聴き手側の暦が長い自分達だからこそできる普遍的な音楽を作っていきたい」っていう気持ちは共通してあるので、それは軸になっています。 -
今回もヤマモトショウさんがサウンドプロデュースを手がけられたそうですが、ヤマモトさんとの制作はどうでした?
-
KJ
どの曲も4人であーでもないこーでもないって言いながら制作して。最終的に皆で音を鳴らしながらライブを想定してアレンジや歌詞を固めていくっていういつもの流れで完成していきましたね。 -
SNSっていう最先端のツールで出会ったみんなが、一緒に音を鳴らしてイチから曲を作っているのって、いいですね。
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mahocato
すごく楽しいです! 試行錯誤しながらこだわって作った作品なので、毎回CDができあがった時に感動しちゃうんですよね! -
やすだちひろ
感動するよね~! -
mahocato
この感動は薄れないよね。まだ3枚目だけど(一同笑)。 -
KJ
何十枚作っても、薄れないでいてほしいですね(笑)。 -
やすだちひろ
MINT mate boxって、3人共、社会人を経験してから結成したバンドなので私とmahoはバンド経験がゼロの状態で始まったんです。 -
そうなんですか!?
-
KJ
僕は学生時代にコピーバンドをやっていたんですけど、やすださんに至っては、バンド経験がないどころか「mahoがボーカルで、KJくんがギター弾くのは決まってるんだけど、私はなんの楽器がいいかな?」みたいな感じだったもんね(一同笑)。 -
その状況で面識のない人をバンドに誘うちひろさんも、OKした2人もすごい(笑)。
-
mahocato
でも、そういうところから始まったからこそ、今、些細なことにも感動できるのかなって。 -
歌詞に関しては?(6曲目「君のことで悩みたい」はやすだちひろ作詞)
-
やすだちひろ
歌詞も、ヤマモトさんとはMINT mate boxの大部分を共有しているので、「最近こういうことがあったんですよね」っていう、日々のコミュニケーションから生まれていくんですよね。 -
mahocato
リード曲「3cm」は、ヤマモトさんと恋の話をした時に生まれたソングなんですよ。 -
やすだちひろ
そういうのあるよね(笑)。 -
mahocato
うんうん(笑)。 -
やすだちひろ
ヤマモトさんに「髪の毛って、何cmくらい切ったら気づいてほしいの?」って聞かれた時に「3cmくらいかな?」って言ったら、それがタイトルになってたりとか。 -
……と、女性陣は言っていますが?
-
KJ
僕はたぶん気づかないですね、3cmじゃ(笑)。MINT mate boxの曲って、僕からすると「わからないでしょ?」みたいな曲が多いんですよ! 「メイクキュート」とか! -
mahocato
でも、3cmの変化に気づいてもらえるって、好きって言われるより嬉しくないですか!? それくらい自分のことを見てくれているってことじゃないですか!? -
やすだちひろ
そうそう! まさに女子の気持ちを代弁してくれている歌詞だなって思いますね。 -
KJ
ちなみに『3cm』のBメロをイントロにも持ってきているのは、実は過去の名曲にも使われていて、それも狙いだったりします。 -
策士! 見事にハマりました!
-
KJ
あははは。 -
mahocato
ボーカル視点でいうと「3cm」は歌うのが難しかったなぁ。「3cm」っていう単位で描かれた歌詞の世界をサウンド面でいかに大きく描けるかっていうのが曲のテーマだったから、今までで一番音域が広かったなって。 -
KJ
3cmを3cmだと思わず大きく描こうって。 -
mahocato
それが実現した結果、最低音はものすごく低くて、最高音は今までで一番高いキーの曲になりました(笑)。 -
やすだちひろ
あれ、すごいよね! -
mahocato
今まではサビで一番高いキーを歌うっていう曲が多かったんですけど、今回はBメロで持ち上げて、サビは低音から入って高音に上がっていくっていう流れだったから表現が難しくて。ただ、苦労した分、今まで以上に歌唱力の高さを感じてもらえると思います! -
スケール感は、サウンドからも感じられますね。
-
KJ
でも逆にギターに関してはボーカルを生かすという点では最低限というか。今までMINT mate boxが王道としてきたギターリフものとは違う、すごくミニマムなアレンジだから、そういう意味で挑戦でしたね。 -
やすだちひろ
こうして改めて考えると、皆この2年間でできることがすごく増えたよね!? -
KJ
うん。ものすごく悩んだけど、ヤマモトさんと話し合いながら“理想”とするアレンジに上手く落とし込めたし、曲を通して成長できたなって思います。 -
やすだちひろ
「3cm」だけじゃなくて、『ideal』1枚を通して“MINT mate boxが理想とする音楽にすごく近づけたアルバム”なんじゃないかなって思います。 -
では、ちひろさんが自分の進化を感じる曲は?
-
やすだちひろ
「カフェオレ」かな。「present」や「beside」を作っていた時はベースを始めたてだったので、フレーズもみんなに一緒に考えてもらいながら制作していたんですけど、「カフェオレ」は、初めて全部自分でフレーズを考えて挑みました。 -
プレイヤーとして余裕が出てきたってこと?
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やすだちひろ
今までは弾くことで精一杯で、ただ目指すべきフレーズに向かって練習するだけだったんですけど、ライブをやっていく中で、「こういうふうに楽曲を届けたい」っていう意識が初めて芽生えたので。ベーシストとしての進化の第1歩が、「カフェオレ」。 -
「君のことで悩みたい」では作詞もされていますね。
-
やすだちひろ
この曲は、MINT mate boxを始める前、始めた時、今…全部の気持ちを詰め込みました。だから、「君のことで悩みたい」の“君”は、メンバーとか自分の周りにいる人のことなんです。 -
mahocato
「これは、maho達のことを言ってるんだよ」って一つ一つ説明されたので、リハスタで歌ってると泣きそうになっちゃう(笑)。 -
KJ
グッとくるよね。 -
やすだちひろ
あははは。私、悩まなくていいことで悩むことが結構あるんですよね。でも、そんなことで悩む暇があるなら、もっと考えるべきことがたくさんあるのに! って思うようになったんですよね。そんなことを歌詞にしています。 -
mahocato
上手く変換してるよね。 -
やすだちひろ
ありがとう。この曲は、MINT mate boxというバンドの形が明確になった今だからこそ、皆に聴いてもらいたい曲ですね。 -
この様子だと、今後のライブでは3人揃って号泣ですか?
-
KJ
ライブではまだ1人(やすだ)しか泣いてないですね。 -
mahocato
この方(やすだ)は毎回泣いてます! -
やすだちひろ
涙腺ゆるゆるなんですよ~(笑)。 -
KJ
でも、今回のツアーは3人ともちょっと怪しいかな? -
『GOOD CREW TOUR』で確認しなくちゃ!
-
mahocato
やっぱり歌を通して私たちの思いを伝えていきたいなと思っているので、泣かないようにどの曲も全力で表現していきたいなと! -
KJ
このツアーを機に、僕ら自身が、自分達のルーツとなっているような“普遍的な音楽”のメインストリームに乗っかっていきたいしね。 -
やすだちひろ
うんうん。多くの人に観に来てほしいなぁ。 -
mahocato
MINTでライブデビューしたっていう人、すごく多いもんね。 -
やすだちひろ
うん、嬉しいよね~! -
mahocato
嬉しい! -
やすだちひろ
私、地元(兵庫)にいた頃はライブハウス=怖い場所だと思ってたんですよ。でも実際はそんなことなくて、特にMINTはそのイメージを覆すライブをしているというか、ライブに行ったことがない人も来やすいと思うんです。 -
mahocato
ちぃ(やすだ)みたいにお洒落好きなお客さんもいれば、KJみたいなゲーマーもいるし、ファン同士のカップルが誕生したりするのがMINTのライブなので(笑)。これからもquirky(風変わり)な私達らしく、いろんな人達を巻き込んでいきたいなって思います。
【取材・文:斉藤碧】
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リリース情報
ideal
2018年10月03日
MMB RECORDS
2.カセットテープ
3.ミント
4.カフェオレ
5.シャッター
6.君のことで悩みたい
お知らせ
■ライブ情報
MINT mate box organize “GOOD CREW TOUR“
10/03(水)仙台LIVE HOUSE enn2nd
10/07(日)愛知SPADE BOX
10/12(金)福岡DRUM SON
10/14(日)広島BACK BEAT
10/16(火)梅田Shangri-La
10/19(金)新潟CLUB RIVERST
10/21(日)渋谷CLUB QUATTRO
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。