「生きること」が色濃く刻まれたフルAL『こころの℃』全曲解説インタビュー!

ゆびィンタビュー | 2020.06.17


 4ピースバンド・ircleが、発売延期を経た6月17日に3rdフルアルバム『こころの℃』をリリースする。様々な形の「別れ」を経験し、意図せずとも「死ぬこと/生きること」に対する思考が色濃く表れた前作『Cosmic City』のリリースから約1年。今のircleが放つ今作について、Fanplus Musicではメンバー全員による全曲解説インタビューを敢行! 1曲1曲に込められた想いを紐解いていくので、リスナーの方はぜひとも作品を聴きながら読んでほしい。


PROFILE

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ircle


 2001年、大分県別府市の同じ中学校の同級生にて結成。
 人間味の溢れる熱いライブでオーディエンスを魅了する。
 “人間らしさ”にこだわった「HUMANisM」というイベントを立ち上げ各地で開催している。

  • 前作『Cosmic City』が、図らずも「生と死」に焦点が当たった作品だったと思うんですが、その経験を経ての今作はどういう作品にしようと思っていたんですか?
  • 河内健悟(Vo/Gt)

    前作を出してから「次はどうする?」って少しずつ話し合っていくなかで、良が「『生きていくこと』について前面に出していったほうがいいんじゃないか?」と言ってたんです。俺は漠然としか考えてなかったけど、作り終えてみればそういう楽曲が中心になっていきましたね。
  • 「生きていくこと」って、今までもircleが歌ってきたことではあったと思うんですけど、前作をリリースする以前と以降で何か意識の変化はありました?
  • 河内

    変わったことはないんですけど、それでも音楽はあったし、それでも強く生きて行こうって思ったぐらいの感覚かなぁ。
  • 仲道良(Gt/Cho)

    前作で「死」にフォーカスしたからこその深みが出たようには思いますね。あとは、次はフルアルバムを作りたいという気持ちがバンドの中であって、だとしたらircleが持ってる強みとか、中心にあるものを表現したいと思ったんですよね。
  • 聴き手として、今までもircleの音楽からは「生」の力を感じ、励まされていましたが、今作ではさらに「生きているからこその自由さ」を感じるように思います。では、ここからは楽曲解説に入りたいと思います!




  • 1.ホワイトタイガーオベーション

  • まずは1曲目「ホワイトタイガーオベーション」。これは、かなり攻撃的な幕開けですよね。
  • 仲道

    ライブの1発目でやれる、アップテンポじゃない曲をやりたいという気持ちが2、3年くらい前からあったんです。
  • 河内

    もともとは「ホワイトタイガーイリュージョン」っていうタイトルで、大枠としては結構前からあったこの曲をどうしていこうか?というスタートから、スタジオで合わせつつジリジリと作り上げていったんですけど、最終的にはアルバムの1曲目にふさわしい、かっこいい曲になりました。あまり俺らの中になかったイメージの曲だと思いますね。
  • “檻に閉じ込められた虎”という、他者の感情をモチーフにするうえでのイメージの膨らませ方はどうやっていったんですか?
  • 河内

    最初は虎というイメージもなくて、歌詞はもっと漠然としてたんです。でも、我々4人をひとつの生命体だとして、「ホワイトタイガー自身の感情と捉えて放ったほうがいいんじゃないか?」ってことで、レコーディング中に変わっていきました。
  • 虎というだけあって、ベースラインは虎視眈々と突き進んでいるように感じたのですが、ircleにとっての新要素が組み込まれていくなかで、リズム隊として意識したところはありました?
  • 伊井宏介(Ba/Cho)

    いつもはフレーズを付け足してややこしくしがちなんですけど、この曲は「シンプルかつかっこいい」をテーマにして、男のワンコードで突き進んでいきつつ、アクセントを入れていくテイストになりましたね。イントロは起きて30分とかでパっと録ったフレーズが採用されたんですよ(笑)。寝起きの気怠さが良かったのかもしれないですけど。
  • ショウダケイト(Dr)

    この曲に関しては、頭で考えるよりもどれだけノリを出せるかが勝負だったんで、オンテンポとか、バチバチにクリックに持っていくとかではないと思ったんですよね。だから今は逆に、その寝起きで奇跡的に録れたノリをいつでも出せるように練習してます。
  • 河内

    何も考えないことを磨くしかないよね。でも、そういうノリや気怠さから虎のノソノソ感を感じ取って、歌詞もそういうイメージに落とし込んだっていうのはあります。
  • 今作は、そういう作り方が多かったりするんですか?
  • 河内

    「こんな音鳴っちゃったからこうするっしょ」みたいなのは多いかもしれないです。ライブ中に歌詞が変わったりするのと同じ感覚ですね。

  • 2.エヴァーグリーン



  • 2曲目の「エヴァーグリーン」は、本作のリード曲として先行公開されていました。
  • 仲道

    この曲は、フジロックのグリーンステージで鳴らしたいイメージで作りました。大きい曲にしたいっていうざっくりとした気持ちがあって、そこから青い空とか吹き抜ける風とかを想像しながら凝縮させて、かつサビで広がる曲にしたいと思ってました。
  • 歌詞の中には、アルバムタイトルにもなっている<心の温度>というフレーズが入ってますね。
  • 河内

    もともとは<心と心で>という歌詞だったんですけど、皆で話し合うなかで「こころの温度」というワードが出てきて、そこに合わせて歌詞が切り替わった感じはあります。
  • じゃあ、リード曲にすることは最初から決まっていたんですか?
  • 河内

    リードというか、本当は先行配信しようと思ってたんですよ。
  • 仲道

    そうそう。それで、このアルバムのヒントにしてもらえたらって思ってたんです。だから、この曲はアルバムを総括してると思います。
  • なるほど。「エヴァーグリーン」がアルバムを総括するポジションにある理由を言葉にすると何でしょう?
  • 河内

    今年1月にTSUTAYA O-EASTでやった「HUMANisM」という企画の中で、この曲を披露したときに撮影OKにして、その辺りからPVにする予定でもあったし、「エヴァ―グリーン」は生モノに特化した楽曲になってたわけですよ。そのときは、俺らが現場でやってる「HUMANisM」を広げたいとか、現場で繋げていきたいという想いがピークだったんですよね。そういった気持ちが、アルバムを作るなかでのバンドの心境とハマったからだと思います。今とは真逆のシチュエーションですけどね。
  • ショウダ

    ライブバンドなんで、ライブをイメージした楽曲がリードになることは必然のようにも思いますね。
  • ircleの「現場第一」という精神性を表した楽曲なんですね。この曲は伸びやかでありながら、リズムというか、ドラムの手数がえらいことになってますよね。
  • 仲道

    このテンポでこのフレーズは無茶振りだろうな、と思いながら渡しました(笑)。
  • ショウダ

    調整しようと思ったんですけど、簡略化できなかったんですよね。
  • 伊井

    ドラムもギターも頑張ってるじゃないですか? だから、バランス的に俺くらいは抜き気味というか、楽にしたほうがいいよなぁと思って楽させてもらってます(笑)。
  • 仲道

    ベースはそんなに作り込んで渡さなかったもんね。
  • ショウダ

    嘘だろ! ゴリゴリに動きまくってただろ!(笑)。
  • 伊井

    仲道の手癖を応用したりはしたんですけどね。いつも「適当にして」って言ってくるんですけど、それがいちばん難しいんですよね……。
  • 河内

    それは歌もそう。「適当に変えていい」って言われても、適当に崩せない状態できっちり作ってくるんだよな(笑)。
  • 仲道

    あくまでプロトタイプとして出してるから、そりゃちゃんと出すさ!(笑)。

  • 3.ハミングバード

  • (笑)。3曲目の「ハミングバード」は、アコギの音色がいいですね。
  • 仲道

    ハミングバードというアコースティックギターを買って作った曲で、タイトルもそのまんまっていう(笑)。別れの曲っていうイメージがあって、最初に出来たアコギのフレーズから「部屋の窓から外を眺める」という風景が浮かんできて、そこからどう膨らませるかをバンドに任せた次第です。
  • 河内

    最初の案の時点ではもっと暗い曲だったんですよ。でもハミングバードっていうくらいだからもっと明るくてもいいんじゃないか?ってことで、「ハミングバード」というキーワードから、最終的には「鳥」まで遡って調べて膨らませて歌詞に落とし込みました。
  • こうして聴くと、良さんが原案を持ってきた曲は、檻の中の虎から始まり、大舞台に焦がれる歌、そして部屋から外に出たがる鳥という感じで、「何処かから外に出たい」という曲が多いですね。
  • 伊井

    恐ろしいこと言っていいですか? 「バタフライ」もそうなんですよ(笑)。



  • 全員

    (爆笑)。
  • 伊井

    昔っからずっとどっかから出たいし、ずっと走り出したいんだよな?(笑)。
  • 仲道

    昔っから何かに囚われてる(笑)。
  • 河内

    最近はそういう「走る」とか「飛び出す」っていうイメージに俺まで引っ張られちゃってるからな(笑)。
  • 仲道

    たしかに昔から、自分は主人公じゃないっていう想いはあるかもしれないですね。
  • 河内

    だから今回は、「良も歌っちゃえば?」っていう話もあったんですけど、そういうことではないみたいで。
  • ショウダ

    でも、バンドとしても常に枯渇してる状態ではあるので、そういうハングリー精神が良くんにもあるんだと思います。
  • めちゃくちゃ納得しました(笑)。

  • 4.メイメツ

  • 続いて4曲目の「メイメツ」は、「夢と現実の往来」というストーリーが冴える楽曲ですね。
  • 仲道

    おっしゃるとおりです。最初の口笛も、今あるイントロがないままサビの夢ゾーンに入ってしまったら、聴いた人がこのストーリーに入り込みにくいんじゃないか?とエンジニアの方に言われて入れました。
  • 夢ゾーンと現実ゾーンとのコントラストがはっきりしてますよね。
  • 仲道

    そこはバンドサウンドに落とし込んで、よりはっきりさせていきましたね。レコーディングもセクションごとに分かれて、使う楽器やドラムのチューニングを変えながら録ったので。
  • ショウダ

    この曲を作り込むときは、エンジニアさん対ircleっていう感じでしたね。正直僕らとしては、メロとサビの空気感が切り替わることに関してまったく抵抗がなかったんですよ。でも、エンジニアさんを含めた一般意見としては、統一感を持たせたほうがいいっていう話で。そういった第三者の意見に納得して実際に取り入れる曲もあるんですけど、この曲は良くんが持ってきたイメージを大事にしたいと思ったし、そこは譲れなかったので、じゃあよりコントラストをはっきりつけて、聴いた人にわかってもらえるようにしようっていうベクトルに変えていったんです。
  • でも、たしかにとてもわかりやすいです。
  • ショウダ

    そう言ってもらえるとうれしいですね。やって良かったと思います。
  • イントロのベースは、リードベースばりに鳴ってますね。
  • 伊井

    これはKANA-BOONのベースをイメージしたんです(笑)。今までircleではやってこなかったフレーズを入れ込んでみました。
  • 新しいことをやってみようと思ったのはどうしてですか?
  • 伊井

    これは完全に俺の探求心ですね。オケ録りで煮詰まってたので、普通にやるよりは普段やらないことをバーン!と出してみようかと。
  • 河内

    結構みんな思いっきりやってるよね。「さあ、やっちまおうよ」っていう空気感で。
  • 伊井

    ircleっていう卓上で、「いっせーのせ!」でカードを出す感じだったね。

  • 5. B.N.S.

  • 5曲目「B.N.S.」は「作曲:ircle」表記ですが、どういうふうに作り込んでいったんですか?
  • 仲道

    これはスタジオでセッションしながら作った曲です。ギターのリフをきっかけにしたんですけど、ほぼ同時多発的でしたね。
  • 河内

    「なんかかっこいいの弾いてるから叩いてみよう」「そしたらコードつけてみよう」「じゃあ歌ってみよう」みたいな感じで出来ましたね。作曲というよりセッションで。
  • 今作の中で、そういった作り方をしたのはこの曲だけ?
  • 河内

    そうですね。
  • ショウダ

    高校生のときはわりとこの作り方でやってたんですけど、やっぱり時間がかかるから最近はやってなくて。でも、せっかくフルアルバムを作るならやってみようよってことでやってみました。
  • 久々にやってみてどうでした?
  • 河内

    「なんかいいよね」って思いましたね。大人になって色々できるようになってきたなかで、こういう作り方の気持ち良さを感じられたというか。聴いた人からも「ircleの王道って感じでいいよね」って言ってもらえたので、ライブチューンになるんじゃないかなとは思ってます。
  • 伊井

    昔よりも引き出しがある状態なので、昔だったらNGだったこともOKになるんですよね。当時ダメになった理由って「それしかできないから」だったと思うんですけど、今は選択肢があるからフレーズを選べるようになったのはデカかったですね。
  • この作り方をしたのって、この曲の前だとどの曲になるんでしょうか?
  • ショウダ

    改名してからはないんじゃないかな……。
  • 仲道

    「obstruction」は?
  • 河内

    ああ、そうだそうだ。
  • 相当久しぶりだったんですね。照れとかなかったんですか? 「俺、最初に鳴らすのちょっと……」みたいな。
  • 仲道

    照れっていうよりは、いい感じのフレーズが鳴ってるから「これを逃すまい」っていうか。
  • 河内

    あとは、良がごり押ししてくれてたのもあって。「まだ名前も決まってないセッションのあの曲、作り上げたほうが俺らっぽくていいじゃん」って。だから「あぁ、やるか!」みたいな感じで、意外とちゃんと仕上がってよかったですね。
  • このタイトルの意味は――。
  • 河内

    ぶち、抜いて、候。
  • 仲道

    結構長い間、仮タイトルとして「ぶち抜いて候」があったんですけど、“候”っていう字が入るとなんか和っぽい感じになるので、それよりはミッシェル(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)方面に寄せたというか。
  • 河内

    アルファベットにしてね。

  • 6.リンネループサティスファクション

  • 6曲目「リンネループサティスファクション」のガチャガチャっぷりは最高ですね。
  • 河内

    なにがなんだかわからんような空気感はどうしても必要かなと思ってて、とことんぐちゃぐちゃで、うるさくて、雑で、行き過ぎてちょうどいいと思ってました。
  • ショウダ

    酒飲んで歌って、まさに地獄絵図でしたね(笑)。
  • この曲は浮世と地獄が舞台となっていて、「B.N.S.」での和の雰囲気を継承している流れも感じられます。
  • 河内

    そうですね。どうしても罪を償わなきゃいけないことを積み重ねながら生きてるし、どこかで「償わなきゃなぁ」って考えてるんですけど、たとえ地獄に落ちようとも、きっとそういうしょうもないような気持ちは断ち切れないんですよね。だからこそ、生きてる間は「愛してる」だのなんだのを言うことがいちばん重要なんじゃないか?ということを歌ってます。
  • これも、アルバムに入れる新曲として作っていったんですか?
  • ショウダ

    いや、結構前からあったんですけど、なんならアルバムに入れようってなったのも曲選びの最後のほうに決まった感じですね。

  • 7.ルテシーア

  • 7曲目「ルテシーア」は、曲を聴き進めるなかでの気づきがあって「なるほど!」となりますね。
  • 河内

    簡単な逆さ語だと思ってたんですけど、3人は気づかなかったんですよ(笑)。だから、なおさらこれでいいやと思って。前作の何かの曲の続きになればという意見があって、そういう意味でも「逆」が色々と詰まってる曲になってます。
  • 仲道

    “ルテシーア”っていう言葉の意味がわからないなかで、なんとなくスペインっぽい響きだなと思って、その勘違いしたイメージに引っ張られたギターフレーズになってます(笑)。
  • 歌詞や曲をバンドに投げた時点で、4人で理解し合えるものなんですか?
  • 河内

    俺は良が作ってきた曲の歌詞については考えちゃいますけど、2人は曲全体の雰囲気を汲み取ってかっこよくしてくれる感じですね。
  • ショウダ

    でも、そこがここ数年の曲作りで大きく変化したところで、これまでは持ってきた曲に対しての勝手なイメージだけで曲を作ってたんですけど、今はそれをやめて、「どうしてこの歌詞なのか」とか「どうしてこういうフレーズがあるのか」を擦り合わせてから曲作りに入ってます。そうじゃないと聴いた人に伝わりづらくなるし、今までは河内や良くんが持ってきたイメージを濁らせてたかもしれないんですよね。今は2人の感性をもっとクリアにして落とし込める作り方になったと思うし、この曲も最初は気づかなかったけど、説明してもらって作り上げていきました。
  • 伊井

    昔は任せっきりだったのかもしれないですけど、ircleっていうフィルターを通して曲を作っていくんだったら、全員で突っ込んでいくしかないというか。僕自身、前は歌詞に興味がなかったのかもしれないです(笑)。でも今は、意思疎通をしながらメロと歌を調和させていくように変わってきました。そのおかげで選択肢が増えたし、フレーズの引き出しも増えて、もっと曲について俯瞰して考えられるようになったので助かってます。
  • 2人の曲を4人で昇華していくっていう元来の作り方の間に「理解」というひと手間を増やして今の作り方になったというのは、すごくいい変化ですね。
  • ショウダ

    圧倒的に作りやすいです。
  • 河内

    歌詞じゃなくても、楽曲のビジョンを共有するっていうのはデカいですね。

  • 8.2人のビート

  • 8曲目「2人のビート」は、ロマンチックで可愛らしい楽曲ですね。
  • 河内

    これはもっと暗い曲のつもりで、イメージ的にはGOING STEADYの「佳代」みたいな雰囲気の曲だったんです。でもサビの軽快さやイントロがまったく別物になって、結果的に良かったかなと。えぐい青春感が出るかなと思ってたんですけどね。女の子目線で聴けるような曲になりました。

  • 9.あいのこども

  • 9曲目「あいのこども」は、歌詞を読んで「きみが セ」を思い出しました。河内さんの言葉への探求心が感じられる歌詞が印象的な、綺麗なバラードだと思います。
  • 河内

    これはバンドで出来上がったフォークソングで、完璧だなと思ってます。俺、こういう曲に限ってすごい速いテンポでデモを作っちゃうんですよ(笑)。でも3人に「バラードはちゃんとバラードでやろうよ」って言われて、最終的にちゃんとしたバラードになって本当に良かったです(笑)。
  • 仲道

    アレンジの最初の段階では原曲のエモさは残ってて、テンポももうちょっと速かったんですよ。でも、そこからちょっとずつテンポを落とし、音を抜いていって、今の形になりました。
  • 例えば「リンネループサティスファクション」など、今までは音の足し算をしていたと思うんですけど、この曲は引き算がメインだった?
  • 伊井

    そうですね。ircleって結構ちょけがちというか照れ隠しというか、本当はゆっくりやったほうがいいのにわざと速くしたりしてたんですよ。それをやめて、真面目に向き合った曲ですね。
  • ショウダ

    さっき「きみが セ」を例に出してくれましたけど、あの曲のときもそうで、何十曲かに1回、「この歌詞は相当作り込んできたな」っていうものを渡されるんですよ。そういうときは、その歌詞をどうにか活かしたいと思うし、歌詞をいちばん伝えられるようにメロディを合わせるとなると、やっぱりバラードになるんですよね。だからこの曲は歌詞の温度を大事にして、音の温度をなるべく落として作りました。

  • 10.瞬(Album ver.)



  • ラストは「瞬」のアルバムバージョンです。SIX LOUNGEとのスプリットCD『地獄盤』に収録されていたこの楽曲を、今作に入れたのはなぜですか?
  • 河内

    聴く人目線に立って考えて入れたっていうのがデカいですね。ライブでもやる曲だけどスプリットにしか入ってなかったですし、フルアルバムに入ってたら聴く人としてもうれしいかな?と思って、最終的に入れました。
  • 仲道

    このタイミングで入れなかったら、ベストアルバムとか作らない限り一生入れられなかったかもしれないので、ちゃんと自分たちのオリジナル作品の中に入れることができてよかったですね。




  • 「ホワイトタイガーオベーション」に始まり、最後の「瞬」で終わるまで、このアルバムは一貫して「ライブで聴いたときにより楽しんでほしい」というライブバンド・ircleの気持ちが真っ先にあるんですよね。最後に、そんなircleが今のライブができない状況下で改めて考えたことや、この先目指していきたいビジョンなどはありますか?
  • 河内

    僕が考えるバンドの在るべき姿って、4人でお客さんの目の前で音を鳴らしていくものだと思うし、それが当然なんですよね。でもそれを当然とせずに、時間が経つにつれて考えや形を変えながら新しい音楽を作り続けてきたバンドがircleなんですよ。だからどんな時代になっても、対応をするのではなく、自ら変化していって先にいかなきゃなと思います。俺たちは稼ぐことを主としてるバンドではないので、だからこそ音楽の真髄に真っ直ぐ向かっていけるバンドで在りたいなと思ってます。
  • ショウダ

    ライブバンドがライブできないっていうことに絶望した時期もありましたけど、それでもこの状況のなかで4人で考えて行動していくうちに、今までとにかく「ライブをやらなきゃ!」と思ってたけど、いい意味で「ircleが4人でいれば、それはircleとして成り立ってるんだ」ということに改めて気づけましたね。やれることをやっていくしかないし、この期間でやれることも増えたし、今は楽しみな気持ちが大きいです。
  • 伊井

    現場主義なバンドだからこそ、ライブが尊いものなんですよね。これからの時代はその尊さがより強くなっていくだろうし、昔のままでは絶対無理だと思うんですよ。だから「ライブができないからこそ」ということを考えながら新しいことをやっていこうとしてますし、すごく前向きではありますね。ircleって逆境バンドなので。
  • 仲道

    ライブハウスで演奏できないことへの悔しい気持ちや残念な想いはありますけど、そのなかでircleとしてできることや、僕らにしかできないことを考える期間ではあると思うんです。誰かがやってみたことを無理してやる必要はないと思いますし。あとは変な話、ポーズとして音楽をやってた人たちはもう音楽をやらなくなると思うし――わりとこの期間でふるいにかけられてると思うんですよ。でも、そのなかでも僕らはちゃんと4人でバンドを続けようとしてるし、心の中に音楽があるんだということを再確認できたんです。いきなりは無理かもしれないけど、しっかりと模索しつつ、これからも音楽を生み出し続けて、楽しいことに繋げていきたいなと思ってます。

【取材・文:峯岸利恵】





tag一覧 J-POP アルバム ゆびィンタビュー 男性ボーカル ircle

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リリース情報

ircle『こころの℃』

ircle『こころの℃』

2020年06月17日

MURO_RECORDS / JMS

01.ホワイトタイガーオベーション
02.エヴァーグリーン
03.ハミングバード
04.メイメツ
05.B.N.S.
06.リンネループサティスファクション
07.ルテシーア
08.2人のビート
09.あいのこども
10.瞬(Album ver.)

お知らせ

■配信リンク

『こころの℃』
https://ircle.lnk.to/kokoronoondo



■ライブ情報

ircle New Album リリースツアー 2020
全公演開催延期


WOMCADOLE「旗鼓堂堂ツアー」
w) WOMCADOLE/climbgrow
09/24(木)山口 LIVE rise SHUNAN
09/25(金)福岡 Livehouse CB
09/27(日)熊本 Django

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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