ゆびィンタビュー vol.01 chelmico
ゆびィンタビュー | 2018.08.07
PROFILE
chelmico
chelmico(チェルミコ)
Rachel(レイチェル)とMamiko(マミコ)からなる2014年結成のガールズラップユニット。かわいらしい容姿から想像を絶するラップスキルと、キャッチ―なメロディーに乗せる滑らかなフロウが音楽業界の全方位から大評価を受けている。
Mamiko
写真右側のショートカット女子。1996.06.26生まれ、東京都出身。好きなことはラジオ鑑賞、お笑い、飲むこと。
Rachel
写真左側の金髪女子。1993.07.04生まれ、神奈川県出身。好きなことは映画鑑賞、読書、ゲーム、そして飲むこと。
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まずはお二人の出会いからお伺いできますか?
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Rachel
最初は4年前かな。共通の友人と3人で会ったときに、二人ともリップスライムが好きだっていうところで盛り上がって。二人でカラオケに行くようになったんですけど、こんなに一緒に歌える子が初めてだったんですよ。 -
RIP SLYME
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Mamiko
完璧だったもんね。息吸うところまで一緒だった(笑)。 -
Rachel
その後、二人でイベントに出たことがきっかけでラップにハマっていって。ただ、職業になるとは思ってなかったよね。 -
Mamiko
うん。楽しければいいっていう感じだった。だから、本当の最初は、ラップじゃなくてもよかったんですよ。 -
Rachel
部活みたいな感じだよね。私は何事も打ち込むタイプだから、やるからにはやるっしょって感じでやってたけど。 -
Mamiko
私にとっては初めて熱中できるものだったのかな~。 -
Rachel
いろいろできるからね。ラップもできるし、いろんな人に会えるし、グッズを作ったりもできるし。楽しいことだらけでハマっていったよね。 -
二人が仲良くなるきっかけになったリップスライムとの出会いは? リアルタイムの世代ではないですよね。
-
Mamiko
小学校2年生の時に逗子に遊びに行ってたんですけど、ちょうど逗子フェス(2003年)をやってて。生音でリップスライムの「楽園ベイベー」が流れてきたんですよ。訳も分からずにいい曲だなと思って、涙を流して(笑)。なに、このめっちゃいい曲!って。 -
Mamiko
-
Rachel
感受性豊かちゃん! いい曲すぎて感動したんだよね。 -
Rachel
私は近所のお姉ちゃんが聴いてて。年上の人のカッコいい文化っていうイメージがあったし、「このめっちゃ早口の音楽を歌えたらかっこいいな」と思って。 -
Mamiko
なんの曲だったの? -
Rachel
「ファンカステック」だった。 -
Rachel
-
Rachel
そのお姉ちゃんに歌詞を書いてもらって。一生懸命に練習して歌えるようにして。そこから今までずっと好きですね。 -
メジャーデビューアルバム『POWER』に収録されている「サマータイム」には「楽園ベイベー」というフレーズも出てきます。
-
Rachel
好きな漫画とか映画とかアーティストとか、結構、入れてますね。だから、アルバムを聴けば、chelmicoが今、何にハマってるかわかると思う。 -
Mamiko
「BANANA」の私のバースに出てくる<テキーラビグコンチュ>は漫画『ザ・ファブル』に出てくるワードだし。「Good Morning」には<アジカン>も出てくるし。リップとアジカンは二人共通の趣味だね。 -
ASIAN KANFUU GENERATION
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その共通のリップとアジカン以外の二人それぞれの音楽的ルーツをあげるとすると?
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Rachel
子供の時に聞いてたのは、セサミストリートの「I Say BANANA」。 -
Mamiko
あれ、いいよね。 -
Rachel
あとは、宇多田ヒカルだね。お母さんと二人家族だったから、仲が良くて。二人でよく一緒にカラオケ行ってたんだけど、宇多田ヒカルの「Moving on without you」を練習させられて。当時は、なんか、恥ずかしいなって思ってた。 -
Mamiko
女の歌だからね。 -
Rachel
<いい女、演じるのはまだ早すぎるから~>って。幼稚園の年長さんの頃に。 -
Mamiko
あははははは。はえーよ! -
Rachel
あとは、Coccoが好きだったからCoccoを歌ってたかな。あと、パラモアとか。ギターヴォーカルで。 -
Mamiko
強めが好きだよね。 -
Rachel
中高は、ブルーハーツとか好きだった。 -
Mamiko
日本マドンナとか、ZAZEN BOYS、ナンバガも好きだしね。 -
Rachel
パンクが好きだった。陰キャだったから、それで発散してた。解放してたんだと思う。 -
Mamiko
うちに秘めたものを。 -
Rachel
そう。普段は言えないこととかを言うみたいなのがあったのかもね。逆に今はそんなに聞かなくなったから。 -
Mamikoさんのルーツは?
-
Mamiko
3~4歳の頃に、家で見つけたカセットテープをずっと聞いてました。「Maiki Chants And Mele Of Hawai」っていうハワイの音楽なんですけど。 -
Rachel
それ、聴いてみたんだけど、きもいというか、怖いというか、謎なんだよね。 -
Mamiko
自分でもなんでかはわからないけど、それが一番最初に聴いた音楽で、その後もずっと聴いてたし、いまでも時々思い出すの。 -
Rachel
大人になってから聴くと、変な音楽って思うけど、子供の時は先入観がないから、楽しく歌ってたのかもね。でも、太鼓だけで女の人が歌ってる曲って。 -
Mamiko
変な子供。気持ち悪いよね。あははは。 -
Rachel
でも、U-zhaanさん好きなのも、それがルーツだからじゃない? -
Mamiko
そうかも。一番最初に作った曲も、太鼓がポコポコしてた。 -
Rachel
太鼓が好きなんだよ。太鼓の達人だ! -
Mamiko
「太鼓の達人」もよくやってたもん。めちゃめちゃやってた。 -
Rachel
リズム好きだよね。「リズム天国」だ! -
Mamiko
あはははは。全部、ゲームに繋げんなよ!!! -
(笑)アルバムでは「デート」でU-zhaanさんとのコラボが実現してます。
-
Rachel
夢が叶ったんだよね。 -
Mamiko
めちゃめちゃ好きだったから。夢が1つ叶って嬉しかったですね。初の五拍子にも挑戦できたし、これが、一番ラップが楽しかった。 -
「デート」以外で、個人的に好きな曲を1曲ずつあげるとすると?
-
Rachel
「Get It」かな。初めて強い曲を作ったっていうことが印象深くて。思い切りお酒の曲なんですけど。 -
Mamiko
二日酔いの曲を描こうって言ってたんだよね。 -
Rachel
何よりトラックがカッコいいんだよね。chelmicoとしては新鮮だし、自分でもよく聴いてる。 -
Mamiko
私は「E.P.S.」。一番ヒップホップかなって。コントラストして、ウエディングソング「OK, Cheers!」もありながら、フックもない、ラップだけで聴かす曲になってて。ビートも、ライブでバックDJをしてくれている%C(パーシー)で、リリックも%Cへの愛を込めてて。 -
Rachel
%Cへのラブレターだよね。ずっと伝えたかったことが伝えられた。 -
Mamiko
ずっと付き合ってくれてるのがすごく嬉しくて。 -
Rachel
わかる。 -
Mamiko
親戚のお兄ちゃんというか、お父ちゃんみたいな感じかな。だから、メジャーデビューが決まって、アルバムを出すっていう時に、絶対に%Cのビートはいれたかったんですよね。 -
この曲名はどんな意味なんですか?「E.P.S.=いいパーシー」かなって思ったんですが。
-
Rachel
惜しい! -
Mamiko
最終的には「エブリディ・パーシー・サイコー」の略ですね。 -
Rachel
元々は『BATICA』っていう恵比寿にあるクラブのことを歌ってて。最初は「EBIS」か「BATICA」にしようかって言ってて。 -
Mamiko
でも、だんだん「エピス」はどう?ってなって。「EBS」じゃなくて、「EPS」にしたらカッコよくね? ドットドットつけたら、ヒップホップっぽくね? ってことで。……ちょっと疲れてたんですよね。 -
Rachel
あはははは。だから、本当は「エピス」って読むんです。 -
(笑)では、アルバムのタイトルの方はどんな思いでつけました?
-
Rachel
ちょっと気持ち的に停滞してる時期だったので、『POWER』ってつけたら、パワーが付いてくるんじゃないかと思って。私が思いついて、ラインで送ったら、すぐに「いいね。OK!」って返ってきて。 -
軽くない!? メジャーデビュー作ですよ。
-
Mamiko
意味も聞かずに、いいんじゃないすか、パワーって。あはははは。 -
Rachel
マミちゃんはお笑い好きなんですよ。 -
Mamiko
ラジオ好きなんです。おぎやはぎ、バナナマン、アルピー、ハライチ……。 -
Rachel
で、きんに君のハマってるのは知ってたから。 -
Mamiko
なかやまきんに君と何かしら一緒にやりたいって思ってて。当時、ラジオをやってた時に、ゲストに来て欲しいですって言ってて。そしたら、最終回に、ラジオなのに、動画メッセージをくれて。そこもまたいいんですけど。 -
Rachel
そこでまた大好きになってね。 -
Mamiko
だから、『POWER』は全然OK。しかも、今回、コラボもさせてもらって。 -
Rachel
結果的に、本当にパワーがついたし、インパクトのあるいいタイトルになったと思います。 -
アルバムジャケットでは冬服を着てるのはどうしてですか?
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Rachel
夏にファーを着るのが一番の贅沢だな、セレブっぽいなって思って。前からやりたかったことを実現したのと、犬はまみちゃんが犬好きだから。 -
Mamiko
犬チャンスはずっと狙ってたんですよ。アー写かジャケ写で囲まれたいなって。 -
これも夢が叶った1つなんですね。「Highlight」には、<犬派?猫派?>っていうリリックもあるし、犬の鳴き声のマネも入ってたりして。「OK, Cheers!」のPVでは犬が踊ってますしね(笑)。
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Mamiko
すごい犬好きのイメージつくね。 -
Rachel
犬、好きだからいいんじゃない。人の犬とか盗撮してるもん。 -
Mamiko
あはははは。「こんにちわ~」って飼い主の人に挨拶しながら、パシャって。 -
Rachel
信号の向こうで待ってる犬とか隠し撮りしてるよ。どうすんの?それって。 -
Mamiko
集めてるんですよ。どんな犬でも、どんな猫でもなんでも撮る。なぜなら可愛いから! -
アルムが完成して、どんな感想を持ちました?
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Mamiko
いや~、よくやったよ! -
Rachel
本当偉い。自分を褒めたい。 -
Mamiko
頑張ったよね。でも、もっと聴きたいと思った。 -
今後はどう考えてますか?
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Mamiko
なんも考えてない。でも、曲作りたいね~。 -
Rachel
作ってないと何にもしてない感じ。作ってないと鬱になっちゃうんだよね。なんで生きてるんだろうっていう感じになってきちゃう。 -
Mamiko
でけえな、話が(笑)。 -
Rachel
暇すぎるとね。それがないと何もやることないんだよな、私。 -
最終的に何か目標はありますか?
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Mamiko
それ、こないだ決めたんだよね。「ない」って言おうって。 -
Rachel
いっそうのこと、言っちまったほうがいいって。 -
Mamiko
そう。なので、野望も願望もありません! -
Rachel
一生懸命に考えたんだけどね。「ない」って言い切ることにしました。以上、chelmicoでした~。アルバムは聴いてね。気さくだから、私たち(笑)。
【取材・文:永堀アツオ】
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