BiSの快進撃を象徴する、メジャー1stEP「ANTi CONFORMiST SUPERSTAR」

ゆびィンタビュー | 2020.08.19

 弱さや葛藤を剥きだしにした歌詞と、激しいロック・サウンド。BiSHなどが所属するWACKの中でも、渡辺淳之介が特に多くの楽曲の作詞を手がけているグループがBiSだ。2011年にデビューしたBiSは、渡辺淳之介が最初に手がけたアイドル・グループ。そのベンチャー・スピリットを強く継承しているのが、第3期となる現在のBiSだ。

 BiSのEP「ANTi CONFORMiST SUPERSTAR」は、MVのために101回もスタジオ・ライブを繰り返した「CURTAiN CALL」、佐渡島の青鬼と戦うMVの「I WANTO TO DiE!!!!!」などを収録。一方で、7曲中4曲に「死」という言葉が出てくる。ユーモアとシリアスさをともに抱えながら、泥まみれで突き進むBiSに話を聞いた。

PROFILE

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BiS


日本のアイドル・グループ。名前は“Brand-new idol Society(新生アイドル研究会)”に由来。2010年11月より始動し、2012年にシングル「PPCC」でメジャー・デビュー。“全裸PV”やコシノジュンコ加入などで注目を浴びるが、2014年7月に解散。2016年7月に再始動。メンバートレードやシャッフルユニットなどを経て、2018年に再メジャー・デビュー。2チーム体制〈BiS.LEAGUE〉期、2019年5月の解散を経て、同年に“第3期”へ突入。2020年にメジャー2ndアルバム『LOOKiE』、1st EP『ANTi CONFORMiST SUPERSTAR』をリリース。

  • 8月1日にパシフィコ横浜で開催された無観客配信ライブ「WACK FUCKiN’SORRY PARTY」では歌が素晴らしかったです。オフの日でも歌い続けているんですか?
  • イトー

    毎日は歌っていないです。昔からそうなんですけど、やり過ぎると逆に変な癖がついちゃって。曲を聴き続けて音を覚えるようにしていました。なので、本番ではのびのびと歌えました。
  • チャントモンキー

    私も歌っていないですね。昼間とか家でちょっと歌うくらいで。
    ライブはめちゃくちゃ楽しかったです。でも、上に音を外す癖に最近気づいて、それは意識していたのでちょっと直せたと思います。
  • トギー

    私はバンバン歌っています。でも、思いっきり歌えるのはライブだけなので最高ですね。マイクを使って大音量で歌えるのは楽しいです。
  • ネオ

    私は歌っていないです。ライブはめちゃくちゃ楽しかったです。ほぼそれを楽しみに生きているようなものなので。
  • そして、今度リリースされる「ANTi COMFORMiST SUPERSTAR」のうち、MVが最初に公開された「CURTAiN CALL」は、撮影のために約5時間で101回も歌ったんですよね。どんな精神状態になりましたか?
  • イトー

    最初は100回って聞いていて、もう1回あることは知らなくて。
  • トギー

    「カット!」がなくて「もしかして……」みたいな。90回目からカンペが出てて、「Zepp Tokyo」「横アリ」とか。100回目が「武道館」で、そこで終わったと思ったら、101回目が「解散ライブ」で。ティ部が怒ったんだよね。
  • イトー

    「解散しねえよ! 死ねよ!」みたいな気持ちであの顔になっちゃって(笑)。カンペに書かれた会場のステージを想像するのは楽しかったけど、解散ライブとか考えたくなくて、何も楽しくなくなりました。
  • 101回目が終わってみんな床に倒れこんだとき、トギーさんは泣いていたんですか?
  • トギー

    初めて過呼吸になっちゃって。普通に息を吐いたら治りました。
  • 解散ライブのことを考えて気持ちが高ぶったんでしょうか?
  • トギー

    エナジードリンクを大量に飲んだら、始まる前から動悸がすごくて。「私、今日死ぬ」と思いました。
  • 飲みすぎですよ!
  • ネオ

    「終わった……できた、できるんだ」って心の中ですごいスッキリしました。死にはしないだろう、くらいに思っていたんですけど、けっこう死にそうでした、喉がカラカラで。
  • チャントモンキー

    達成感はあったんですけど、苦しすぎて。「まだ足りないよ」って歌詞なのに、「もういいよ、本当にもう無理」って感じで(笑)。
  • チャントモンキー

  • あはは。「I WANT TO DiE!!!!!」では、「死は安らぎ? / 違うと思う最近」と歌っていますよね。現在のBiSは、渡辺淳之介さんや松隈ケンタさんの内面の投影になっている部分もあると思います。EPでは「IT’S TOO LATE」をチャントモンキーさんが作詞した以外は、基本的に渡辺淳之介さんの作詞です。なぜだと思いますか?
  • トギー

    一応歌詞はコンペ式で全員書いたんですけど、「かっこつけないで、もっと本音で書いてほしい」って言われて。渡辺さんは自分の弱いところを出しまくりの歌詞で、それがめちゃくちゃ共感できるし、救われる人もいる。
  • イトー

    「BiS=渡辺さん」だからかな。自分で作ったし、「人生」って言ってたから。「BiSで武道館に立ちたい」って言っていたし、本気を出したいグループではあるんだろうな。私たちだからというより、BiSだからというのが大前提としてあると思うんですよね。
  • トギー

    思い入れがあって書いてくれているんだったら……大好き。
  • イトー

    「こいつらに曲をあげたくねえ」って思われていたら、絶対に書いてもらえない。
  • WACKオーディションがあっても結局4人のままだし、「この4人に歌わせたいんだな」っていうのは感じますね。
  • ネオ

    プレッシャーでもあるけど、もっとがんばって恩返ししなきゃいけない。
  • トギー

    24時間イベント(2019年12月28日~29日『Let’s have a 24 hour BiS’s party』)のときに「こんなにいっぱい歌詞を書いてるのはBiSだけだよ」って言われて。だけどそこに甘えてはいられないので、もっとがんばります。
  • チャントモンキー

    私も、インスタライブで渡辺さんと話したときに同じようなことを言われて。歌詞だけじゃなくて、プロモーションとかもすごい考えてくださっているから、自分ももっとがんばって応えないと。
  • そんなBiSは、WACKの中ではどんなポジションだと思いますか?
  • イトー

    イメージがあまりない、色がないというか、特に決めてやっていることがない。目の前のことにぶつかっていくみたいな。でも、私たちはそれがかっこいいと思っている。かっこよく見えるかはわからないけど、本気を出さなきゃ、って。活動の中でも日常生活でも、「これくらいは大丈夫なんじゃないか」って手を抜いちゃうところがあると思うんですよ。でも、渡辺さんや他のメンバーが常に誰かしら絶対にがんばっていて。それを見ると「はっ……!」って。常に追いつかなきゃいけないと思わせられます。
  • チャントモンキー

    自分たちのポジション……難しいですね。子供。
  • イトー

    ただの下っ端だもんね。なんか背が小さい。ちんちくりん。
  • ネオ

    がむしゃらにやってる子供達みたいな(笑)。
  • あはは。「I WANT TO DiE!!!!!」のMVも、顔芸グループみたいになっていますよね。「WACK FUCKiN’SORRY PARTY」でも、イトーさんがずっと変顔をしていました。
  • イトー

    すごくありがたかったです、おいしい。渡辺さんに「イトー、お前映らなかったらクビだからな。変顔しろよ、変顔!」って言われて、軽くやってみたら「おめえ、そんなんでいいと思ってんの?」って言われて(笑)。
  • イトー

  • でも、MVやビジュアルには常にユーモアがあるのに、今回のEPでは「死」という言葉が7曲中4曲に出てくるじゃないですか。なんででしょうね?
  • チャントモンキー

    「死」というワードを使うことで、人間味を感じるというか……。
  • イトー

    いつも極限だからね。
  • トギー

    いつ死んでもいいくらいやっている。
  • イトー

    あ、BiSの立ち位置、一個あった、NGがない。全裸でやってもいいくらいの気持ち(笑)。
  • 今のご時世では難しい(笑)。自分の人生、BiSに賭けている気はしますか?
  • トギー

    はい、全然いつでも死にます。私が倒れるときは、がんばりすぎて心臓が止まるんだろうな。
  • 死なないでください! ネオさんはなぜこんなに「死」というワードが出てくると思います?
  • ネオ

    ……死にたいのかな、渡辺さん。こういう感情って、思っていないと実際に書けないじゃないですか。だから本当はそういう風に思ってるのかな。渡辺さんもいろいろあるじゃないですか、表では強く見せているけど、本当はすごく悩んでいたり、いろんな気持ちがあるんだろうな、って。
  • イトー

    確かに。がんばっていないと書けない歌詞ではある。渡辺さん、めちゃくちゃ仕事をしているけど、それでも報われないことや叶わないこともたくさんある。どんなに自分ががんばっても報われないことが増えてきたら、私だったら「死にたい」って思っちゃう。「死」って、言葉やニュースとかで見ないと意識しない言葉じゃないですか。でも、曲で聴くとすごいスッと入ってくるというか、意識が近づいていく。でも、「死にたくない」って思う感じがある。
  • 2月3日の恵比寿LIQUIDROOMでのワンマンライブで「武道館に行く」と宣言したから死ねないですね。あの日からメンバーも研究員(BiSファンの総称)も、常に武道館を意識していると思いますが、日々、今後のためにどんなことを考えていますか?
  • トギー

    目の前のことを全力でがむしゃらにやり続けること。けっこう難しいけど、いつか良い方向に行くと思いながらやっています。
  • チャントモンキー

    お客さんがいるライブをやっているときの想像がつかなくなってしまった……。
  • トギー

    半年やっていないからね。
  • チャントモンキー

    この間のパシフィコでも空っぽの客席を見てすごい悲しくなっちゃって。
  • イトー

    きっと離れちゃった人もいると思うし、SNSを見るだけでは増えた人がいるのかもわからなくて。次、今まで見てきた景色と違うんじゃないのかな?
  • トギー

    まぁ、減ったら増やします。
  • ネオ

    ライブができたら、またどんどん増やすよね。
  • トギー

    ライブを見てもらうしかないから今は難しいかもしれないけど、WACKが好きな人には配信を見てもらったり。「I WANT TO DiE!!!!!」のMVでは、佐渡出身の人に少し知ってもらえたので、そういうところで少しずつ広がっていってほしいです。
  • イトー

    良い評価をされることに満足しないようにしたいですね。
  • トギー

    褒められてもいまだに「いやぁ……」ってなります。だって、認めちゃったら成長できなくなる。それが一番怖い。常に上を見てやっていかなきゃいけないと思います。

【取材・文:宗像明将】

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リリース情報

ANTi CONFORMiST SUPERSTAR

ANTi CONFORMiST SUPERSTAR

2020年08月19日

日本クラウン

01.DESTROY
02.イミテーションセンセーション
03.DiRTY and BEAUTY
04.IT’S TOO LATE
05.I WANTO TO DiE!!!!!
06.GETTiNG LOST
07.CURTAiN CALL

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