テーマ「今のK-POPを知るための5曲」(坂本ゆかり 選曲)

おうちで音楽を楽しもう | 2020.09.11

2020年9月11日 UPDATE

坂本ゆかり 選曲
テーマ「今のK-POPを知るための5曲」

 9月1日に発表された米ビルボートのシングルチャート「HOT100」で、BTSの新曲「Dynamite」が1位になった。今や「21世紀のビートルズ」と評される彼らは、もはやK-POPというカテゴリーで語れない存在になっている。
 K-POPの世界進出が進む中、NiziUのように日本人でありながらK-POPというフォーマットで世界を目指すグループも誕生している。K-POPの現状をおさらいしてみよう。

BTS「Dynamite」

 BTSが彼らにとって初の英語詞曲「Dynamite」で、米ビルボード「HOT100」シングルチャート初登場1位を獲得した。アルバムチャートでは2018年の『LOVE YOURSELF 轉 ’Tear’』以降4作連続で1位になっているが、メインとなるシングルチャートの1位は初。しかも、アジア出身の非英語圏歌手としては坂本九の「上を向いて歩こう(SUKIYAKI)」以来、57年ぶりの快挙だ。
 欧米圏のボーイズグループにはない、K-POP特有のフォーメーションを用いたダンスパフォーマンスで注目されたBTSは、YouTubeやSNSで人気を高めていき、2017年に「ビルボード・ミュージック・アワード」でトップソーシャルアーティスト賞を受賞。以降、ターゲットを本格的に世界にシフトし、ザ・チェインスモーカーズ、スティーブ・アオキ、ホールジー、エド・シーラン、シーアなど、世界的なアーティストと積極的にコラボを行い認知を高め、英ウェンブリー・スタジアム、米ローズボールスタジアムで公演を行うまでとなり、英BBCに「21世紀のビートルズ」と評された。
 7月リリースの日本オリジナル曲「Stay Gold」も日本語曲だというのにビルボードワールドデジタルソングセールスチャートで2位に入った。何を出しても売れる状況の中、満を持してアメリカで人気のディスコポップ曲と英語詞で勝負をかけた楽曲が「Dynamite」。もはやK-POPの枠を超えた存在に。

BLACKPINK「Ice Cream (with Selena Gomez)」

 BTS同様、アメリカでの活躍が注目されているガールズグループが、BLACKPINKだ。8月にリリースした新曲「Ice Cream」はセレーナ・ゴメスとのコラボ曲で、ミュージックビデオは公開からわずか1日半で再生回数1億回を突破。YouTubeチャンネル登録者数は4710万人(2020/09/06現在)にのぼり、アーティストとしてはエド・シーランを抜いて世界3位に躍り出た。
 特に彼女たちの武器となっているのがYouTubeだ。サウンドメイク自体は、デビュー時から欧米を意識したものであったが、そこに彼女たちの「ビジュアルのよさ」が加わり数字を伸ばしていった。さらにセレーナ・ゴメスしかり、レディー・ガガ、デュア・リパなど女性ファンの多い世界的女性アーティストとのコラボも人気を後押し。彼女たちの英語力も大きなアドバンテージとなり、昨年は米コーチェラ・フェスティバルにも参加し、会場を沸かせた。BTSに続き、アメリカでの成功がもっとも近いK-POPグループがBLACKPINKなのではないだろうか。

SEVENTEEN「Left & Right」

 BTSとBLACKPINKは、世界進出に向けて欧米のマーケットにサウンドを寄せていった例だが、群舞とキャッチーなサウンドというK-POPらしさで日本で大ブレイクしているのが、SEVENTEENだ。
 コロナ禍で中止になってしまったが、5月から全8公演のドームツアーを予定しており、実施されていれば35万人を動員していた。しかも彼らはメジャーレコード会社とは契約しておらず、いわゆるインディーズからのリリースでありながら、4月にリリースした日本オリジナル曲「舞い落ちる花びら (Fallin’ Flower)」は35万枚以上を売り上げ、オリコン1位を獲得している。
 13人という大所帯には、ボーカル、パフォーマンス、ヒップホップという3つのチームがあり、楽曲制作、振付、コンサート演出までメンバーによるセルフプロデュースで行う「自作アイドル」というのが特徴。わかりやすいポイントダンスや印象に残るフックソングという、王道のK-POPの手法を武器に、2021年の日本活動でどこまで大きくなるか、そしてその先にどこを目指すのかが楽しみなグループだ。

NiziU「Make you happy」

 K-POPなのか、J-POPなのか、当たり前のようにK-POPを聴いている10代には、もはやそんなカテゴリーは不要なのかもしれない。
 TWICEを擁する韓国のJYPエンターテインメントと日本のソニーミュージックが開催したグローバルオーディション「Nizi Project」で、1万人の中から選ばれた9人がNiziU。日本8都市とLA、ハワイで予選を開催。このオーディションの模様は朝の情報番組「スッキリ」(日本テレビ)でも放送され、過酷なサバイバルの中で頑張り涙を見せる彼女たちの姿に加えて、プロデューサーJ.Y. Parkの愛のあるダメ出しの言葉が主婦やビジネスパーソンといったK-POPに興味のない層にまで刺さり、彼女たちのデビューを見守った。
 NiziUのメンバーは全員日本人。6月に公開されたプレデビュー曲「Make you happy」も日本語楽曲だ。日本語曲にもかかわらず、YouTube再生回数は2ヶ月で1億回を突破。日本だけでなく全世界のK-POPファンが11月のデビューを待ち望んでいる。韓国の事務所に所属し、K-POPの手法を用いて日本から世界を目指すグループとなる。

JO1「OH-EH-OH」

 NiziUがJYPエンターテインメントというK-POPのフォーマットから生み出されたグループならば、JO1は、韓国で社会現象を巻き起こした『PRODUCE 101』というサバイバルオーディションプログラムのフォーマットを日本で用いて生み出されたグループだ。
 国民プロデューサーという一般視聴者の投票で101人の中から11人のデビューメンバーが決まる『PRODUCE 101』。デビュー経験者からまったくの未経験者まで、玉石混交の中から厳しい課題をクリアし生き残っていく様子は、甲子園での高校野球を見ている感覚。長い密着で出演者たちの個性が見えてくるのも魅力だ。視聴者の投票が生き残りを左右することで応援の熱はどんどん高まり、デビューメンバーが決まるころにはメンバーごとに強靭なファンダムが出来上がっている。韓国では『PRODUCE 101』で誕生したグループ、I.O.I、Wanna One、IZ*ONE、X1が既存のK-POP界の勢力地図を変えるほどの人気を得た。
 このシステムを吉本興業が日本に持ち込み、『PRODUCE 101 JAPAN』を開催。6千人の応募者の中から選ばれた11人がJO1だ。オーディションシステムだけでなく、吉本興業は韓国の『PRODUCE 101』権利元と合弁会社を作りマネージメント、制作も行っている。JO1もメンバー全員が日本人だが、NiziU同様、楽曲や振付を韓国の第一線のクリエイターが手掛けているK-POPメイド。この2ndシングル「OH-EH-OH」は、K-POPグループPENTAGONのフイの楽曲。特徴的なポイント振付とキャッチ―な楽曲で、発売初週に31万枚以上を売り上げオリコン1位を獲得している。JO1も目指すのは「世界」。今後の展開が気になるグループだ。

(プロフィール)
坂本ゆかり
レコード会社の制作・宣伝、Webメディアの編集長を経てライターに。女性誌、Webなどで主にアーティストのインタビューを担当。K-POPと人数多いグループの取材が多い。早く韓国に行きたいです。
https://twitter.com/skmt_0127

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