テーマ「“日本のボーイズグループもかっこいいじゃん!と本気で思える”5曲」(坂井彩花 選曲)

おうちで音楽を楽しもう | 2020.12.11

2020年12月11日 UPDATE

坂井彩花 選曲
テーマ「“日本のボーイズグループもかっこいいじゃん!と本気で思える”5曲」

 日本って、まだまだボーイズグループに対する偏見が強いと思うんですよ。「急に何?」って思うかもしれないんですけど。韓国のボーイズグループは聴くけど、日本人だったら聴かないな……とかありません? いやいやいや、侮ることなかれと。日本にもね、歌も踊りもできるし、曲もかっこいい男の子たちがいるのです。ということで! 観てよし、聴いてよしのオススメ曲をピックアップしていこうと思います!

JO1「So What」

 現在のボーイズグループシーンを語るうえで、すでに無視できない存在のJO1。デビューから1年も経っていないにもかかわらず、圧倒的なパフォーミングスキルは他のアーティストに勝るとも劣らない。歌に関しては河野純喜や與那城奨を中心に、着々と上達を進めています。大人数のグループだとセンター+バックダンサーという図式になってしまいがちだけど、11人全員が主役を張れる魅力を持っているのも特徴のひとつ。
 彼らの曲には「無限大(INFINITY)」や「Shine A Light」「OH-EH-OH」など、日本人が好きそうな曲もたくさん! しかし、今回はあえて「So What」を推したい。海外よりの挑戦的なサウンドにHIP HOPやR&B、トラップを組み合わせたビートが最高にクールなんですよ……。また、日本で音楽をやっていくとなると、AメロBメロサビというJ-POPのお作法に乗ってしまいがちになるけど、この曲はそういった定型に縛られることもない。世界を見据えたうえで、いずれもっと評価される1曲だと思うのです。

ONE N’ ONLY「Shut Up! BREAKER」

 2020年、「猫」により一気に知名度をあげたDISH//の弟分であるONE N’ ONLY。さとり少年団とEBiSSHのメンバーが合体して生まれたユニットでもあります。
 この曲は、今年の4月にリリースされた1stアルバム『ON’O』のリードトラックで、“指殺人”を題材として作られたもの。アイドルグループというと“キラキラと夢や希望を歌う”ってイメージが強いかもしれませんが、ONE N’ ONLYはバシバシに現実も歌っていきます。<意味のない魔女狩りなど「そりゃ飽きた」と 言うくせに否定ばかり終いには人を愛するふり?><隠れなきゃ出来ない誹謗中傷huh! 「強気になってんじゃねえよ」>とか、めっちゃ痺れません? 指殺人によりたくさんの人が追い詰められていった2020年、何度このフレーズを思い出したかわからない。パフォーマンスもレベルが高く、常に歌いっぱなし踊りっぱなし! Practice動画も見てもらうと、より彼らのすごさが伝わるはず。

Snow Man「君の彼氏になりたい。」

 ジャニーズと聞くとザ・アイドルのイメージが強いかもしれませんが、昨今のグループはちょっと違う。デビュー前から“職人集団”と呼ばれパフォーマンス力に定評のあるSnow Manは、その筆頭と言ってもいいのではないでしょうか。舞台で培った“魅せる力”を持つダンスは、一度目にすると惹きつけられてしまうこと間違いなし!
 Snow Manの楽曲は、デビュー曲の「D.D.」や「Crazy F-R-E-S-H Beats」などEDMを基調としたダンサブルなものが多く、歌詞も英語が多い。しかし、今回は「君の彼氏になりたい。」をチョイスしてみました。この曲は、WHITE JAMのSHIROSEが作詞を手掛けており、日本語で綴られる恋愛模様が特徴。<君のガラスの靴 ぬがせるのは俺?>など生々しさが伝わってくるSHIROSE節は、架空の王子様になりがちなアイドルを実像のある一人の男性として認識させる。「もっとこういう曲が増えていくのかな~」とワクワクするナンバーだと思うのです。

Da-iCE「FAKE ME FAKE ME OUT」

 今でこそ「ONE PIECE」の主題歌を担当しているDa-iCEですが、実はライブハウスからのたたき上げ。泥臭くコツコツとパフォーマンスを磨き続けてきた実績があります。息のあったダンスは年々難易度が増し、4オクターブのツインボーカルもよりパワーアップ! 最近では作詞・作曲にメンバーが関わることも増えてきて、個々のエッセンスがさらに作品へ注がれるようになりました。
 と言いつつも、今回紹介する「FAKE ME FAKE ME OUT」はOfficial髭男dismの藤原聡が作詞・作曲を手掛けた1曲。もう文句なしにかっこいい!! 海外の流行を取りこんでポップスとして昇華するのは髭男の真骨頂ですが、この曲もまさしくそれなのです。HIP HOPやファンク、ジャズなどの要素を組み合わせながら、色っぽい日本語歌詞で紡ぎあげていく。歌唱力があるDa-iCEだからこそ、踊りでも魅せられるDa-iCEだからこそ、楽曲の良さに負けることなく表現しきれているよな……と。来年には活動10周年を迎えるし、さらなる良曲に期待です!

w-inds.「Beautiful Now」

 男性ダンス&ボーカルグループが、今よりもずーっと肩身が狭い時代から、コツコツと音楽を続けてきたw-inds。10代でキャリアをスタートさせた彼らも今や30代半ばとなり、今年には活動20周年を迎えました。最初こそ“歌って踊るグループ”でしたが、今では作詞・作曲を始めレコーディングやマスタリングまで、セルフプロデュースで行えるグループに成長。音楽性も常にブラッシュアップされていくし、“進化をやめない”ってこういうことだと思わせられるのです。
 ピックアップした「Beautiful Now」は、緒方龍一が脱退し2人組として活動を始めた新しいw-inds.の幕開けとなる曲。多くの人にとって困惑の年だった2020年に<We’re beautiful now>と歌える強さですよ……。爽やかなEDMサウンドは心地よく体を揺らすことも、歌詞にゆったりと耳を澄ますこともできる。千葉涼平がコーラス的立ち位置ではなく、橘慶太と共に堂々たるボーカルをしているのも聴きどころです。

(プロフィール)
坂井彩花
ライブハウスのスタッフ、楽器屋のお姉さんを経てライターになりました。ピカチュウとしんちゃんとおジャ魔女どれみが好き。最近はボーイズグループに熱をあげています。「だから私はメイクする」の北郷さんになるのが当面の目標。
https://twitter.com/ayach___

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