「のうみそGOODハッピーな5曲」(ふくりゅう(音楽コンシェルジュ) 選曲)

おうちで音楽を楽しもう | 2020.06.12

2020年6月12日 UPDATE

ふくりゅう(音楽コンシェルジュ) 選曲
テーマ「のうみそGOODハッピーな5曲」

 こどもの頃からずっと聴き続けている5曲。1984年を軸に、その前後に生み出された作品に特別な想いを感じているようです。いつでもフラットな気持ちにしてくれるナンバーであり、“のうみそGOODハッピー”なテンションにチューニングしてくれる音楽です。選曲を担当しているSpotify公式プレイリスト『キラキラポップ:ジャパン』のコンセプト&ルーツな曲かもしれませぬ。より複雑化していく世界に、平和が訪れることを願いながら。

Cyndi Lauper「The Goonies ’R’ Good Enough」

 映画『グーニーズ』(1985年)主題歌。リアルタイムで映画を観て、洋画体験とポップミュージック体験を一気に与えてくれた宝物のような本作。1986年にコナミからリリースされたファミコン・ソフト『グーニーズ』のBGMになった結果、当時のキッズは誰もが冒険気分で口ずさめる音楽となりました。好きすぎて、スタッフを担当したユニット・Sweet Vacationでカバーにもチャレンジ。8ビット風味なリミックスもいい感じでバズって楽しかった思い出が。

Limahl「Never Ending Story」

 映画『ネバーエンディング・ストーリー』(1984年)主題歌。原作を読む前にまず映画で体験しました。壮大なファンタジーワールドの映像美、現実と虚構が重なる展開にドキドキしたものです。本作はフェードインではじまり、フェードアウトすることで“終わりがない”ことを伝えている楽曲構成も素晴らしいなと。作曲はテクノポップや、ディスコ・サウンドを牽引したジョルジオ・モロダー。坂本美雨による気品あるカバー・バージョンもめっちゃいいっす。

Mike Oldfield ft. Maggie Reilly「Moonlight Shadow」

 映画的でありプログレッシブでありアバンギャルドでありながらもポップな軸を持つ音楽家。作品ごとに方向性は異なるなか、もっともキャッチーでポップかつ普遍性を持つ楽曲が本作。奇術師ハリー・フーディーニの伝記映画『魔術の恋』(1953年)にインスパイアされたナンバー。殺された恋人にいつか天国で会えることを祈るというテーマが、一聴しただけで耳に残る中毒性高いメロディと溶け合い、やさしくもせつない旋律が胸に突き刺さるのです。

The Police「Synchronicity II」

 病んだ現代社会に絶望しながらシャウトするスティング、サマーズによる叫びのギター、コープランドが刻むタイトなドラム。微かな希望に想いをよせるSF映画のような世界観。そんな世界がまさかの現実となった2020年。この曲が持つメッセージ“意味のある偶然の一致”には心が揺さぶられます。なお、本作はスイスの心理学者ユングが提唱した“Synchronizitat”の概念や、アイルランドの詩人ウィリアム・バトラー・イェイツからの影響が大きいそうです。

Kate Bush「Cloudbusting」

 好きになったきっかけは布袋寅泰や氷室京介、YOSHIKIやSUGIZOがフェイバリットとして紹介していたから。映像が浮かび、声が、メッセージが突き刺さる究極の表現者ですね。本作は、ピーター・ライヒの実父、精神分析家ヴィルヘルム・ライヒについて書いた書籍『A Book of Dreams』(1973年)にインスパイアされて生み出されたナンバー。MV監督はテリー・ギリアム。クラウドバスターによって雨を降らせるせつなき物語。音楽が心に染み渡るのです。

(プロフィール)
ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)
時代性を反映し、新たなテクノロジーによって生み出される革新的なポップアートが好物。ワクワク・ドキドキしたいじゃない。STAY HOMEなこの春は、Netflixで韓国ドラマ『梨泰院クラス』、『愛の不時着』に激ハマり。世界クオリティーにアップデートされていたのが印象的。まさかの、スンドゥブチゲとチャミスルが好き過ぎる2020年に。
https://twitter.com/fukuryu_76

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