「在宅ストレスをぶっ飛ばせ! おうちでテンション上がる5曲」(フジジュン 選曲)
おうちで音楽を楽しもう | 2020.05.15
2020年5月15日 UPDATE
フジジュン 選曲
テーマ「在宅ストレスをぶっ飛ばせ! おうちでテンション上がる5曲」
“STAY HOME”と緊急事態宣言が発令されて、1日のほとんどを家で過ごしている昨今。外に出る用事も減り、大好きなライブハウスにも行けず、イライラしてるのは僕だけじゃないと思いますが。そんな人のために「在宅ストレスをぶっ飛ばせ! おうちでテンション上がる5曲」をセレクト。家にいる時間が増えた僕がいちばん最初にやったことは、仕事部屋のPCにスピーカーを設置して、大音量で音楽や動画を楽しめる環境を作ったことでした。無くても死なないけど、あれば心を豊かにしてくれるのが音楽とエンターテインメント。お母さんに怒られるくらい大音量で音楽鳴らして、テンション上げてけ!
BAD HOP「Hood Gospel feat. T-Pablow, Bark & YZERR」
正体不明のウイルスの登場で取材の予定やライブイベントが続々と中止や延期になって、先の見えない不安にガックシ肩を落としてたあの時期。「落ち込んでる場合じゃねぇぞ!」とケツを叩いてくれたのが、3月1日に行われた「『BAD HOP WORLD 2020』IN 横浜アリーナ 無観客生配信ライブ」と、BAD HOPのその一連の行動だった。1億円の負債を承知して、公演中止となった横浜アリーナでの無観客ライブを生配信した彼ら。堂々とした勇ましいステージングは最高にテンション上がったし、力と希望を与えてくれた。さらにその漢気溢れる挑戦を支援すべく、スタッフによるクラウドファンディングがスタートすると、現在制作中の最新アルバムやDVD、ライブ招待など金額以上のリターンで支援者へ恩返し。んもう、やることがいちいちかっこいい! 紹介する曲は3月26日にYouTubeでMVが公開された、最新アルバム収録曲。<地位や名声手にするのがゴールではなくて/次に繋ぐ事が俺達の役目>と自分たちの信念や使命や在り方を綴ったリリックを言葉だけでなくしっかり体現する彼らに、“やっぱ不良は信用できる!”と感動してしまった。
Hi-STANDARD「We’re All Grown Up」
最近、僕のテンションをブチ上げてくれてるのは、4月22日にリリースされたHi-STANDARDのDVD『SOUNDS LIKE SHIT : the story of Hi-STANDARD』。2018年に公開された同タイトルのドキュメンタリー映画に、ボーナスディスクとして23年ぶりの映像作品シリーズ『ATTACK FROM THE FAR EAST 3』が付いた豪華すぎる今作。結成時から現在までハイスタの歴史を綴った今作を観ながら、ライブ映像に熱くなってひとりで拳上げたり、自分の思い出と重ね合わせてセンチになったり、大興奮しながら部屋でDVD鑑賞を楽しんでますが。何より最高なのが、ハイスタのバンドヒストリーが現在進行形だということ。『SOUNDS LIKE SHIT』の映像とともにYouTubeの公式チャンネルで公開中の「We’re All Grown Up」で、<Time flies. now we’re all grown up(時が経ってオレたちは大人になってしまった)>と歌う彼ら。過去映像を観てノスタルジーに浸るだけでなく、ハイスタの今の言葉やサウンドを受け取ってともに愛を叫び、まだまだ続く人生を前を向いて歩けることが本当にうれしい。
SiM「Devil in Your Heart」
『THE BEAUTiFUL PEOPLE』以来、実に4年ぶりとなるフルアルバムを完成させたSiM。印刷上のトラブルで発売延期となってしまい、発売が待ち遠しくて仕方ない人も多いだろうが。『THANK GOD, THERE ARE HUNDREDS OF WAYS TO KiLL ENEMiES』の長いタイトルどおり、彼らのルーツやこれまでの活動から得た武器や凶器を駆使して、様々な表現やアプローチで俺たちを殺りに来てくれることは、先行配信されている新曲たちからも想像できるはず。なかでもすでにライブで披露されており、MVも配信されている「Devil in Your Heart」は、「こんな曲を待ってた!」とファンを歓喜させる完全ライブ仕様のナンバー。悪魔を召還する呪いの呪文に始まり、痛快なスカビートに乗せた邪悪サウンド、悪魔に乗っ取られたように心を全開放してくれるサビと、全乗せマシマシの楽曲がテンションをブチアゲてくれる。残念ながらツアーや『DEAD POP FESTiVAL』は延期&中止になってしまったが、この曲で大暴れできる日を心待ちにしながら、部屋で呪文を唱えてツーステップ踏もう!
DJ OZMA「珍魂歌」
不要不急の外出を控える緊急事態宣言が発令されて、世間の自粛ムードが漂い始めたとき、ふと思い出したのがこの曲。2011年末、2008年に引退していたDJ OZMAが3年ぶりの復活を果たし、氣志團のデビュー10周年記念シングル「MY WAY」に対抗する形で発表した「珍魂歌」。あの頃、同年に起きた東日本大震災の自粛ムードに<関係ないから 関係ないから>とOZMA流のエールを送り、<今こそ酒を回せ>とバカポジティブに歌い踊る姿に「バッカじゃないの!?」と思いながらすごい元気を貰ったのを覚えてる。もちろん、今はじっと辛抱の時で、「関係ないから」と酒を回すわけにはいかないけど。家でひとり悩んで憂鬱になるくらいなら、バカ明るい曲聴いてポジティブでいるほうがよっぽど健全! 日常が戻って友人たちとバカ騒ぎできる日を心待ちにしながら、気持ちだけは明るく楽しく過ごしましょう。今こそバカポジティブに!
サンボマスター「ロックンロール イズ ノットデッド」
家でたくさんの時間を過ごすようになってからいちばん聴いてるアルバムが、サンボマスター結成20周年を記念して3月にリリースされた『サンボマスター究極トリビュート ラブ フロム ナカマ』。ジャンルの枠を超えた超豪華ラインナップによる全12曲、様々な解釈やアプローチで聴かせる各アーティストのカバーがどれも素晴らしく、飽きることなく繰り返し聴いてるのですが。他のアーティストが歌うことで改めて曲の良さに気付き、今の気持ちにバシッとハマったのが、1曲目のSUPER BEAVER「ロックンロール イズ ノットデッド」でした。サンボマスターの原曲は2012年発表。ジャカジャ~ンと鳴らすギター1発でテンションが上がるが、<何度だって立ち上がるんだよ 君よもう悲しまないでくれ>といった力強い言葉たちは、握った拳にグッと力が入る。なぜ僕がサンボの曲が好きかというと、どんな悲しみも苦しみも受け止めて、すべてを肯定してくれる強さと優しさがあるから。そして、そんな強さと優しさを持つ音楽こそをロックンロールと呼ぶんだと思う。ロックンロール イズ くたばるものか、いつも心にロックンロールを!
(プロフィール)
フジジュン
1975年、長野県生まれ。『イカ天』でロックに目覚めて『宝島』を教科書に育った、自称・おもしろライター。メジャー、インディーズ問わず、邦楽ロックが得意分野。熱いバンドと笑いやバカの要素を含むバンドが大好物。