Editor’s Push 第3回
Editor’s Push | 2020.03.27
日々たくさんの音楽と触れ合っているFanplus Music編集部。
ここでは、編集スタッフがおススメしたい新譜作品をピックアップしてご紹介します。(毎月更新)
2020.03 LINE UP
ももすももす
『彗星吟遊』
『彗星吟遊』
ももすももす
『彗星吟遊』
『彗星吟遊』
メランコリック写楽時代にももすに出会って、「ももすももす」になって発表したバラード「Confession」の息づかいの虜になっていたなかで、待望の1stアルバム『彗星吟遊』が到着。楽曲ごとにアレンジャーは付いているが、全編彼女の作詞作曲。1曲目「火星よ、こんにちは」のずっしりとしたギターリフで始まる音楽の旅は、高低差のあるメロディで生活を共にする“君”との情景描写が光る「saboten」、春風にたゆたいながら儚い思い出について綴った「桜の刺繍」、「大好きな君と手を繋いでいるときに大きな隕石が落ちてきたら、君の最後の時間を独り占め」できるというなんともファンタジックな妄想の高ぶりのまま疾走する「隕石」、遠いところにいる大切な存在に思いを馳せるワルツ「ハネムーン」など12の物語を経由して帰路につく。彼女がまた妄想を膨らませてひょいっとどこかに姿を消してしまう前に、ぜひ触れてほしい初期ももすももすを総括するアルバム。(栄谷)
めいちゃん
『大迷惑』
『大迷惑』
アルバム
2020.03.04
ポニーキャニオン
2020.03.04
ポニーキャニオン
めいちゃん
『大迷惑』
『大迷惑』
2011年にニコニコ動画に歌ってみた動画を初投稿、2020年には活動10年目を迎え、Twitterフォロワーは14万人を突破する歌い手・めいちゃん。全曲オリジナルアルバムの今作は、自身作詞作曲の「ヴィクター」をはじめ、ツミキ、ナナホシ管弦楽団、蜂屋ななし等の作家陣が楽曲提供、さらにめいちゃんの熱烈なラブコールによりBRADIOとのコラボも実現。ジャンルにとらわれず、様々な楽曲を歌いこなすめいちゃんの歌唱力の高さを存分に堪能でき、さらに耳が至福過ぎてずっと聴いていたくて困ってしまうほど“大迷惑”で贅沢な1枚。(中川)
ENTH x SPARK!!SOUND!!SHOW!!
『#ワイタイスカッ』
『#ワイタイスカッ』
ミニアルバム
2020.03.04
TRUST RECORDS
2020.03.04
TRUST RECORDS
ENTH x SPARK!!SOUND!!SHOW!!
『#ワイタイスカッ』
『#ワイタイスカッ』
5曲ともエグいので全曲触れます。白虎隊(=「WHITE TIGER SQUAD」)の啖呵に始まりENTHのぶっといリフとスサシ由来のエフェクトが入り交じった化学反応のエモさに涙ちょちょぎれる「#ワイタイスカッ」、自由気ままに<ヤーヤーヤー>と爆走しながら“ごじら”にこれでもかと嫉妬心を抱く猫をコミカルに描いたENTH Feat.タナカユーキ「MAXX THE CAT a.k.a. lil white tiger」、脳天に突き刺さる4つ打ち重低音にENTHのキラーチューン「HANGOVER」のオマージュ「なーにもわかりませーん」の気だるさがマッチしたスサシ Feat.ダト「あいどんのう」、冒頭から怒号のような高速2ビートをお見舞いしてサビでは高音域を避けたシリアスな展開→終盤はBPMを落として痛烈に社会風刺するENTHの真骨頂「BLESS」、<北から南まで稲光がピカピカピカガーオ>のライムに始まりバッキバキのサウンドで新時代突入を宣言するスサシ『NU BLACK』の続編アンセム「NU ERA」。今最も勢いのある2バンドが骨の髄までさらけ出した頂上決戦的なスプリットアルバム。(栄谷)
FOUR GET ME A NOTS
『KEEP THE FLAME』
『KEEP THE FLAME』
アルバム
2020.03.04
KOGA RECORDS
2020.03.04
KOGA RECORDS
FOUR GET ME A NOTS
『KEEP THE FLAME』
『KEEP THE FLAME』
フォゲミのニューアルバム、ほんとに待った! 「Pike your shield」「Awakening」など、まさに我が青春をともに駆け抜けてきたバンドのひとつ、FOUR GET ME A NOTS。2018年にリリースされたシングル曲「Alive」「Treasure」「Smash」「Better place」がどれもほんとにツボで、がっちりと組まれたトライアングルで放射してくるフォゲミ節全開の仕上がりで胸躍らせていた――そんな4曲も収録されている約4年8ヵ月ぶり超待望の6thアルバム『KEEP THE FLAME』は、オープニングを飾るリード曲「Beautiful」のイントロが鳴った瞬間に勝負アリ。メロディアスなコーラスワークで感性のど真ん中に訴えかけるツインボーカルとベック氏の壮絶なドラミングで容赦なくたたみかけてくる。個人的イチオシは4曲目「A light in the darkness」、貪欲に新しいエッセンスを取り込もうとするバンドの意志が伝わるサウンドに、希望の光を探し求める歌詞が乗るフォゲミの新機軸。さて、フォゲミのライブスケジュール確認するか!(栄谷)
CUBERS
「WOW」
「WOW」
シングル
2020.03.04
キングレコード
2020.03.04
キングレコード
CUBERS
「WOW」
「WOW」
「友情・努力・音楽!」をキャッチフレーズに活動する5人組ボーイズユニット・CUBERS。今作には、女性目線の歌詞が印象的な春らしくキュートなポップソング「WOW」、Mellow Youthの石森龍乃介が作詞、伊佐奨が作曲を手がけた「Sweet Beat」、カップリングには末吉9太郎ソロ曲「顔面国宝!それなー」が収録されている。さらに、末吉9太郎盤には末吉のソロ2曲と、末吉が扮するキャラクター・よしえが推している架空のアイドルグループ、爽快パンチングラインの「爽快パンチ」が追加収録されているのだが、どれもクスッと笑ってしまう、癖になるトラックなので是非こちらも聴いてみてほしい。(編集部:M)
SASUKE
「Part.2」
「Part.2」
SASUKE
「Part.2」
「Part.2」
2歳でダンス、5歳で楽曲制作を始め、10歳でNY・アポロシアターの「アマチュアナイト」で優勝。作詞、作編曲、演奏、トラック制作、歌唱まですべてをこなし、各所で大きな反響と注目を浴びている16歳の天才トラックメイカー・SASUKE。
彼の2020年第一弾となる今作はPOPな曲調のバンドサウンドが特徴的。春らしく、次のステップに向かう人の背中を押してくれる前向きな歌詞にも注目です。MVでの、色々な楽器を演奏している姿も必見!(編集部:M)
彼の2020年第一弾となる今作はPOPな曲調のバンドサウンドが特徴的。春らしく、次のステップに向かう人の背中を押してくれる前向きな歌詞にも注目です。MVでの、色々な楽器を演奏している姿も必見!(編集部:M)
Who-ya Extended
「Synthetic Sympathy」
「Synthetic Sympathy」
Who-ya Extended
「Synthetic Sympathy」
「Synthetic Sympathy」
弱冠二十歳のボーカリストWho-ya(フーヤ)を中心としたクリエーターズユニット、Who-ya Extended(フーヤエクステンデッド)。2019年10月よりアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス 3』のオープニングに抜擢され、同年11月にメジャーデビュー。今作は、同じくアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス 3』の劇場版OPに決定した。キービジュアルのみの公開で未だ謎の多いアーティストだが、エレクトロでありながら有機的なハイトーンボイスは、違和感なく、いや、逆に人間味がないからこそ耳を澄まして細部まで聴きたくなる不思議な魅力を放ち、緻密かつ激しいサウンドは、まるで楽曲の世界観に引き込まれる感覚を覚える。アニメの疾走感やダークな部分にも寄り添い、シリーズで人気の作品を新しく彩る楽曲となっている。(中川)
Saucy Dog
「結」
「結」
Saucy Dog
「結」
「結」
Saucy Dogの真骨頂とも言える珠玉のミディアムナンバー。何気ない男女の日常を切り取った珠玉のラブソング「結」は、これまでのサウシーのラブソングに通じるリアルな感情やしぐさが、まるで自分の思い出のように目に浮かぶのはもちろんだが、今作は、それがさらに聴く人の心に刺さる楽曲になっている。それは、例えば彼らの名曲「いつか」や「コンタクトケース」では、大切な人を待つ立場だが、「結」ではこちらから歩み寄る気持ちが描かれているからだと思う。二人の大切だった時間を思い返して待つのではなく、これからもっと二人の大切な時間を作っていこうと自分から進んでいく――サウシーが多くのライブを通してリスナーとの信頼感を高め、より踏み込むことができたからこその楽曲ではないだろうか。(中川)
YAJICO GIRL
「セゾン」
「セゾン」
YAJICO GIRL
「セゾン」
「セゾン」
自身の活動スタンスを「Indoor Newtown Collective」と表現する、関西出身の5人編成バンド。先月には、その空気を纏いながら新しいヤジコの魅力が伝わる「街の中で」を配信リリースし、2ヵ月連続での配信リリースとなった今作。「セゾン(Saison)」は“季節”を意味し、3月の別れの季節の心情を歌った曲。そのテーマの反面、楽曲はかなりポップに振り切ったものとなっており、浮遊感のあるサビの<なにもない>のリフレインや、シンプルなベースライン、少し遠くで鳴っているような歪んだギターなど、80~90年代のポップさを感じさせながら、彼らの楽曲に特徴的な、日常に溶け込む音楽になっているのはさすが。別れの心情も、次へ進もうという原動力に繋がっているから、辛さではなく前向きな気持ちにさせてくれる。(中川)
FINLANDS
「まどか/HEAT」
「まどか/HEAT」
配信シングル
2020.03.29
LD&K
2020.03.29
LD&K
FINLANDS
「まどか/HEAT」
「まどか/HEAT」
昨年3月にベース・コシミズが脱退して以降も、大型フェスへの出演やライブ DVD のリリースなど止まることなく、よりその活動の幅を拡げてきたFINLANDS。約 1 年ぶりとなる新作「まどか」は、塩入冬湖(Vo/Gt)が描く至極のバラード曲。まるで今の世相を表すような、当たり前を願うこと、命の尊さが描かれている。シングルには、既にライブでオーディエンスを湧かせている「Heat」も収録。FINLANDSの全てのジャケット、ミュージックビデオを手がける大川直也氏のアートワークにも注目だ。(編集部:M)