Editor’s Push 第8回
Editor’s Push | 2020.08.28
日々たくさんの音楽と触れ合っているFanplus Music編集部。
ここでは、編集スタッフがおススメしたい新譜作品をピックアップしてご紹介します。(毎月更新)
2020.08 LINE UP
YAJICO GIRL |
Rin音 |
バックドロップシンデレラ |
クレナズム |
yama |
理芽 |
まちがいさがし |
ゆくえしれずつれづれ |
超能力戦士ドリアン |
yellow gang |
YAJICO GIRL
「WAV」
「WAV」
YAJICO GIRL
「WAV」
「WAV」
自身の活動スタンスを「Indoor Newtown Collective」と表現するYAJICO GIRLが、新曲「WAV」を配信リリース。コロナ禍の心境を綴ったというこの曲は、自粛期間中に感じた心の揺れ動きを”波”に例えてタイトルがつけられており、生活がデジタルに置き換えられていく中での漠然とした不安を歌っているという。音源はリモートでのレコーディングで完成させたとのことだが、便利になった一方で、浮かび上がる不安感、孤独感、そして便利な反面、実は脆いものだということが、メンバー完全セルフプロデュースのMVで表現されている。リモート会議などが当たり前になったが、見えない距離によって掴めない本質がありながらも、逆にデジタルの恩恵にも肖っているという矛盾は、まさに“波”のようだと思う。(中川)
Rin音
「夜明乃唄」
「夜明乃唄」
Rin音
「夜明乃唄」
「夜明乃唄」
オーディオブランド「Soundcore」が実施中のプロモーション「#夏の願い2020」のために特別に書き下ろされたオリジナル楽曲「夜明乃唄」。Rin音本人が作詞・作曲の両方に携わっており、会えない時間があるからこそ、大切な人と一緒に過ごす時間を大事にしたいというRin音のリアルな決意と、1日も早いコロナ禍の“夜明け”への願いが込められた楽曲だ。歌詞中に<サネカズラ>という花の名前が出てくるのだが、その花言葉は“再会”。言葉選びはもちろん、心地いいメロディと声に癒されて、心が穏やかになる1曲。(M)
バックドロップシンデレラ
「忍び足でウンザウンザを踊る」
「忍び足でウンザウンザを踊る」
シングル
2020.08.05
NaturalAfroRecord
2020.08.05
NaturalAfroRecord
バックドロップシンデレラ
「忍び足でウンザウンザを踊る」
「忍び足でウンザウンザを踊る」
<踊るヤツがエラいのだ>と歌い続け、奇天烈なライブパフォーマンスを武器に信者を獲得し続けているバックドロップシンデレラのニューシングル「忍び足でウンザウンザを踊る」。今回初のタイアップでいよいよお茶の間にバクシンの音楽が流れるんだから、そりゃもう「何かが変わりつ、つ、ある!」である。書き下ろしとあって歴代ウンザウンザシリーズの中でも異色の雰囲気が漂い<こっそり><ひっそり><ゆっくり><やっぱり>のライムが気持ちいい表題曲、ここに書くのもためらってしまうほど歌詞がぶっ飛んでいる(そういうところがぼくは大好きです)初期曲の再録「ピッチョン」、関係を断ち切った“煙”に思い焦がれるある種のラブソング「NO SMOKING ORCHESTRA」。来年は3度目のZepp Tokyoできるかな。(栄谷)
クレナズム
「ひとり残らず睨みつけて」
「ひとり残らず睨みつけて」
クレナズム
「ひとり残らず睨みつけて」
「ひとり残らず睨みつけて」
2018年5月より活動を開始した4人組ロックバンド・クレナズム。シューゲイザーやドリームポップに影響を受けたサウンドで福岡市を拠点に活動中。昨年リリースした1stシングル「花弁・いつかの今頃」は彼らの代表作といえる。ネオ・シューゲイザー・シーンを引っ張る存在として注目が集まる中リリースした新曲は、速いBPMに乗せた「ひとり残らず睨みつけて」。これまで揺蕩うような幻想的な音楽を表現してきた彼らだが、今作では高速ロックでありながらも、バンドが培ってきたシューゲイザー、ドリームポップ感は残しつつ、新たな音楽として生み出されているのは、こんな引き出しもあったのかとバンドのイメージが覆されるほどだ。疾走感のあるビートが新鮮だが、まさに新しいシューゲイザーのかたちなのではないかと思う。(中川)
yama
「a.m.3:21」
「a.m.3:21」
yama
「a.m.3:21」
「a.m.3:21」
今年4月に初のオリジナル楽曲「春を告げる」でデビューしたネット発のシンガー・yama。その「春を告げる」がまだまだチャートを席巻している中、最新曲「a.m.3:21」が発表された。前作「Downtown」は気だるさの中にヒリヒリした感情を吐露するような楽曲だったが、今作はまたガラッと変わって、ディスコポップ感とジャジーを合わせたサウンドで、強気な女性の哀愁を明るく歌う。勢いよく春を告げ、茜色の空を眺めて大人な感情を歌ったと思えば、夜の街で毒を吐き、深夜3時に忘れられない人と時を想う――季節やストーリーが見えてくる4曲とも、想像力を膨らませながら聴くことができるのは、yamaというアーティストの歌唱力・表現力の高さは去ることながら、底なしのポテンシャルの証明と言っても過言ではない。(中川)
理芽
「食虫植物」
「食虫植物」
理芽
「食虫植物」
「食虫植物」
日本の何処かにいる18 歳。日本語の歌、英語の歌、韓国語の歌が好きな謎めいた目をした女の子。透明感と艶やかさが同居する不思議な歌声を持つ、ジャンルと国境を横断する可能性を秘めた次世代バーチャルシンガー。そんな理芽がTikTokで投稿したこの「食虫植物」が、待望の配信リリース。ピアノから始まるタンゴ調のイントロに乗せて♪た~らっ たらりら♪と、無邪気さも感じるが狂気にも似た感覚を孕ませ怪しげに歌うので、その時点で耳が掴まれてしまう。“執着”“承認欲求”“コンプレックス”“愛情”“憎悪”――過食・拒食を彷彿とさせる歌詞表現=食虫植物というグロテスクなイメージが奇妙さと怪しさに拍車をかけ、さらに理芽の少し脱力したような、それでいて無邪気さが孕んだ狂気を思わせる、中毒性のある楽曲。(中川)
まちがいさがし
「ラヴソングに騙されて」
「ラヴソングに騙されて」
まちがいさがし
「ラヴソングに騙されて」
「ラヴソングに騙されて」
共感が連鎖する自己内省型ロックバンド・まちがいさがしが、待望の1stアルバム『八畳間放蕩紀行』を10月7日に発売することを発表。それに先駆け先行配信された『ラヴソングに騙されて』は、ノンプロモーションながら口コミで広がり現在120万回再生超を記録している彼らの代表曲とも言える楽曲のリマスタリング版だ。どこか気怠さを感じる柔らかい声がとても心地よくて、それでいて棘のあるリリックがとても癖になる。8月26日には、アルバム収録曲「夏に遠回りする」も先行配信されたので、そちらもぜひチェックしてみてほしい。(M)
ゆくえしれずつれづれ
『paradox soar』
『paradox soar』
アルバム
2020.08.26
コドモメンタルINC.
2020.08.26
コドモメンタルINC.
ゆくえしれずつれづれ
『paradox soar』
『paradox soar』
メイユイメイ、まれ・A・小町、个喆、たかりたからの4人からなる激情のアイドルグループ、ゆくえしれずつれづれ。アイドル×パンクロックの融合を図るグループの最前線を突き進む彼女たちの3rdアルバム『paradox soar』には、矛盾した現代社会の苦悩や葛藤の中でもがき続ける日々の結晶となる全16曲が注ぎ込まれている。孤独の中で手を差しのべる「Wish/」、和の旋律感で咲き乱れる「REDERA」から間髪入れずに突入する祈りのエレジー「illCocutus」、悲哀に満ちた心情を絶叫する「Odd eye」、“君”への想いをしっとりと歌い上げる「Dear Sorrow」。世界が混沌の渦に陥っている今だからこそ、彼女たちが全身全霊で放つ音楽、言葉に触れてみてほしいと願うばかりだ。(栄谷)
超能力戦士ドリアン
『マジすげぇ傑作』
『マジすげぇ傑作』
ミニアルバム
2020.08.26
EXXENTRIC RECORDS
2020.08.26
EXXENTRIC RECORDS
超能力戦士ドリアン
『マジすげぇ傑作』
『マジすげぇ傑作』
関西を中心に活動する抱腹絶倒スリーピースバンド・超能力戦士ドリアンが、前作からわずか4ヵ月という超ハイペースで3rdMini Album『マジすげぇ傑作』をリリース!このアルバムのすごいところは、見事に全曲共感してしまうということ。「全ポイントカード合体してほしい」「鍵閉めたっけ?症候群」などはタイトルからして“わかる~!”って感じだし、「ご飯を多めに炊いてラップに包んで冷凍する人を褒めるラップソング」に関しては、当たり前だと思ってやっていたことをめちゃくちゃ褒められて、かなり気分がよくなる。そのほか、ツイート内容がそのまま歌詞になった「今は曲の中やけど」、ドリアン初のタイアップ楽曲「カンデみ~んなハッピー!」など、笑顔になれること間違いなしのバラエティにとんだ1枚、ぜひご堪能あれ!(M)
yellow gang
『Yakety Yak』
『Yakety Yak』
アルバム
2020.08.26
I HATE SMOKE RECORDS
2020.08.26
I HATE SMOKE RECORDS
yellow gang
『Yakety Yak』
『Yakety Yak』
知る人ぞ知るノーホーンスカパンクバンド・yellow gangが新作ミニアルバム『Yakety Yak』をドロップ! 全6曲、トータル11分足らずで、ライブハウス欲で悶々とした心のど真ん中をぐさぐさ刺してくる。どしょっぱつからギターとベースのぶっといリフがユニゾンで脳天に響くショートチューン「Sugarcoat」、イエギャンのまさに王道と言えるシンガロングナンバー「I love me!」、せわしなく前のめりなパーティーチューン「Laugh! Laugh! Laugh!」、前作『CLACKETY CLACK』を踏襲しつつ歌詞にも出てくる本作のタイトルと繋がる新たなアンセム「Clackety Clack」。どの曲もシンガロング必至、ライブハウスでスカダンしながら浴びるしかないっしょ!(栄谷)