Editor’s Push 第9回
Editor’s Push | 2020.09.25
日々たくさんの音楽と触れ合っているFanplus Music編集部。
ここでは、編集スタッフがオススメしたい新譜作品をピックアップしてご紹介します。(毎月更新)
2020.09 LINE UP
yama |
Tani Yuuki |
あいみょん |
ちゃんみな |
Rin音 |
ピンキーポップヘップバーン |
Bye-Bye-Handの方程式 |
Amber’s feat. IKE from SPYAIR |
マカロニえんぴつ |
Kitri |
yama
「あるいは映画のような」
「あるいは映画のような」
yama
「あるいは映画のような」
「あるいは映画のような」
SNSを中心にネット上で注目を集める新世代シンガー・yama。4月にリリースした自身初のオリジナル楽曲「春を告げる」がまだまだチャートの上位にランクインし、その後にリリースした楽曲も次々に人気を博すなか、新曲「あるいは映画のような」が、エナジードリンク「ZONe」の「IMMERSIVE SONG PROJECT」第2弾に決定した。このコラボ企画といえば、第1弾にはYOASOBI、花譜、キズナアイが参加するなど、その音楽タイアップも注目されている。今作では、これまで割とR&B色が強かったが、一転、爽やかな疾走感でリスナーを引き込む楽曲になっている。特徴的な強いボーカルが、ポップに跳ねるベースと、軽やかに舞うエレクトロなサウンドに一本芯を通すような、聴いていてスッとする没入感のある楽曲。(中川)
Tani Yuuki
「Life is beautiful」
「Life is beautiful」
Tani Yuuki
「Life is beautiful」
「Life is beautiful」
TikTokやYouTubeを中心に活動するシンガーソングライター。個人的にはボーカルグループ「WHITEBOX」のメンバーとして先に知っていたのだが、5月に投稿した楽曲「Myra」が若者を中心に話題を集め、ノンプロモーションにもかかわらず大ヒット。チャートを席巻し、彼の魅力が世間に浸透したことが嬉しい。そしてそんな大ヒットにも驕らず、コンスタントにオリジナルやカバー曲を投稿している彼の新たな楽曲「Life is beautiful」が配信リリースされた。ミドルバラードだった「Myra」の甘く切ない感じからは一転、EDMでダンスビートが心地好い今作は、アコギでの弾き語りをメインに投稿している姿ともまた違う、クールでシティ感のある、Tani Yuukiの新たな実力を覗かせるナンバー。(中川)
あいみょん
『おいしいパスタがあると聞いて』
『おいしいパスタがあると聞いて』
あいみょん
『おいしいパスタがあると聞いて』
『おいしいパスタがあると聞いて』
前作「瞬間的シックスセンス」から1年7ヵ月ぶりとなる、3枚目のフルアルバム。「ハルノヒ」「真夏の夜の匂いがする」など聴き馴染みのあるシングル曲が多く収録されているが、まずわたしが心を持っていかれたのは1曲目の「黄昏にバカ話をしたあの日を思い出す時を」。<愛は全てを解決しない/金があれば何でもできるかもしれない>という歌い出しからの、<余裕のある人はかっこいい/でも余裕のない人生は燃える>というフレーズがグッとくる。「シガレット」のどこか諦めたような感じも、「朝陽」のどうしようもないやるせなさも、あいみょんならではの描写が炸裂していて、まるで短編小説のよう。スタジオのダイニングルームでレコーディングを実施したという今作はどの曲も優しくリラックスした雰囲気で、日常に溶け込む作品だと思う。(M)
ちゃんみな
「Angel」
「Angel」
ちゃんみな
「Angel」
「Angel」
日英韓の3ヵ国語を操るトリリンガルラッパー/シンガーのちゃんみなが新作をドロップ。“堕天使”をテーマにしたドラマ仕立ての今作は、1曲目の「Angel」から4曲目の「As Hell」にかけて、堕天使が地獄へ堕ちていくストーリーが描かれている。毎回ちゃんみなの描く世界観はとても深くて様々な考察があるが、今回も聴けば聴くほど深みにハマる。例えば、「Angel」の<このまま2人血が繋がるほど心を込めて愛をしましょう>という歌詞。一見、幸福な愛のフレーズにも見受けられるが、全体を通して聴くと全く真逆だったり。実体験をもとにして曲を作っているちゃんみなだからこそ表現できるリアルな世界観を体感できる1枚だ。(M)
Rin音
「箒星飴店」
「箒星飴店」
Rin音
「箒星飴店」
「箒星飴店」
話題沸騰中の現役大学生ラッパー・Rin音の新曲「箒星飴店」(ほうきぼしあめてん)。今回「GU MEN WEB CMソング」にも抜擢されたこの曲、独特のタイトルと台湾風(?)のジャケットが目を引く。エモくてムーディーなトランペットのイントロから始まるミディアムナンバーにふっと肩の力が抜けたところに、なんとも癒される声とリリックが降ってくる。仕事中にリリックビデオを観ながら聴いていたのですが、「わかる、わかる。。」と共感の嵐。<自分を愛してたいと思えるよう>これは常に意識していることなのですが、なかなか難しい。。でも<自分を愛しなさいよ>ってワードに、ハッとする。疲れた夜にぴったりのこの曲、ヘビロテ確定です。(M)
ピンキーポップヘップバーン
『P-POP』
『P-POP』
ピンキーポップヘップバーン
『P-POP』
『P-POP』
2018年12月にバーチャルYouTuberとしてデビューして以来、強烈なキャラクターでファンを魅了しているVTuber“ピンキーポップヘップバーン”。2月にE.P.を配信リリースし音楽活動を本格的に開始した彼女が、遂に1stアルバム『P-POP』をリリース。アルバムの幕開けにふさわしい明るさ爆発の「あつまれ!PPHワールド」から、サビの韻の踏み方がクセになる「はぐれメンタル」、大人びた歌唱の「乱数調整ゾンビ」、生きる活力をもらえる「ベジタブルたべる」、バーチャルの世界に入り込むようなPPHらしさ全開の「優勝」のほか、戦慄かなのをフィーチャリングゲストに迎えた「インキャ in da house featuring 戦慄かなの」など、新ジャンル“P-POP”を体現する作品となっている。(中川)
Bye-Bye-Handの方程式
『Flowers』
『Flowers』
Bye-Bye-Handの方程式
『Flowers』
『Flowers』
2015年5月に地元・大阪の中学の同級生で結成された平均年齢20歳の4ピース・Bye-Bye-Handの方程式。No Big Deal Records主催オーディションにてグランプリに選ばれ、このたび3rdミニアルバム『Flowers』をリリース。このバンド何がいいって、<貯金残高><君のうなじ>のような日常に寄り添う歌詞で紡いでいく甘酸っぱい青春の思い出の数々。そしてメッセージがとにかく直球で、<キスをしたい抱きしめていたい><甘えたい>と言ってしまえる潔さ。そんでもってサウンドの瑞々しさ。ときに<誰にも同じ様に/魔法がかかる時間がある><舐めてかかんなよ僕の頭では宇宙戦争が始まっているよ>とファンタジックに妄想してしまう一幕も微笑ましい。人肌恋しくなる危険性大なのでご注意を。(栄谷)
Amber’s feat. IKE from SPYAIR
「ブラザーブラザー」
「ブラザーブラザー」
Amber’s feat. IKE from SPYAIR
「ブラザーブラザー」
「ブラザーブラザー」
豊島こうき(Vo,Gt)、福島拓人(Gt,Programming)からなる2人組バンド、Amber’s。Fanplus Musicでも「演奏してみた」連載でおなじみの彼らが、リスペクトするSPYAIRのボーカルIKEをフィーチャリングゲストに迎えた新曲「ブラザーブラザー」を配信リリースした。この楽曲は、STAY HOME期間中に「#歌つなぎ」でIKEからこうきへバトンが繋がれたことがきっかけで制作された、思うように人に会えない日々の中、懐かしい思い出をセーブ(記録)した1曲だという。MVでは3人が楽しそうにゲームをしてはしゃぐ姿にほっこりしつつ、レゲエ調の遊び心ある楽曲に、体も自然と揺れる。Amber’sとしてもこれまでになかった曲調で、ポテンシャルを見せつける楽曲にもなっている。(中川)
マカロニえんぴつ
「生きるをする」
「生きるをする」
マカロニえんぴつ
「生きるをする」
「生きるをする」
マカロニえんぴつ、メジャー第1弾リリース作品『愛を知らずに魔法は使えない』からの先行配信シングル「生きるをする」。テレビアニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』のOP主題歌として書き下ろされた楽曲だ。これまで孤独と向き合いながら走り続けてきたマカロニえんぴつにとって、冒頭の<僕が僕を愛し抜くこと>というテーマがバンドの新たに踏み出す一歩を象徴しているように聞こえて、この1行だけで身震いしてしまった。キーボードセクションが大陸的な空気を醸し出すなか、<見ててくれるなら魅せてみせるのに>という嘆きが実に頼もしい。そしてテンポダウンする中間部からの、生命力を持ったラストの展開はバンドの並々ならぬ決意を感じずにはいられない。さあ、マカロニえんぴつとともに歩んでいく青春を謳歌するのが楽しみだ。(栄谷)
Kitri
『Re:cover』
『Re:cover』
Kitri
『Re:cover』
『Re:cover』
姉のMonaと妹のHinaによるユニット・Kitriがカバーアルバム『Re:cover』を配信リリース。4拍子の原曲をワルツ調にアレンジした「アン・ドゥ・トロワ」(キャンディーズ)で幕を開けると、強めのアタックでドキッとする空間を演出した「Make-up Shadow」(井上陽水)、ほぼ全編コーラスとともにスロウに歩みを進める「深夜高速」(フラワーカンパニーズ)、原曲と比べてより深く静かな海の情景を壮大に描いた「シーラカンスと僕」(サカナクション)、快活でドラマチックなリズムを奏でる「小さな瞳」(しばたはつみ)、これらに唱歌などを加えた全9曲。カバーアルバムとはいえ、ふたりの息遣いやフレージングアレンジはオリジナリティにあふれ、Kitriの魅力にどっぷりハマれる名作アルバムと言える。(栄谷)