Editor’s Push 第6回
Editor’s Push | 2020.06.26
日々たくさんの音楽と触れ合っているFanplus Music編集部。
ここでは、編集スタッフがおススメしたい新譜作品をピックアップしてご紹介します。(毎月更新)
2020.06 LINE UP
yama |
須田景凪 |
YOHLU |
シバノソウ |
イロムク |
ヤングオオハラ |
すとぷり |
神様、僕は気づいてしまった |
tact |
Kitri |
yama
「クリーム」
「クリーム」
yama
「クリーム」
「クリーム」
2018年からSNSを中心に活動をスタートし、今年4月に自身初のオリジナル楽曲「春を告げる」でデビューしたネット発のシンガー・yama。「春を告げる」はYouTubeで1000万再生を超え、各配信チャートでも上位にランクインし、急激に話題を集めている。そんなyamaの2作目となるオリジナル曲「クリーム」も注目すべき楽曲だ。「春を告げる」はアップテンポな曲調と、R&Bやソウルを感じるパワフルでな歌声でまさに幕開け感がある楽曲だったが、「クリーム」では一転、大人びた歌声で、MVの煙草を咥えた女性そのもののようなアンニュイさが印象的だ。たった2曲でこの表現のふり幅もさることながら、イラストとリリックのみのMVなど、特に派手な演出もせずに大きな存在感を与えているyama。今後も目が離せない。(中川)
須田景凪
「Alba」
「Alba」
須田景凪
「Alba」
「Alba」
2013年より“バルーン”名義でニコニコ動画にてボカロPとしての活動を開始。2017年10月、自身の声で描いた楽曲を歌う“須田景凪”として活動を開始。楽曲は作詞、作曲、編曲全てを自身が手掛けている。新曲「Alba」は、中村倫也主演の映画『水曜日が消えた』の主題歌として書き下ろされた。この曲に寄せた須田のコメントに「ひとつずつ言葉を選んでいきました」とあるように、自分のことのようで、他人のことのようにも感じるような――まるで自分を俯瞰して見るような――絶妙な距離感で、とても丁寧に、琴線にそっと触れるような歌詞が紡がれている。またサウンドは、サビの滑らかな須田の歌唱が、一聴して耳に残るメロディを生み出している。映画でしか聴けないアレンジもあるとのことなので、ぜひ映画とともに聴きたい。(中川)
YOHLU
『YET YONDER YEARNING』
『YET YONDER YEARNING』
YOHLU
「YET YONDER YEARNING」
「YET YONDER YEARNING」
福岡を拠点に活動する3人組フューチャー・ソウル・ユニット”YOHLU”が、初の全国流通盤のEP「YET YONDER YEARNING」をリリース。2018年にリリースされた「SKIRT」から最新曲「& I」まで全6曲が収録された本作は、Spotifyでは既に40万回再生されている曲がコンパイルされている激アツな1枚!とにかく全部がおしゃれ。CITY POP好きは必聴です。EP未収録ですが、EPと繋がるNEWシングル「FLIGHT LIGHT[prod.peach boi]」のMVも公開されているので、そちらも是非チェックしてみてほしい。(編集部:M)
シバノソウ
『あこがれ』
『あこがれ』
シバノソウ
『あこがれ』
『あこがれ』
現在20歳のシンガーソングライター・シバノソウが1stフルアルバム『あこがれ』をリリース。「10 代の内省をしようとした時、夏のことを歌うことがそのままの自分のことを歌うことになるだろう」とコメントを寄せているが、「泳いでく」の透明感の中にのぞく青さ、「あの夏の少女」の淡い記憶ににじむ儚さ、「インターチェンジ」の切なさ、などいずれの楽曲も、夏の色彩感と無色が交錯するような心理描写がモチーフとなっているようだ。また、NUMBER GIRLを彷彿させるソリッドでタイトな音像と、アイコニックな彼女自身の処女性もまた、シバノソウが描きたかった主張をぐっと引き締めている、まさに初期衝動を凝縮させて詰め込んだような作品、これから暑くなってくるこの時期にこそ肌で感じておきたいアルバムだ。(栄谷)
イロムク
「シャンプー」
「シャンプー」
イロムク
「シャンプー」
「シャンプー」
かつて渋谷TSUTAYA O-Crestで観た彼らのライブは、必死で強がっているような印象だった――。ロックバンド・イロムクの自主レーベル設立後第1弾リリースとなる新作「シャンプー」。いまだ消えない“君”への執着心を、思い出に残る「シャンプー」の匂いに重ね合わせながら綴っている。藤沼絢(Vo/Gt)のハイトーンによって<ねぇ君が髪を切っても 気付く事もなくなるけど/傷付ける事も泣かせる事も なくなるんだ>と泣き叫ぶようなサビ、「そうじゃねえじゃん!」って……でもそうやってひねくれながらなんとか前を向いていくのが女々しき男の性なのだ(ぼくもそっちのタイプです)。あの強がっていたバンドが新体制に移行し、リスナーの共感を通してより広い世界へと羽ばたいていくことに期待したい。(栄谷)
ヤングオオハラ
「パジャマでシー」
「パジャマでシー」
ヤングオオハラ
「パジャマでシー」
「パジャマでシー」
新型コロナウイルスの影響で活動自粛を余儀なくされていた沖縄在住4人組ロックバンド・ヤングオオハラが、自粛期間前に制作中していたデモ音源をそのまま採用した「パジャマでシー」を配信限定リリースした。注目すべきは、全国のファンからの“おうち動画”を募集して作成したMV!ロックバンド好きならついつい反応してしまう面々も登場し、何度でも観てしまう。楽曲もとても明るくて、パジャマでシーに行きたい衝動に駆られます(笑)今後は沖縄のライブハウスからの配信ライブ等も実施の予定とのことなので、続報を楽しみに待とう。(編集部:M)
すとぷり
「スキスキ星人」
「スキスキ星人」
すとぷり
「スキスキ星人」
「スキスキ星人」
YouTubeでの動画総再生数が19億回(2020年6月現在)を突破し、長時間リレー放送や生配信などでも人気を博している動画配信エンタメユニット・すとぷりが、ナユタン星人書き下ろしの新曲「スキスキ星人」を配信リリース。今作は、1月にリリースされたアルバム『すとろべりーねくすとっ!』収録の「ストロベリー☆プラネット!」の続編とも言える楽曲となっている。宇宙規模の“好き”の想いを伝えるこの曲だが、好きな人へというのはもちろん、すとぷりからすとぷりすなーへのメッセージでもあると思う。<距離は遠くなったけどさ また近くにおいで>、<君の声が僕のいるリーズン>――どんどん大きな舞台で活躍する彼らだが、“心はずっと君のそばにいるし、君がいるから頑張れる”……そんな、彼らからの率直なラブソングだ。(中川)
神様、僕は気づいてしまった
「インナーサークル」
「インナーサークル」
神様、僕は気づいてしまった
「インナーサークル」
「インナーサークル」
どこのだれか(Vo/G)、東野へいと(Gt)、和泉りゅーしん(Ba)、蓮(Dr)からなるロックバンド・神様、僕は気づいてしまった(以下、神僕)が、本郷奏多主演の新作実写ムービーゲーム【Death Come True(デスカムトゥルー)】の主題歌として書き下ろした新曲「インナーサークル」をリリース。この楽曲は東野へいとが作詞・作曲を担当。映像を観てもらえばわかるが、ゲームの世界観にぴったりマッチしていて、相乗効果抜群の楽曲となっている。英詞やラップも印象的なので、ぜひぜひゲームを楽しみながら聴きこんでほしい。(編集部:M)
tact
『isolated』
『isolated』
tact
『isolated』
『isolated』
今月のパンク枠は迷うことなくコレ。宇都宮のメロコアバンド・tactは、2013年リリースの1stミニアルバム『Reminds』はぼくが通ってきたメロディック作品の中でもトップクラスに個人的名盤で、超待望のフルアルバム『isolated』をリリース。全10曲、トータル23分で駆け抜けていく今作はまさに、tactの真骨頂が惜しげもなくパッケージングされたメロディックファンも納得の1枚。哀愁を誘うマイナーコードに掻き立てられる圧倒的なメロディラインと、ひとクセのあるコード進行に光るセンス、新機軸を模索し続ける挑戦的なアプローチ、そのいずれも隙がなく、ツボをついてくる。まじで選べないくらい10曲もれなくオススメ。ああ、ライブハウスで聴けたときにはもう泣きながらどこまででも飛んでいけそうだ。(栄谷)
Kitri
「Lily」
「Lily」
Kitri
「Lily」
「Lily」
姉のMonaと妹のHinaによるユニット・Kitriが、3作連続配信シングルリリースの第1弾として新曲「Lily」を発表。ピアノの豊かな響きに乗せて、ささやくように言葉を並べる歌が物語の静けさを演出し、随所に差し込まれるドミナントコードの緊張感が想像力を巡らせ、半音階でたゆたうハモりのコーラスは、揺れる情感を感じ取るための肝となるセクションだ。やがて<リリー/ねえリリー>と上昇していく主旋律と下降していく低音弦が壮大なオーケストレーションを形成していく。ユリの花に投影した最愛の人に捧げるこの楽曲の手ざわりは、Kitriのひたむきで丁寧な音楽への姿勢そのもののように感じる名曲だ。なお、リンクの配信動画の18’30”あたりからピアノのみで初披露されたプレイを視聴可能。(栄谷)