Editor’s Push 第11回
Editor’s Push | 2020.11.27
日々たくさんの音楽と触れ合っているFanplus Music編集部。
ここでは、編集スタッフがオススメしたい新譜作品をピックアップしてご紹介します。(毎月更新)
2020.11 LINE UP
a子 |
ワールズエンド。 |
マルシィ |
WEAKEND WALKER |
Sano ibuki |
いう゛どっと |
CRYAMY |
君島大空 |
femme fatale |
りりあ。 |
a子
「青」
「青」
a子
「青」
「青」
2018年頃にアーティスト活動をスタートし、東京を中心に活動を行っているシンガーソングライターのa子が、新曲「青」をリリース。マスタリングエンジニアはmillennium paradeやFriday Night Plansなども手掛けるStudio Tanta所属のエンジニア佐々木優氏が担当。儚く消え入りそうな声と繊細なメロディ、切ない歌詞に胸が打たれる楽曲だ。先日、9月に発売したファーストEP「潜在的MISTY」の収録曲「CHAOS」のライブセッション動画が公開されたのだが、MVとはまた違ったa子の世界を感じることができるので、そちらもぜひご覧いただきたい。(M)
ワールズエンド。
『ウェルカム・トゥ・ザ・ワールズエンド。』
『ウェルカム・トゥ・ザ・ワールズエンド。』
ワールズエンド。
『ウェルカム・トゥ・ザ・ワールズエンド。』
『ウェルカム・トゥ・ザ・ワールズエンド。』
『つまらない人生に最高のドラマを。』をキャッチフレーズに活動するアイドルグループ・ワールズエンド。の1stアルバムは、前身となるマリオネッ。時代の楽曲を含む全13曲。往年のロックアンセムのギターリフを大胆にサンプリングしながら冒険の旅へといざなう「新世界RPG」、煌びやかな青春ソング「フェアリーテイル」、パンキッシュなサウンドで手を差しのべる「Midnight Parade」、東京の喧騒から抱く葛藤を描いた「モンスター」、フロアを無条件に焚きつけるキラーチューン「Distortion」。強力なユニゾンパートと、交錯するソロパートの説得力とユーモア。リスナーの好奇心を掴んで離さない楽曲の圧倒的なパワーも相まって、光るものを感じてしまうのはぼくだけではないはず。早く推しメン決めなきゃ!(栄谷)
マルシィ
「雫」
「雫」
マルシィ
「雫」
「雫」
福岡の4ピース・マルシィというバンドをご存知だろうか。今年5月に自主制作で発表された「Drama」「絵空」がSNSの口コミなどを通して広まり、各種配信サイトではめざましいチャートアクションを見せ、「Drama」のMVがYouTubeで200万回再生を突破するなど、急速に支持を集めている。そんな彼らの待望の新曲「雫」は、冷え込むこの季節に持ってこいのラブソング。この上ない一途な想いが表れたサビの<会いたいよ 全て忘れて/夢の中で溺れていたかった>はもちろん、<あぁ、何してるんだろう/また手のひらで踊って/もう踊り疲れたって>の切実さも、Vo.うきょうが紡ぐ歌詞の特徴的なエッセンスと言える。そして数々のヒットソングを手がける杉山勝彦によるサウンドプロデュースの妙も忘れてはいけない。(栄谷)
WEAKEND WALKER
「Nights Out」
「Nights Out」
WEAKEND WALKER
「Nights Out」
「Nights Out」
2019年9月結成、SiN(Vo)・teppe(Gt)・taichi(Ba)による、2020年代を代表するネットネイティブな新世代バンド、WEAKEND WALKERが、新曲「Nights Out」を配信リリースした。同曲は、今年9月に開催された結成1周年記念ライブにて一足先に披露されていた楽曲。ライブで初聴きした時、そのビート感に全身が高揚し、良い意味で意表を突かれ、感嘆したのを覚えている。前作「CHECKMATE feat.EMA」で、1st EP「黒点」からまた違った印象を与えた後の今作「Nights Out」は、ダブダブの、ジャンルにとらわれないノーウェーブさと、次世代アーティストならではのカルチャーも感じさせつつ、キャッチーで確かなポップセンスも見せつける1曲となっている。(中川)
Sano ibuki
「紙飛行機」
「紙飛行機」
Sano ibuki
「紙飛行機」
「紙飛行機」
2017年、本格的なライブ活動を開始。2019年11月にデビューアルバム『STORY TELLER』をリリース。その後、立て続けに映画主題歌を書き下ろし、新曲「紙飛行機」も映画『滑走路』への書き下ろし主題歌となっている。彼の楽曲の特徴の一つとして、主人公がいて、その物語の主題歌を歌う、という点がある。その点からすると、これまで映画の主題歌が続いているというのは納得できるし、なおかつ、Sano ibukiの楽曲としても成り立っていることがわかる。今作も、包み込むような歌声がやわらかなピアノの旋律に乗り、徐々にストリングスによる壮大なサウンドが、まるで紙飛行機が風を受け広い大空へ飛び立つ情景を浮かび上がらせるのは、まさに彼のストーリーテリングが楽曲に表れていることにほかならない。(中川)
いう゛どっと
「エンドマークパーク」
「エンドマークパーク」
いう゛どっと
「エンドマークパーク」
「エンドマークパーク」
曲によって様々な色彩を宿す深みを纏った歌声と、相反する飾らないキャラクターの持ち主いう゛どっとが、yahyelの篠田ミルが編曲で参加した新曲「エンドマークパーク」を初の配信シングルとしてリリースした。1stフルアルバム『ニュアンス』で、文字通り様々な色彩の歌声で色々な表情を見せた彼だが、今作ではまたさらに強烈な一面をさらけ出している。怪しさ、毒々しさ、狂気、ヒリヒリ感……まさに“真っ黒”なイメージの楽曲を、アンニュイ感と儚さを併せ持つ歌声で歌われると、危うさが増してゾクゾクするし、色気すら感じてきて、それがまたクセになる。曲中の<ララッタッタ~>と踊り狂うシーンではもう抜け出すことのできない、この曲の甘い毒にはまってしまっているのだ。曲の世界観が描かれたMVとともに聴いてほしい。(中川)
CRYAMY
「YOUR SONG」
「YOUR SONG」
シングル
2020.11.11
nine point eight
2020.11.11
nine point eight
CRYAMY
「YOUR SONG」
「YOUR SONG」
CRYAMYと書いてクリーミーと読む。2nd EP『#3』収録の「sonic pop」はぼくの精神安定剤のように今でもよく聴いているが、自主レーベル[nine point eight]からリリースされたシングル『YOUR SONG』は、世の中に蔓延るしょうもない日常をチャーミングなサウンドで痛烈にディスる「N・H・K」、バラードパートに始まり、愛する“あなた”との何気ない対話を描写しながら走り抜ける「まほろば」など全5曲。ときに自ら生存確認するかのような鋭さを持ち、ときに優しく語りかけるようなカワノ(Gt/Vo)の声色が、彼自身の生き様そのもののように響く。PK shampooやオレンジスパイニクラブらと並び20年代ロックシーンを牽引していくバンド、CRYAMY。今聴いておいて損なし。(栄谷)
君島大空
「縫層」
「縫層」
君島大空
「縫層」
「縫層」
先鋭的で多彩な才能を多方面で発揮している気鋭の音楽家・君島大空が、1st EP「午後の反射光」からおよそ1年半ぶりに待望の2nd EPをリリース。タイトルである「縫層(ほうそう)」という言葉は、内省のいつも雨が降っている場所、ひらかれた空の手前にある雲のようなもの、声や顔の塊、同音意義の包装や癒着という言葉が投影されるような、人がひとりの中で編み、勝手に育っていってしまう不安や喜びの渦を指す造語だそう。ジャンルに囚われない多彩な音のコラージュ、彼の紡ぐ美しく詩的な言葉と中性的な歌声で描かれる作品風景が素晴らしく心地よい作品集だ。(M)
femme fatale
ミニアルバム『femme fatale』
シングル「安眠swimming / 恥晒し(feat.ゆゆうた)」
ミニアルバム『femme fatale』
シングル「安眠swimming / 恥晒し(feat.ゆゆうた)」
femme fatale
ミニアルバム『femme fatale』
シングル「安眠swimming / 恥晒し(feat.ゆゆうた)」
ミニアルバム『femme fatale』
シングル「安眠swimming / 恥晒し(feat.ゆゆうた)」
元ZOCの戦慄かなのと、妹の頓知気さきなによる実姉妹セルフプロデュースユニットfemme fatale。結成から2周年を迎えた彼女たちの2年間の活動を総括し、MV・ライブですでに披露していた既存曲6曲を収録したミニアルバム『femme fatale』と、シングル「安眠swimming / 恥晒し(feat.ゆゆうた)」の新曲2曲を同時リリースした。曲調は全体的にキラキラしているのだけど、このふたりにしか歌えないであろう毒のある歌詞がとても特徴的である。そして圧倒的にビジュアルが強い姉妹の、独特なシンクロ率が抜群なMVにも注目だ。個人的お気に入りは「after light」と「安眠swimming」。世界観が美しく、なによりふたりが天使すぎる。(M)
りりあ。
「蛙化現象に悩んでる女の子の話。」
「蛙化現象に悩んでる女の子の話。」
りりあ。
「蛙化現象に悩んでる女の子の話。」
「蛙化現象に悩んでる女の子の話。」
2020年5月にオリジナル楽曲「浮気されたけどまだ好きって曲。」を各配信サイトでリリース。同曲のYouTube再生数は818万回超え、SNSフォロワー数は147万を超える、エモーショナルな歌声と豊かな表現力が話題のシンガーソングライターりりあ。が、トイズファクトリー内に新設されたレーベル「VIA」より、「蛙化現象に悩んでる女の子の話。」を配信リリースした。SNSで「どんな曲を聴きたいか」を募り、その中で最も多かった“蛙化現象”をピックアップして制作されたこの曲。“蛙化現象”という、「好きなのに、なんで」という自分ではどうしようもできない感情を、りりあ。のかわいらしくも切ない歌声が、悩んでいる10代の女子・男子たちに寄り添ってくれる。弾き語りのオリジナルverとは違うアレンジにも注目。(中川)